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2018ベネルクス鉄道の旅 #2ライン河畔の優雅な旅、からの...

「夜の国境ローカルには、乗らないほうがいい」by Karanda

★目次はこちら★
https://note.mu/karanda_videos/n/n01e4cf58ffab

しばらくマインツ駅で撮り鉄を楽しんだところで、私の乗る列車の時間がやってきました。

私の乗車するのは、17時20分発ドルトムント行のユーロシティです。
スイスのインターラーケンを出発し、遥々走ってくる国際特急。
奥の青いやつはローカルなので、違いますw

【Mainz Hbf】17:20 →【Koeln Hbf】19:05(EC6 Dortmund Hbf行)

次に入ってきたこいつも、違う。
発車時刻にやってくるものだから、紛らわしいです。
ドイツ鉄道は、1本のホームにA、B、C…というエリアわけがされていて、Aの案内板にはAの位置に停まる列車、Bの案内板にはBの位置に停まる列車だけが案内されるような仕組みになっています。
今ホームに入ってきた列車は、私の立っている位置までこないので、すぐ近くの案内板では案内がなされていません。

ユーロシティが入ってきました。おばちゃんが走ってますが、私も走ります。
ヨーロッパの鉄道では、何号車がホームのどこに止まるという情報が、基本的にはありません。
大きい駅であれば列車の編成表が貼ってあって、確認できることもありますが。

先ほど書いた、A,B,Cという区分けで、“だいたいの位置”は案内されます。先ほどの案内板の写真にも、Aに1、Bに食堂、C~Fに2という数字が書かれていますが、これが、Aのあたりに1等車、Bのあたりに食堂車があり、C~Fには2等車が来ますよ~という意味。
ですが、実際には1等車は3両連結されているため、Aのあたりの「どの」1等車が自分の乗る車両なのかは、ホームで実際の車両を見るまで、わからない!のです。

しかも車両番号は前から1号車、2号車…ではなく、私の乗る車両は1等車232号車の72番席という難解な指示。なので、到着する列車の側面に目を凝らし、自分の乗る車両を発見したら、走って追いかけて乗らなければならないのですね。

列車の到着にあわせてぞろ~~~~~っと人が動くのは、なかなか面白いですが、乗るほうは大変なのです。

ユーロシティの内装はこんな感じ。
広いし、快適です。ほどほどに空いていましたね。

この列車は、ライン川沿いの景勝地を通り、2時間弱かけてケルンを目指します。途中停車駅は、古都コブレンツ、かつての西ドイツ首都ボン、そして大聖堂のあるケルン。その先ドルトムント方面には乗車しません。

↑車内の様子はこんな感じです。まったり

↑窓の前に空き缶がありますが、これは私が飲んだものではないです。。

ケルンに到着しました。

ここは大聖堂の街。実は4年前にも、この駅に降り立っているので、思い出の駅なのであります。

(4年前の旅行記はこちら、note外ですが… →https://blog.goo.ne.jp/morikawa_city/e/0408fd745de95535b9196cf755965363

写真に撮ると綺麗な客車、ですが、床下から立ち込めるなんともいえない悪臭。。。。
そういえば、ヨーロッパの客車トイレは、未だに垂れ流しだと聞いたような。。。。

なかったことにして、乗り継ぎますw

■ケルンからアーヘン

【Koeln Hbf】19:15 →【Aachen Hbf】20:07(RE1号線 Aachen Hbf行)

ここで、私は油断をしました。一眼を首から下げた状態で、次のRE(RegionalExpress:地域急行)の乗り場へと移動したのです。
乗り継ぐREはベルギー国境の町、アーヘンへと走るものなのですが、どうやらこのアーヘンの街も、またアーヘンへ向かう列車内も、あまり治安が良いとは言えないようで…

まだ明るいですが夜7時ということもあって、車内には割と怖めなお兄さんたちが、わらわらと。
しかも、乗った2階建て客車は1階が2等車で2階が1等車という構成。

2等車は超満員、通路まで人があふれている状態で、1等車はがらがら、しかもそんな1等車に一眼をさげた東洋人。これは、狙わない、わけがないですよね。

私が1等車に乗り込んだ後から、なぜか2等車通路にいた黒人さんが、何人か1等車に乗り込んできたのです。

そして私を遠くからちらちらみて、にやにや笑っていたり、ごにょごにょ談笑していたり…

しまいには、1等車の車内を、前から後ろからうろうろしはじめて、あからさまに私の鞄や、一眼を見ているのです。
(悪いことをしようとしているときの笑い声は、万国共通ですな)

もちろんこの辺で私も「察知」したので、一眼を鞄にしまい、鞄にはダイヤルロックでガッチリ鍵をかけ
さらに鞄をジーパンのベルトとワイヤーコードでつなぐという、万全の防御態勢を敷いたわけです(ついでに笑顔で睨みつけてやりましたよ)。

そんなこんなでしばらくすると、車掌さんが検札に来て、当然ながら黒人さん達は1等車のチケットを持っておらず追い出され、事なきを得た?のですが…

心臓には良くなかったですね。まぁ、自業自得なのですが(^^;

なお、私のほかにもドイツ人のジェントルマンが二人乗っておりまして、彼らは黒人さん達がうろうろしていても、我関せずといった感じで、新聞や本を読んでおられました。
普段通りの風景だったのでしょうか。まぁ、なんにしても、何事もなくてよかったです。

↑ようやく静かになった車内から、パチリ(←性懲りもなく一眼を取り出す馬鹿)

ケルンからまた1時間程度走り、国境の町アーヘンに“無事”到着です。
ここで再び乗り換えて、国境を越え、ベルギー、ワロン地域首都のリエージュを目指します。

■はじめて国境を超える(アーヘンからリエージュ)

現在地はアーヘンです。アーヘンでも乗り継ぎで50分待ち。乗車するのはブリュッセル行のICEではなく、その下に表示されているSPA行ローカルになります。
先ほどの恐怖体験?から解放されて、ちょっと安心したので、また撮り鉄。

ここもそれなりに大きい駅ですが、ちょっとボロい雰囲気。
駅前は黒人さんでいっぱい、駅前広場では明らかに怪しげな、全身震えて奇声をあげる若者集団がいたりして…ちょっとやばそう?笑

事前情報では、アーヘンはかなり治安のいい街だ、と聞いていたのですが…(単純に夜だから、ってのもあるかな)

それでも、ICE停車駅、タリースも止まります。
ベルギー国鉄とドイツ国鉄は電化方式が異なり、ドイツは交流、ベルギーは直流とのことで、このアーヘン駅では、交流と直流をバチン!と切り替えるスイッチがあるそうなんです。

だから、ICEもタリースも停車。
乗務員さんも交代するようで、乗降はそんなに多くないですが、停車時間は割と長くとってあるようでした。

で、見てのとおりだんだんと暗くなってきたのですが、暗くなってきてホームからICEが離れると、ホーム上には私と、白人男性1名と、黒人兄ちゃんが3名…しかも皆こっちを見ている。

察しました。これは、やばいw

大慌てで一眼を鞄にしまい、ダイヤルロックをかけたところで、まずは白人男性がロックオン。足早にホームを去ろうとする私のほうに寄ってきて、

「私はファッションを学んでいて、あなたの服装はかなりおしゃれだから、上着を貸してほしい」

その男性、この寒い(書いていませんでしたが、夜のアーヘンは10度ぐらいで、かなり寒かったです)中、半そで短パン、カバンも持たず、見るからに怪しいのです。
反応したら負けだと、足早に通り過ぎたところで、第二関門。黒人兄ちゃんが恨めしそうな目で、こっちを凝視。ただ、黒人兄ちゃんは特に何をしてきたわけでもなく、無事ホームを脱出することができました。ほっ…笑
(思えば、黒人にいちゃんは単に、国境越えの列車を待っていただけで、この無防備な東洋人を、心配していたのかもしれません。でも
白人男性にロックオンされた時点で、そんな心の余裕は、ありませんでした…)

ところで、ホーム上に誰もいない、でもこのホームには国境を越えて走る列車がくるはずなので、おかしいなと思っていたら、駅コンコースには、スーツケースやらリュックやらを持った、“大丈夫そうな”人たちが。

どうやら、夜のホームは危険だ!という共通認識があるようで、列車の時間が来るまでは、駅のコンコースで「壁を背に立って」待機するのが、ここでのやり方のようでした(^^;

ホームで写真を撮っていた私はまぬけさんだったわけですね。

私も、大丈夫そうな人たちに交じって、列車の到着をひたすら待ちました。長かったです…。

↑ようやくやってきた列車はこちら(怖くて、こんなんしか撮れませんでした)
かわいらしい2両編成、昼に見る分にはいいのですが、この時間にこんな風に止まっていると、ホラーでしかないw
なんかボロボロだし…

車内は割と、さっきの大丈夫そうな人たちが乗ってきて、ひとまず安心(^^;

【Aachen Hbf】21:04 →【Welkenraedt】21:19(R5042列車 Spa-Géronstère行)

車内にも落書きがあったりして、なんとなく先が思いやられますが…。
ここでも1等車は私だけ。

今回乗ったヨーロッパの鉄道は、どんなローカル線や私鉄電車にも、1等車(席)と2等車(席)が必ず存在していました。
1等車に乗るメリットは、快適性や確実に座れるということもそうですが、何より、車掌さんが頻繁にやってくること、客層がまともであること、が挙げられると思います。
一方で、デメリットとして、1等車に乗っている=金持っているということになるため、1等車に乗るとき、降りるときや、車掌さんが来るまでの間は、スリさんたちの標的にされやすい、ということがあります。
これは今回の旅で一番思ったことでした。

とくに半室1等車と、先ほどのような1階が2等車で2回が1等車のような場合は、2等車からこちらを伺う余地がありますから、こちらが意図していなくても、変な反感を買っていたり、アピールしてしまっていることがあるのかもしれません。

悪目立ちするのが嫌であれば、二等車の隅っこで静かに座っているという選択も、時には必要なのかもしれないなと思った次第です。

何はともあれ、ベルギー入国です。といっても、特段何があるわけでもありませんね。
ベルギー国鉄は左側通行(ドイツ鉄道は右側通行)なので、地味~に走行車線が変わっていたりするのですが…。

国境通過後、2駅ぐらい先のウェルケンダラート駅で乗り換え。

【Welkenraedt】21:26 →【Liège-Guillemins】21:56(IC544列車 Oostende行)

無事後続のインターシティに乗りついで、本日の宿泊地リエージュ駅へと向かいました。なお、この時点で既にベルギー、ワロン地域に入っているため、車内の案内などはすべてフランス語で表記されています。
ワロン地域というのはベルギーの言語圏のことで、北のフランデレン地域はオランダ語が公用語、ベルギーという国は1国2公用語なのです。
ローカル列車でほんの少し走っただけなのに、言語が違うというのは、日本人には理解できないことですね。大垣から米原を越えたら関西弁、というのと、理屈は似てますが、そもそもの言語が違うのです。

ここで、検札に来た車掌さん(2名)

ぐっとあふたぬ~ん♪ふふふん♪と、めっちゃ歌いながら入ってきましたw

さっきまで緊張の連続でしたが、ここでちょっと笑ってしまった。
車掌さんの制服がさっきのドイツと違うので、国境を越えたのだとここでも実感。

さて、入国早々波乱万丈の一日でしたが、22時、無事リエージュ到着。。


だが!まだ終わっていなかった!

ICを降りてエスカレーターでコンコースに上がっていたところ、右を歩いてきた黒人のおっさんに、右のおケツをがしっと掴まれました。

痴漢????と思いましたが、いやいや違いますな、スリさんです。
もうさすがに学んで、一眼は出しておらず、カバンも前掛けでダイヤルロック、ポケットの中には緊急時(トイレ)用の小銭が少々入っているだけ、でしたので、幸い被害はありませんでしたが…。

最後の最後まで安心できない入国初日、でありました。。。

(本当は、ライトアップされたリエージュ駅を写真に収めたかったのですが、もうそんな気力ありませんでした。。投宿)

★宿泊したホテル

HOTEL DE LA COURONNE LIÈGE

http://www.hoteldelacouronne.be/en/

リエージュ駅(リエージュ・ギューマン駅)前に隣接する立地。駅を出て道を渡ればすぐホテル。フロントのお姉さんが美人(ほんと、さっきまでの悪夢がうそのような、華奢なフランス系?お姉さんでした)、英語もかなりゆっくり話してくれて、無事チェックインです。

日本のビジネスホテルと同じような雰囲気。オートロック、カードキー

風呂は浴槽が付いていて、緊張の連続だった初日にしっかりリラックスできました。

メーカーは忘れましたが、日本でも有名なメーカーのシャンプーとボディソープがあります。ドライヤーも完備。

ホテル1階に自販機あり。なお、冷蔵庫はありません(ここに限らず今回宿泊したホテルはすべてなし、ヨーロッパの標準仕様?)

ホテルの隣はカジノなので、夜通るときはちょっと怖いですが、ほかは問題なし。

駅ナカにスーパーがあるので、食料調達もできる、と思います(しませんでした。怖いので)

朝食はバイキング、かなりおいしい。チョコレートケーキが絶品で、何個もいただいてしまいました。

コーヒーと紅茶が無料で飲めます。これもおいしい。

ということで、またまた長くなりましたが、今日はここまでです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

次は2日目ですが、その前に少し休憩として
旅の準備の話を、入れたいと思います。

★目次はこちら★
https://note.mu/karanda_videos/n/n01e4cf58ffab

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!