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(雑談)悪い大人達が世界を楽しくする

朝のニュースで、秋田県横手市のたらい漕ぎ競争が採り上げられていました。たらい舟に乗る催しは各地にあると思いますが、レースにしてしまうってのが面白いですよね。他にも伊東市などで同様の催しが行われているそうです。

面白いなと思ったのが、その発祥です。ニュース曰く漕ぎについて「若者が遊びで始めたものが行事として定着した」とのことでした。なんでも酒作用のたるを使って、悪ふざけであそんでいたものが発祥なのだそうです。おそらくですが、その若者たちの悪ふざけに便乗した「悪い大人達」がいたのでしょうね。だから今もこうして行事として残っているのでしょう。

もし大昔、若者たちがたらいに乗って遊んでいるのを見て、咎めたり、危ないからやめなさいと取り上げた大人がいたら、行事として今に伝わることは無かったでしょう。でも本来はそれが、周りの大人としての「正しい反応」ですよね。遊びとはいえ普通に危ないでしょうし、酒蔵からすれば自分とこの樽で遊ばれているわけですから、たまったもんじゃない。さすがに現役の酒樽ではなく、廃棄や交換で出たお古を使っていたとは思いますが、それにしてもです。

しかし大昔の横手では、むしろ若者たちの悪ふざけに便乗して、ガハハと笑いながら眺めていた「悪い大人達」がいて、そういう悪い大人達が「これ、面白いじゃん」ということで大人の力を使って行事化したのでしょう。もちろん行事化するに際し、多少の「調整」はおこなわれたことと思います。安全性を高めるとか、さすがに酒樽を使い続けるわけにもいかないので、イイ感じのたらいが手配できるようにするとか。でもそこまでして大人たちが資金や時間を投じ、盛り上げる流れができているのは、やはり周囲の大人達の「いい意味での悪さ」があってこそだと思うのです。

日本に限らず、世界中の祭りやイベントにはこういう、絶対に悪い大人が悪ふざけの延長で遊んでるだろっていうものがたくさんありますね。悪い大人が真面目に全力で悪ふざけを後押しするから、世の中が楽しくなっている部分って絶対にあると思うのです。そういう大人、いいですよね。もちろん限度はあるので、一線を超えないようにコントロールしながら、悪ふざけをさせて楽しむ、楽しめる場を作る。今の時代、そういう人って本当に貴重だし大事だと思います。

そういう意味では、ネットで個人間が遊んでいたものが大会になったりする動きは近年もあったりしますね。ネットで流行って製品化されたボードゲームなどもあります。最近だと私はミニ四駆の「ルール無用JCJC(ジャパンカップジュニアサーキット)」というイベントに注目しています。これは2022年頃かな、一人の悪いおじさんがYoutube上で始めた、どんな手を使ってもいいから公式コースであるJCJCを最速で走ろうという「遊び」がイベント化されたもので、最近だとNSK(日本精工株式会社)がこの遊びのために特別なベアリングを開発して提供するなど、盛り上がっています。ここではNSKが悪い大人枠になるでしょうか。こういう流れ本当に好きなので、これからも色々なところで起こってほしいなと思います。

見出し画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました、ありがとうございます。

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