あけまして

12月末、必ず誰かに伝える言葉
「良いお年を。」

わたしは出来得る限り心を込めて人に伝える。
いつだって明日が悪い日だと思っていたら、生きられるもんも生きられない。
本年がどんなに悪い年だったとしても、明くる年までもが悪い年ならば生きる希望を見出せない。

忘年会ごときで嫌な思い出全てを忘れられるとは微塵も思っていないが、
それすら忘れられるほどの良い年を。
あなたに幸運が訪れますように。
わたしはそんな祈りを込めて、その文字を言葉にするのだ。


2024年
明けてものの数時間で、わたしの祈りは打ち砕かれた。

あけましておめでとう。だなんて簡単に言えるわけがない。
わかってはいる。年が明けたから大地震が起きた訳ではない。わかってはいるのだが。

わたしはそれらを「大変だね」と一言で済まして、それを忘れたように笑えるほど強くはない。

年神様を信仰しているわけではない。
昔からの慣わしだから。みんながやっているから。本年もそれに倣い、誰もが口にするあけましておめでとうという言葉。
新年に突入してから飽きるほど聞いたが、全てが皮肉に聞こえてしまうわたしの耳はもう腐っているのだろう。

なんて周りの人に話せば「気にしすぎ」だの、「めんどうくさい」だの言われるに決まっているから、ここにぶちまけさせてくれ。

わたしは驚くほどに非力で、ただ嘆くしかしていない能無し。名前の通り、からっぽ。
だが、少しでも力になれるなら、と、目の届く範囲にある募金箱に微力ながらもわたしの思いを託した。

おめでとうなんて言わない、言えない。
でも、あの大好きな街並みに、今年もよろしくとは伝えたい。

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