見出し画像

嘘を付かないなんて信念はなく、ただ、コミュニケーションコストを下げたかったから。#297

「人に嘘をついてはいけないよ。」

なんて言われて、それを守っていればいい、のは、生まれてから3年くらいの間だけ。

左にめんどくさい人がいても愛想笑いし、右に腹立つ人がいても軽く受け流す。それが「ちゃんとした大人」のはず。

でも自分のことを振り返ってみると、なんとかして「少しでも、嘘を付かないように」なんて、ずっと考えていた。

その場の空気が一瞬にして氷結しても、どうしても「それはほんとじゃないよね。」なんてひとたび思うと、もう何がなんでも、ほんとはこっちなんじゃないかって、そうやって誰かとぶつかったり、その場から逃げたり。

だから「嘘をつかずに、正直でいること」を自分は信念のように大事にしているんだと、勝手に思っていた。

でも、ほんとは違う。ほんとは「それ以外の方法が、できないから」だけだったりした。うまく誰かを傷つけずに嘘を付ける技術があれば、こんな方法はもともと選ばない。もっとスマートに、もっと人を傷つけずに嘘を付ければ、それが一番いい。

不信感が募れば、お互いに相手を管理しようとする。管理されるようになると、人とのコミュニケーションコストが上がる。ただそれだけが嫌で、コストが上がることを防ぐために唯一自分ができる方法が「できるだけ、嘘を付かない」という単純なことだけだったりした。

読んでくれたかた、ありがとうございます。テレワークになって自宅で仕事してて、なんで自分は嘘を付かないんだろうと不思議に思ってたら、ふと、気づかされるようになった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?