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軟水のたそがれ【フォトエッセイ】

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毎週日曜日の夜に更新 社会心理学の立場から感じたことをツラツラと… 日常が冷たく流れてしまうその前に、身近な温もりに気づいてもらえるような、そんな文章を意識しています。 写… もっと読む
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2021年2月の記事一覧

僕らの普通は同じであってほしいけれど

僕らの普通は同じであってほしいけれど

「普通はこうするよね?」

「あの人は普通じゃないよね」

・・・こういった言葉を交わすことに、はたしてどんな意義があるのだろうか。

僕らが『普通』という言葉を発する際には、身の回りで当たり前に行われている、『普段通りの言動や振る舞い』を頭の中でイメージしているはずだ。

だからこそ、『自分にとって普通なこと』は誰にでも存在している。

しかしながら、「自分にとっての普通が他者と同じであるとは限

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日本酒と共に想いを酌み交わしたい

日本酒と共に想いを酌み交わしたい

お酒を飲みだすと、ありふれた日常が愛おしくなってくるこの感覚は、いったい何なのだろう?

昨日は、ひとり居酒屋で熱燗を呑みながら、こんなことへ想いを巡らせていた。

・・・僕は、日本酒が好きだ。

お酒を飲み始めた頃はその良さが全く分からなかったけれど、23歳くらいから、日本酒の魅力に気づき出した。

そのキッカケは、年末に親父が日本酒を買ってきてくれて、一緒に乾杯したことだった。

当時の僕は、

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互いの日常が交わる瞬間を味わう

互いの日常が交わる瞬間を味わう

僕は3年ほど前から、自分が普段考えていることをTwitterで発信し始めた。

そして2年半ほど前から、Twitterやレターポットを通じて仲良くなった人へ、直接会いに行くようになった。

当時の僕が住んでいたのは新潟で、東京、大阪、京都、福井、三重、兵庫、岡山、熊本、そして台湾など、色んな場所に旅をした。

『会いたい人へ会いに行く旅』を毎月続けていたら、ご縁があって、岡山へ移住することにもなっ

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錆にまみれた日常を愛でる

錆にまみれた日常を愛でる

友達との交流で表情が和らいだり、美しい景色と出逢って心を震わせたり、仕事を通じて自身の成長を実感したり。

僕の日常は、幸福な瞬間で溢れている。

…けれど、ピカピカに磨かれた金属のように、ずーっと輝いているわけではない。

普段通りの生活を自然と重ねることで、僕の日常はゆるやかに錆び、その輝きを失っていく。

まるで、空気に触れて錆びゆく鉄のように。

「普段通り」を続けていると、どこか情があり

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