ドキドキ文芸部の話

ddlc真END到達から大分経ちますが、今でも忘れられない作品です。
(ネタバレ含みます)









最後までプレイしてモニカちゃんに完全に心を奪われてしまったのですが、他のキャラクターも十分魅力的なんですよね。彼女たちがそうプログラムされた存在だとしても。特にサヨリ。サヨちゃんが一番好きかもしれないです。彼女は重いうつ病を患っていることが一週目終盤で判明しますが、なんかすごくリアルじゃないですか。散らかった部屋だとか、文化祭前に主人公を置いて1人で帰って行ってしまう所だとか、うつ病だと告げた直後に亡くなってしまう所だとか。ただの妄想なのですが、多分サヨちゃんは主人公に心を開いて打ち明けたというより、あの時点で全てを諦めていたんじゃないかと思います。サヨちゃんがうつ病を発症したのがいつなのか分かりませんが、元々明るい性格だったっぽいので、きっと主人公に悟られないようにうつ病を治して、なんともなかったように振る舞って今後生きていこうとしてたんじゃないかと思います。でもきちんと食事や睡眠をとれてなさそうだったし、最後の詩なんかすごく辛そうだったので、ゲーム開始時にはもう自死の選択肢がサヨちゃんにはあったのかなと思います。

瓶の詩とか分かりやすいですが、サヨちゃんはとにかく自己犠牲の精神が強いなと思います。主人公や部活のみんなの幸せのためならなんでもするし、自分のことは二の次って感じの印象でした。というか、サヨちゃんの趣味とか好きなことがゲーム内であんまり出てこなかったんですよね。ユリが小説とかホラー系が好きだったり、ナツキちゃんが漫画好きだったり、モニカがベジタリアン?だったり(嗜好では無さそう)とか、各ルートでなんとなく分かるんですが、サヨちゃんの好きな食べ物とか、好きな本のジャンルとか、何か言ってたかなぁと思い出そうとしても思い出せないんですよね。もう一回プレイすべきか。
 でも、うつ状態だと趣味はおろか、食事すら億劫だったりするし本人も「なんで食べるの?」と言っていたので、ほんとにこれといって好きだとか楽しいと思えるものが無かったのかもしれません。

主人公や友達に悟られないようにいつも明るく振る舞っていたサヨちゃんですが、お日様の詩などから察するに結構心身ともに辛い状態だったのが分かります。モニカ不在のルート(サヨリがゲームの主導権を握った=登場人物のプログラムを自由に書き換えられる)で、主人公を独占しようとしていたことから、自己犠牲的で明るく優しい性格でいるよりも、自分のしたいことを優先できる性格でいた方が辛くない、そうやって生きてみたい、とかいう風に考えていたのかな、とも思います。確かにモニカみたいに多少強引な所があった方が人生すんなりいきそうだもんね。でもそれができない優しさを持っているのがサヨちゃんで。どこかに理解者はいなかったのか、、、。

サヨリに幸あれ。

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