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インプットnote: 投影…光の祭典、お芝居

なんでしょう、この突然の涼しさは。ひんやりした風が鼻の奥に痛い。秋花粉で目が痒い。でもいい季節。テラスでご飯やお茶がしたくなるね。

9月は色々お誘いいただいて、おでかけする機会も多かったの。最近アウトプット過多だったから、感受性を揺さぶられるものをインプットできてエネルギーチャージしました!しあわせ。

プロジェクションマッピング国際大会

上旬は、明治神宮外苑にある聖徳絵画記念館と広場で行われた、プロジェクションマッピングの国際大会へ。

広場には屋台もでて、とっても気持ちよかった♪

サンドイッチを頬張って、芝生でゴロゴロしながら居るのも良かったなあ。レジャーシートとか持ってってね。

この日は観覧ブースで見ることができたので、目の前でプロジェクションマッピングを観ました。その様子はYouTubeでも見ることができます。

目の前で見て、映像でみて、が良いかもしれない。映像でみると全体像がわかりやすいね。目の前だと建物が大きいから、視界に入りきらない部分があるのかな? でもその分、大迫力!
巨人に圧倒されたり、ラピュタに迷い込んだシータのような気持ちになったり。

国際大会だったので、他国からのプロジェクションマッピングの映像もたくさん。一つの作品は1分ほどだったから、飽きずにあっという間に20作品見れちゃいました。

この1分のCGを設計するのにどれくらいの時間がかかるのでしょう。そして1分を楽しませるって本当に難しいのだ、と言うことも実感。
聖徳絵画記念館が西洋の宮殿に大変身したり、エジプトの遺跡のようになったりして、魔法みたいだったなあ!

わたしが見た日はまだどの作品が優勝だったのか分からなかったから、後日、上記のYouTubeで見たの。これ好きだな、と思った作品は入ってなかったけれど、どれも刺激的でした。

大きなスケールで、そこにあったものと全く違うものを投影するプロジェクションマッピング。あなたならどんな世界を映したい? そう思うと、想像すること、それを外へ何かの形に構築して出すってすごいことだなあ。なかなか思い浮かばないもの!
楽しい夏の終わりの光のフェス、堪能しました♪

お芝居:夜への長い旅路

下旬はお芝居へ。
ノーベル文学賞、4度のピューリッツァ賞を受賞した、アメリカの劇作家、ユージン・オニールの戯曲「夜への長い旅路」。アメリカの近代演劇の基礎となったといわれるユージン。その幼少期を描いた作品。何度も舞台になっているお話しみたい。

錦糸町駅から15分ほど歩いた「すみだパークシアター倉」で、ベテラン俳優の長谷川初範さんや元宝塚の彩輝なおさんらがキャストでした。

わたしは本当にお芝居には疎くて、舞台は滅多に観に行かないの。お誘いいただいてようやく腰があがるという感じの人生で、ここまできました。しかし、開花しました…!
お芝居、すっごく面白い…!!

アメリカンドリームを掴んだものの、貧しい家の出だったために倹約癖が強い旅周り俳優の父。
産後の肥立ちが悪く、痛み止めのモルヒネから麻薬中毒になってしまった母。
幼い頃に、産まれたての次男を殺めてしまい(はしかをうつしてしまう)そのせいで母親に疎まれ、あまり働かないため父にも疎まれ気味の、アル中の長男。
早くに亡くなった次男の代わりにされ、可愛がられるも母親の過剰な束縛に鬱積する気持ちを抱える病弱な三男。

その4人でお話しはほぼ進む(途中で少しお手伝いさんの女性が出るけれど)のですが

まぁぁぁ台詞の長いこと!!
ほぼ家族喧嘩のシーン。3時間の間、まくし立てるシーンがたくさん。ト書きもすごく多かったそうで「どれがセリフかわからないくらいだった」と、三男役の松本幸大さんは終演後のアフタートークでおっしゃっていました。

機嫌良くいると思えば突如怒鳴る、子どものようになったり、老婆のようになったりと、薬で錯乱するお母さん役の彩輝なおさんの演技が凄まじかった。そのコロコロと変わる表情が見たくて前のめりになっちゃう。

この脈絡ないセリフをどう覚えるのだろう、と思っていたら「どうしようと思って長谷川初範さんにアドバイスを求めたら、自分の分量で手一杯だから頑張って!って(笑)」とお話しされてて、皆さん大変だったみたい。


お家の居間で、顔を合わせる度に喧嘩になる家族。
それぞれがそれぞれに不満、嫉妬、憎しみ、期待、愛情を抱えている…。愛しているからこそ極限まで煮詰まる。行き場のない怒りと悲しみ。無力感。

責めたり、なだめたり。まるで嵐の中の小船のように感情の波に飲まれてしまう様子が、居間の小さな空間で密度高く描かれて、どんどん没入していきました。

父親役の長谷川初範さんの余裕ある演技は、大きな海のよう。おおらかで愛情深い、でもちょっとケチでデリカシーにかける、案外素直で可愛い面のある役どころ。緊迫する家族間に度々ホッとする場面を与えていて、緩急の鍵を握っていたように思います。


母が薬でいつも以上に錯乱し、違う世界の亡霊のように家の中を彷徨い、どうにも出来ない男たち(父と息子たち)は居間で酒をただ煽る…

なんの救いもないままの、終わりのシーン。
なんとかそれぞれに問題を抱える家族を救いたい。受け入れたい。その気持ちが底には流れているからこそ、やりきれない深い哀しみが際立ちました。

息を殺して観ていて、気づいたら幕間。
後半もあっという間。気づいたら号泣。

面白いといっていいか迷うずっしり重いストーリーなのに、終わったあと、面白かった…!と思うのは、役者さんたちの演技力とエネルギーなんだろうなあ。元気と幸せ感をもらって帰りました。

そうか、お芝居ってそのひとときを、役者さんが見せてくれる別世界に浸ればいいのか…!
と、ようやく気付いた気がします。

このお話の初演は1956年。でもユージンの子どもの頃の自伝劇ということは、お話しとしては100年近く前になるんだね。時空を超えて旅をした気分。

面白かったなあ。また観たいな。

別の人の人生を、時代も国も超えて自分に映して演じる…それって本当にすごいなあ。

帰りは雨に降られて、喫茶店で雨宿り。

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