どうして書くんだろう?

「届けたいと思わないなら、なんで書くんですか?」

ライターの先輩で友人、ミキティことマツオカミキさん(@matsuo_mk)にそう言われたのは、彼女と2度目に会った時でした。

フリーライターとして「書く仕事」をしている私たち2人が、「書くこと」について考えたいね、とはじめた全14回の公開交換ノート企画「書くことについて 二人のひとりごと」。今お読みいただいているこのnoteは、その交換ノートの第2回目にあたるものです。奇数回をミキティ、偶数回を私、狩野が担当します。

第1回の記事にも書かれているように、ミキティは「届けたいから書く」と言います。彼女だけでなく、書く仕事をしている多くの人たちが「届けたい」「届くように」「届けるには」と話をします。

ライターをはじめてしばらくの頃、そんな言葉を見聞きすると、「もしかして私ってライターに向いてない?」なんてことを考えました。「誰かに届けたい」という気持ちが、私にはいまいちピンとこなかったから。

もちろん、全くわからないわけではないんです。書いてしまえば、誰かに読んでもらえたらいいな、できればたくさんの人に読んでもらえたらなとは思うんです。だけど、正直、「書くこと」そのものに比べればそれは二の次だし、書く前と書いてる最中には、ほとんどそのことは意識していません。

じゃあ、なんで書くのかというと、もう「書きたいから書く」としか言いようがなくて。誰が聴いてなくても歌を歌うのは気持ちいいし、上手に歌えると気分がいいのと一緒。

どんな風に言葉を配列するとどんな効果が生まれるのかを試しながら、自分がとらえているものをどうしたら的確に表せるのか、上手くいけばとらえているものの先まで行けるかも、って実験を楽しむみたいな気持ち。それで、とにかく、自分の中にあるものを取り出して眺めてみたい。自分自身が「いい」と思うものをつくりたい。それが一番の書く動機です。

なんでそんな風に考えるのか。その原因なんてあんまり考えたことがなくて、生まれつきそういうタイプなんだろうくらいにしか思ってなかったんだけど、ミキティの記事を読んで、ちょっと思ったことがあります。

ミキティは小さな頃からインターネットで自分の言葉を発信していて、それが彼女の「書く」原点でもあると言ってるんだけど、彼女より一回り年上の私が子どもの頃って、ネットなんてまだ影も形もなくて。だから、小学生だった私が書いていたのは、紙のノートに書く日記帳で、何ならそのノートに鍵までつけて、むしろ「届かないように」文章を書いていたんです。

もしかしたら、そういう「はじまり」が、私の「届けるためではない」文章につながってるのかなあ、なんてことを考えました。こんなことを書くと、またミキティに「年代を感じる」って言われちゃうかもしれないけど(笑)。

面白いなあと思ったのが、「届けたい」と考えるミキティも、その裏に「自分の言葉が届いてほしい」というエゴがあると言っていること。私も、「自分のために文章を書く私ってエゴイストなんだろうな。届けるために書く人は、立派で優しいな」と思ってたけど、ミキティみたいな人にとっても、書くこととエゴは結びついているんだなあって、ちょっと安心しました。

どんな風に書いたって、文章ってエゴがひそむものなのかもしれないね。


*マツオカ一言*たしかに、歌うのは誰かに聴かれてなくても気持ちがいいよなぁと、しっくりきました。狩野さんとは、歌と文章の違いと共通点についての話が多い気がする!


マツオカミキさんによる第1回目はこちらから。
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狩野ワカ

書くことについて 二人のひとりごと

ライターで友人のマツオカミキさんとの交換ノート。 「書くこと」をテーマにした、手紙のような、ひとりごとのような文章。
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