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新型Viveから考える。VR機材のアクセシビリティ

バーチャルAV女優のKarinです。
今回の話は普段私がやってる分野ではないんですが、どうしても(ちらっと)話題にしておきたかったので記事にしておきます。
この話題は前にも出てるぞーとか、この記述はおかしいという所があったら遠慮なくご指摘下さい。

どんどん「身体」と紐付くVR機材の進化

つい先日発表されたVR機器の”Vive Pro Eye”は視線追跡機能を持っていて、HMDを装着したユーザーが「どこを見ているか」「まばたきをしているか」といった情報を検知できます。これの用途は、”自分自身の”目の動き・まばたきをアバターに反映したり、視線だけでUI操作したり、見ていない所の描画だけを荒くすることで負荷軽減に利用できたり……と様々に考えられているようです(欲しい!!!!)

で、今日の本題に入ります。

例えば、Vive Pro Eyeに(これから出るものも含めて)周辺アクセサリをほぼ全て装着した状態でアバターを操作してみたら、操作感はどうなるでしょうか?

・HMD(リアルの頭に装着して目線を取得し、視覚をVRに置き換える。)
・Knucklesコントローラー(両手の五本指を全て個別認識する。)
・Viveトラッカー(腰・両足につけてアバターと自分の動きを同期させる)

思いっきり、リアルの自分の身体を使い倒すことになります。

「自分の身体でできる動きがバーチャル空間でも続々とできるようになるから凄い!」のは確かなんですが、これを逆に言い換えると、「視覚に問題があったり五体不満足な人」にはちょっとずつハードルが上がり続けることになります。

こういう感想を抱くようになったのは、左半身が少し不自由な妹にOculus GO(片手コントローラー+3Dofのヘッドセット)を被らせた時からです。
Oculus GOは問題なく利用できたのですが、うまく手が握り込めない彼女にはOculus QuestやKnucklesコントローラーの利用はちょっと厳しいんじゃないかなーと考えています。3D空間での身体を使った操作が(現状の、ある意味アクセシビリティに溢れた)2DでのPC操作を凌駕する分野が将来出てくることを考えると、その分野は”誰しもに開かれた”技術ではなくなることもあると思います。
(完全に余談なんですが、この”妹”は私の考え方に影響を与えた”パリピ”という人種です。彼女の周囲の話もいずれしようと思います。)

もちろん、まだまだVR+モーションキャプチャーは市場も製品も新しいし、今のような過渡期にはアクセシビリティの徹底よりも優先して実装するべきことが沢山あると思います。(むしろしてほしい。まだまだ欲しい機能はいっぱいあるじゃないですか?)
ただ、”リアルの自分”と”バーチャルの自分”を切り分けて考える文化を推している日本のVR業界だからこそ、「現実でできること」に縛られないという意味でVRとアクセシビリティについて考えることができるのではないでしょうか?

なんなら、無理に特別な方法を考えなくてもいいのかな……
例えば、今回のVive Pro Eyeは、確かに「目線を動かせることが必要」ですが、逆に言えば「身体が動かない人も目線操作で他の操作を代替できる」ことになりますよね。こんなふうに、操作方法の裾野が広がりつづける限り、どんどん代替性が広がるのでアクセシビリティの心配は必要のないものになっていくのかもしれません。
それはそれでよし……(オチがつかなかった)



バーチャルAV女優のKarinです。 「性別に囚われず好きな仕事のできる世界」を目指して、男性向けセックスワークをやっています。