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My Favorite Albums 2023

2023年―。
ジェフベックに始まり、幸宏さんやシナロケの鮎川誠、PANTAに谷村新司にもんたよしのり、若いところではBUCK-TICK櫻井、KAN、チバユウスケ等…今年も多くのミュージシャンが鬼籍に入ってしまいました…。なかでも今年最も喪失感が大きかったのは個人的には坂本龍一だろうか。このnoteの別のエントリーにも書いたように自分は決して熱心なファンというわけでもないけれど教授の諸作はちょいちょい愛聴していたし、新譜は基本的にチェックしていました。
今年1月に出た新譜、タイトルは「12」。

日記を書くように作られたという曲たちは苦しい闘病生活を表すように、細く静かに…時に苦しそうに時に希望を見出したように音色を奏でていて、アルバムは云わば随筆/エッセイとして提示され&多くの人にそう捉えられている。しかし個人的にはそれだけじゃないような気もしていて。単なる自分の推測或いは妄想なのだけれど、これは単なる日記的なものではなく冷静な…ある意味冷徹な第三者的目線によって切り取られたコンセプチャルな"作品"なんじゃないかな、とか。
理由は、、ひとつにはジャケットを李禹煥…"もの派"を代表する美術家の作品が飾っていること。"もの派"とは素材をできるだけそのまま使用し、その関係性(位置や効果など)によって鑑賞者の感性に訴える美術作家らのこと。坂本龍一が"もの派"の思想に共鳴していたことは自分は今回初めて知りましたが、ここに来て満を持して(?)李禹煥にジャケットを手がけてもらったのはなにかしら意味があるのではなかろうかと。そしてもうひとつには…はたして随筆として制作された作品の中に、たとえば息づかいを被せるというような、そんな生々しいことをするだろうか。それは素を曝け出すのとは違ったなにかを聞き手に感じさせるため行為ではなかろうか?と。…妄想です。でもそんな風に思っていて。
つまり、坂本龍一…かつて多くの音楽作品を研究し自己の作品に取り入れてきた"教授”は、人生最後の闘病生活に際して音楽以外の作品/美術/もの派からの影響を多く取り入れ、それを消化或いは昇華した作品…素材を一見無造作に並べることによって鑑賞者に訴えかけるという独自の領域の至高の作品を制作した― と。そんな妄想。

1) 坂本龍一 / 12

私の年間ベストです
あらためて御冥福をお祈り申し上げます






目次挟みます





というわけで、
今年もまた1位からカウントアップで記載していきます。理由は(毎年書いてますが)上位が趣味に合わなかったら申し訳ないからで。たとえば…1位がディズニー映画「ウィッシュ」オリジナルサウンドトラックだったりしたら最後ちょっと興醒めする…白ける?人もいると思うんですよね。いやウィッシュのサントラはさすがディズニーさんらしい充実の楽曲群で楽しくも感動的なアルバムでしたからそれを1位にする人を馬鹿にするつもりは毛頭なくむしろ共感すらするんですけど(ただ福山は福山過ぎるw)、さんざんオルタナ/インディー系のランキングを見せられた挙句に1位がそれだったりしたら裏切られた感じもするでしょうしw まあ最初に最上位を見ちゃって2位3位とかも合わなきゃそっ閉じも読み飛ばしもできるんじゃないかなと。(※自分の体験に基づく)

さて、では、あらためて、
1位坂本龍一に続く2位から…
 今年は例年より控えめに25位まで。
(できれば最後までお付き合いお願い致します)



2-5位 Squid/Geese/ANOHNI/HMLTD


2) Squid / O Monolith

ええと。2位3位はどっちをどっちにするか迷ったんですけど完成度という点でこっちを上位に。UKの新世代ポストパンクバンドSquidの2年ぶりの2nd。前作は自分は18位にランクインさせてるように、好きだけどもうひとつ嵌りきらない感じでしたが、今作は◎。彼らの場合はなんかこう…Radioheadと似たようなセンスの印象があって、前作よりも強く感じたそれが、自分は心に直撃しまして。年間通してよく聞きました。前回サマソニに出演した時の評判が良かったと思うんですが来年再度クリマンさん如何ですか?お待ちしてますー。(11月に単独も来てたけどね)


3) Geese / 3D Country

聞いた数ならこっちが多かったGeeseが3位。
曲をタップするとおもむろに鳴り響くBlack Dog(ZEP)~2曲目はRolling Stonesか。さらにPrimal ScreamやDavid Bowie…。クラシックロックを参照してるであろう曲たちが次々と繰り出され、ノスタルジー&"癖"にぶっ刺さってきます。でもただ懐かしいだけでなく冷ややかなサウンドメイクがちゃんと20年代を感じさせ、。
荒削りだし曲の完成度にもバラつきがありますが、So Excitingなアルバムでした。今後も楽しみ。


4) ANOHNI and the Johnsons / My Back Was A Bridge For You To Cross

マーシャ・P・ジョンソン。ストーンウォールの反乱。
アノーニの新譜は先人たちを尊び、様々な感情を優しさと哀しみとグレイトソウルで包み込む。対立を煽り&至らないことを猛々しく指摘するのは解決への遠回りだ。


5) HMLTD / The Worm

UKの変態バンド(良い意味で)、HMLTDは今作が2枚目。前作とは違ってしっかりとプログレなことをやっていて聞き応えのある一枚。もっと知名度上がれ~


6-10位 JPEGMAFIA&DannyBrown/OPN/JB/betcover/PaulSimon


6) JPEGMAFIA & Danny Brown / SCARING THE HOES


ジンギスカン、どんd
   ⅰスカン、
ジンギスカン、ば
       どんどん食べれ
ジンギスカン♪ ぱぱらぱー
 「多彩なテクニックで楽しむテニス」
ジンギスカン、どんd
   ⅰスカン、
ジンギスカン、あs
       どんどん食べれ

やったー やったー
♪ (以上、サンプリングを文字起こし)

カオス。
…いや音的にも随所にカオス的な、ヤバい感じが漂ってるんだけど個人的にこれぐらい無軌道でブッ飛ばしてくれるのをベースにアルバム作ってくれたほうがこの二人としては好きというかそうじゃなくちゃなっていうか。結果的にもはや飽き気味のHipHopで唯一長期間聞けたアルバム。


7) Oneohtrix Point Never / Again

発売時にもtweetしたんですけど、結局なにをどう考えてこうなってるのかはよくわからない。わからないんだけど、出てきたものが結局楽しいんだからそれでいいじゃんな気持ち。あと音がそもそも(楽しい)
坂本龍一が亡くなって…二人の交流とか教授のOPN評とかを読みましたが、直接的な志向とかではなくなんかこう…漠然と、遺志を継ぐといいなと。まあ自由に。


8) James Blake / Playing Robots into Heaven

ジェイムスブレイクは1stアルバム前のEP群の頃が好きで。1st発売当時絶賛賛されていましたが個人的には「まあこれも良いけど…ね」とか思ってました。今回のは思い描いてた"幻の1st"に近くて(まあそりゃたぶんいろいろ違うんでしょうけど)デジタルビートにJBの声ってのはやはりいいなあと。
もっとアグレッシブでもいい


9) betcover!! / 馬

betcover!!さんは話題になったのは前作でしたっけ?個人的にはイマイチピンと来なかったんですけど、ここに来て自分が彼らに追いついたというか、いや、かっこいいわ。好みとしては1曲目みたいなブッ飛ばしてる曲をもっと聞きたいなと思いましたが、それはそれ、メロウな曲も男臭くて素敵だしまとまりあって良いアルバム。ネオ歌謡曲とでも言うべきか。藤井風とかのこともそう思ってますが。


10) Paul Simon / Seven Psalms

大ベテランポールサイモンの7楽章からなる組曲アルバム。今年Rolling Stonesのアルバムが話題になりましたが、ポールサイモンとて同年代(なんならちょっと上)の81歳…81歳による30分ほぼ弾き語りっていう尋常じゃない内容。新約聖書の"七つの詩篇"インスパイアのアイディアだそうですが、そんなん知らんでもシリアスな雰囲気に心が浸ります。


11-15位 ChemicalBrothers/YoungFathers/WaterFrom~/時雨/冬にわかれて


11) The Chemical Brothers / For That Beautiful Feeling

個人的には『Further』(2010年)以来の良アルバムと思ってる。
インタビューを読むにコロナ禍でライブを行えなかったことに対する反動が今作の…言わばフロアにクローズアップしたようなアルバム内容に繋がってるようですが、このベテランがそれをちゃんと2023現在の空気に寄せて制作できるのはさすがだなと。


12) Young Fathers / Heavy Heavy

前作の記憶も生々しいYoung Fathersですが、それから5年ぶり(!)の4作目のアルバム。ともかく曲が良くて楽しくてトラディショナルでエモーショナル。いろんなアイディアをあくまで明るく聞かせる大人なヤンチャな音楽、最高です。
あと、ラストトラック「Be Your Lady」がわかりやすくTHE Blackなリズムを聞かせてて興味深い


13) Water From Your Eyes / Everyone's Crushed

米NYのエクスペリメンタルポップユニット。なんかよくわかんないことやってんのにあくまでポップに仕上げてるのがいい。ジャケもいい、よくわかんないけど。(スパイアクション映画かと思いました)


14) 凛として時雨 / last aurorally

時雨さんはたいして熱心に聴かずにここまで生きてきましたが、今回なんの気なしに聞いた最新アルバムは良かった。たぶん…ファンの人のtweetを見るに、今作はあまりひねりなくストレートな内容らしくて、その疾走感といつものハイトーンボイスが自分に合ったんだろうな。…というわけで過去作との比較はできませんが、心地良い爽快感が楽しい一枚でした。


15) 冬にわかれて / flow

寺尾紗穂をボーカルに擁する冬にわかれては今回3rdアルバム。
碌に聞いたことありませんでしたが透明感のある歌声と上品なアンサンブルが耳に心地良く、普段ガチャついた音楽にたまにこういうのを聞くと癒しを感じるなあと笑。しかしアルバム後半には絶妙の違和感を持ってあがた森魚の「最后のステップ」のカバーが素晴らしい。記憶に残るアクセント。


16-20位 JessieWare/ボンベイ・バイシクル・クラブ/ヘルシンキ・ラムダ・クラブ/TheArmed/Little Dragon


16) Jessie Ware / That! Feels Good!

80年代を髣髴とさせるガチディスコサウンドに、フレーズはSAX A GO GOだったりシーラEみたいだったり。この2023年にこのサウンドでどうなのかと思いましたが、あれみなさん結構受け入れてて、各種媒体でもちょいちょい年間ベストにランクインしてますね。これは楽しい。
と同時に…これこのアルバム、いくつか解説を読むと、昨年のBeyoncé「Renaissance」に呼応するアルバムであって、コロナ禍の抑圧やLGBTQ+に関する抑圧からの解放を宣言していると。そういえばこれ系のテーマのアルバムは今年もうひとつありました、Janelle Monáeの「The Age of Pleasure」。先にネタバレしちゃいますとジャネールモネイの方は悩んだ挙句25位までに入れませんでしたが、解放と祝福を宣言したアルバムとしては同テーマ。それどころか4位アノーニのアルバムにマイノリティ差別なり11位ケミカルBros.にアフターコロナなり、今年のアルバムに通底する大きなテーマは抑圧からの解放(への指向)なのかもしれない…そのビヨンセへの呼応が意識的であれ無意識であれそれに否定的であれ。そう考えると差別への理解の浅い者に対する分断・糾弾・非難の時代からもう一歩進んで現在は増えた理解者で前進しようというフェーズに入ったのかな…とか。・・脱線、脱線。

参考:



17)  Bombay Bicycle Club / My Big Day

ボンベイ・バイシクル・クラブは活動再開後2枚目、通算で6枚目のアルバム。前作はいまいちピンと来なくてその後も全然聞き込んでいませんが、今作は良い曲が並んでいて完全復活を感じました。客演もさらっと豪華で、チャカ・カーンにBlurのデーモン、ニルファー・ヤンヤにジェイ・ソム。アルバムの良いアクセントとして彼らの声が聞こえると楽しいです。アルバム全体としてはまとまり具合は今一歩かと思いますし、…今作最大の欠点であるアルバムジャケットも気になりますが笑、なかなか良くできた秀作かなと。
さて私そもそも活動休止前の最終作「So Long, See You Tomorrow」とか休止中Vo.ジャックのソロアルバムとか大好きなんですけど、これは…自分…たぶんファンだなとw 今回気づきましたw 今後も良い作品期待してますー


18) Helsinki Lambda Club / ヘルシンキラムダクラブへようこそ

名前が似てるから並べたわけではありませんがw、ヘルシンキ・ラムダ・クラブが18位。名前は存じ上げてましたし写真はたぶんなにかのフェス参加者とかでお見かけした気もしますが、ともかく音を意識して聞くのは初めてで。思ったよりバラエティに富んだ内容で楽しいアルバムでした。ジャケットのイメージとかばっちりな感じです。そしてちょいちょい参照点が思い浮かぶような気がするのも印象◎。いろいろ考えて作りこんでるバンドなんだろうなあと。ところでなんでこのアルバムタイトル、"ようこそ"なのかと検索してみれば、ここに来て(10周年だそうな)多くの人に楽しんでもらう体勢や心持ちができたからのようで、世にいろんなバンドがいますけど脱力感と楽しませるマインドを持ったこんなバンドが日本-アジアのシーンでもっと大きくなっていったらいいなと。ライブや今後の作品も期待してます。


19) The Armed / Perfect Saviors

謎のハードコアパンク集団(でいいのかな)The Armedの5th。前作が評価高くて一躍知名度を上げましたが今回のアルバムもクオリティ高くてさらに実力派として認知を拡げてる印象。ただ前作と違うのは今作はさらに音楽性が幅広くなりもはやハードコアパンクの肩書きに違和感さえ覚えるところで、特に後半はミディアムテンポのロックも多くて…ま、私のストライクゾーンには近くなってきて歓迎。(アップテンポの曲好きだけど全部は疲れる)
カッコイイ作品ですけど今は過渡期な感じもします。元々声は好みなんで彼らがどういう音楽性に至っていくか楽しみ。


20) Little Dragon / Slugs of Love

ユキミナガノさんでお馴染み、スウェーデンのLittle Dragonは通算7枚目。
相変わらず派手さはなく地味で実直な印象ですが、メンバーが最高傑作だと言うように今回なかなかカッコイイ。Blurデーモンがこちらにも1曲参加。


21-25位 ルセラ/羊文学/TheThing/ユーミン/TheRollingStones


21) LE SSERAFIM / UNFORGIVEN

時代の流れもさることながら、自分の許容音楽の変化とか所謂K-POP第4世代が今までより個性的になったこととか、そんな変化もあって今年はKポのアルバムも幾つか聞きました。そんな中で…よく話題になるNewJeansはたしかに存在感ある作品でいろんな年ベスに登場してるのもまあわかるんだけど、あれ7曲入りEPだし&あと他のグループが落ちるわけでもないと思っていて。聞いた中ではLE SSERAFIMが日本向けに(も)アジャストした作品で&音楽性なんかはRosalía(私的前年2位)なんかとも通ずる曲もあったりでカッコ良いいなと。
つかこの作品はAOTYなんかでは思ったよりも点数低かったんですが、主な理由がコンピレーションじゃねえかっていうツッコミからで。既発EPからの抜粋が前半を占め後半7曲は新EPという…。(ゆえにNewJeansと同じく、選ぶのおかしいか?とも思わないでもなかったですが。)つか、曲順並び替えてリリースすれば全然問題にならなかっただろうになと。
(ところでK-POPやそれに対抗してきた日本のガールズ/ボーイズグループやアイドルの流れが今後どうなっていくのかちょっと興味深く思ってます)


22) 羊文学 / 12 hugs (like butterflies)

12月アタマに発売でしたが、今回このアルバムを待ってリストを作り始めました。それぐらい現在の羊文学への期待感は高くて。それはメジャーシーンに対してオルタナ側からクリティカルヒットを加え得るアーティストのひとつだと思ってるからで。たしか夏~秋口にtwitterの音楽クラスタでやってた"#2000年以降の邦ロックベストソング100"、それに提出した自分のベスト30...それは言わば『オルタナからお茶の間へ届いた曲or届くポテンシャルを持ってたと信じる曲』と自ら定義しましたが、現在それに一番近いうちのひとつが彼女達ではないかと。いや、いいんです、彼女達じゃなくてもカネコアヤノでもbetcover!!でもマヒトゥでも。でもそれは決して自身がお茶の間化してるバンドではないし、そうじゃなかった中村佳穂やDAOKOは後が続かなかった。はたして今作は良曲が多くコンパイルされた良いアルバムだと思う。さあ羊文学はどう進むだろう。続け違和感 ぶち破れ透明な壁


23) The Thing / Here's The Thing

今回のマイナー枠。NYのロックバンドで’60-’70s的な音を出していますが、4月デビューで売れた感じがまったくなく、続報もまったく聞かないので……ぶっちゃけ今後思い出すことはあまりないかもしれない苦笑。好みなんだけどな。
つかね、そもそもバンド名が一般的な単語なんで調べづらいことこの上ないのよ。やめろバンド名にThe MusicとかThe BandとかASIAとかXとか付けるの(八つ当たり)。


24) 松任谷由実 / ユーミン乾杯!!

ユーミン12/20発売のコラボベストアルバム。
このnoteの完成直前で差し替えました。
岡村靖幸やYOASOBIによる新解釈の提示からアルバムはスタートし、サザン桑田とのクリスマスソング&小田和正・財津和夫との音源の初CD化…の大御所ゾーンを経て、中盤の冒険~終盤の安定感と、コンピとはいえさすがとてもよくできた作品。それぞれの曲もそれぞれ素敵で聞いてて楽しい(&元verと聞き比べるのも楽しい)です。個人的に特に好きなのはニーナ・クラヴィッツと…あと岡村ちゃん、YONCE。それから桑田クリスマスソングはちょっと前から家で毎日かかってます。あの歌、「♪もういくつ寝ると~」のところ好きなんだよね(ユーミンverに限った話ではないけど)

最近大御所・ベテランを振り返る機会が多くて楽しい。もしくは悲しい。


25) The Rolling Stones / Hackney Diamonds

待ちわびました、ストーンズの新譜。「ビガーバン」から18年。カバーアルバム「ブルー&ロンサム」からでも7年。ついに…ついに私の一番好きなバンドの新譜がロールアウトされました。80歳ですよ80。ミック&キース80歳、ロニーだって76歳、チャーリーは鬼籍に入っちゃったし、ボビーキーズもイアンマクレガンも天国へ旅立っていきました。いやー長かった
…で、まあこれはアルバムレビューじゃなくて年間ベスト記事なんで端折って書きますが、待ち侘びたアルバムの、ある意味奇跡的な発売…それを以てこれを今年の年間ベストに選ぶ向きもあるみたいですが、個人的にはこれちょっと曲微妙じゃね?と思っていて。いや、たとえば中盤のMess It Upとか好きな曲はありますけど、全体を通しては・・うぬぬ。これだったら自分は「ブルー&ロンサム」の方が良かったし、「ビガーバン」は…まあトントンだけど、「Bridges to Babylon」:駄作と言う人もいるけど自分は名作だと思ってる(97年、古い?)。というか「Doom And Gloom」(12年)の時にちゃんとアルバムにしておけばー苦笑
でもまあいいんです、いかにも駄作というわけでもないし。ただ、これを…このアルバムの発売を持ってThe Rolling Stonesに興味を持った方には是非他のアルバムも聞いてほしいなと。60-70年代は勿論のこと、80年代…いや復帰後だって自分は「スティールホイールズ」(89年)と前述の「~バビロン」(97年)は名作だと思ってるんだけどね。・・・まあいいや、wお願いします。
そんなわけで、勿論聞いてないわけでもなくちょいちょい抜粋して聞いてる「ハックニーダイヤモンズ」、25枚選んだ最後に滑り込ませておきました。
I love The Rolling Stones!


んなわけで、
以上。1-25位まででした。




その他 ウィッシュ/櫻坂/新亜並行空間/マネスキン/加山雄三

おまけで…
あとこんなのも心に残りました、ってのを。
まあ おまけなんで自由に…。


V.A. / ウィッシュ (オリジナルサウンドトラック)

(冒頭で引き合いに出しちゃったんで一番に。)
正直あの…テレビで生田絵梨花が歌ってるの拝見して、曲弱いなと自分は思ってたんですよ。でもこのサントラ・・とはいっても日本語版の曲は全部で7曲だけなんですけど、これ、通して聞いたら10倍良い。レ・ミゼラブルの御存知名曲「民衆の歌」のような曲もあったりしてガツンと来ます。映画まだ見てませんがなかなか感動的な内容で、そのうち見るのが楽しみだなと。

7曲…うち5曲は生田絵梨花がなんかしらで歌っていてTHE生田絵梨花アルバム(&福山もおるでよ)としても聞ける。あと、スターの歌の"オールスター感"、楽しい


櫻坂46 / Start over!

坂道グループ繋がりで。EPですが。
初めて聴いた時にちょっと衝撃だった曲って今年も勿論いくつかありましたが、邦楽では一番は実はこれだったかも。櫻坂さん、去年紅白出場逃して今年はそのまま存在感を減らしていってもおかしくない状況でしたが、これが出た辺りのタイミングでうまく反転攻勢に出られました。その後夏フェス出演やら海外イベント出演やらスタジアムライブやら成功させて紅白も返り咲き、今ではすっかり海外すら視野に入れる勢い。そのきっかけになったのはこの曲だったなと。
シングル収録各曲を網羅したサブスクでのSpecialEditionは正直まとまりに乏しく&趣味じゃない曲も入っているのでアレなんですが、個人的には…まああまりきちんと考えてはいませんが、今年の年間ベストトラックの一角すら占めるかもなと。日本の。

※紅白歌合戦の披露曲になりました。


新亜並行空間 / Theory of Mind

夏ごろでしたっけ?ちょっと話題になっていた、Black Country, New Road的な要素をJ-POPにうまく落とし込んだようなバンド。一時期興味を覚えてよく聞いていました。公式twitterは秋口から更新が止まってしまいましたが、その次、ちょっと見てみたいのでいろいろ活動してほしいな。掛け持ちあるようで大変みたいですが、フェスとか如何。


Måneskin / RUSH!

来日公演があったばかりだしテレビにも出演したりしたにも関わらず、どうもこう夏以降日本では尻すぼみになってしまった印象もあるんですが…どうなんでしょ。アルバム自体は良かったですけど、こう…イマイチ繰り返して聞こうという気にならないのが課題かそれとも単なる私の好みの問題か…?さらにもうひとまわり良くなればきっともっとスゲー存在になれるはず(アホ丸出し表現)


加山雄三 / 加山雄三のすべて ~ザ・ランチャーズとともに~

旧作ですが。
冒頭に書いたように2023年は多くの日本人ミュージシャンが天国へと去り、またそれと関係なく春先にはAOTYにて"Favorite Japanese Albums 100"を選出してUP、それから夏~秋口には(22位羊文学のとこで触れましたが)twitterでの企画"#2000年以降の邦ロックベストソング100"にリストを提出、と、あらためて振り返ると一年を通して邦楽アーティストの作品を聞き返したり発掘したりしていたような気がします。それを象徴する意味で、加山雄三(AOTYのリスト最古のアルバム)です。加山雄三作品をちゃんと聞いたのは初めてでしたが、歌謡曲からエレキ~GS~邦楽ロックというラインの変遷の一端に考えを巡らせる良い機会になりました。またそれを離れても…先入観取っ払って聞くとこれが実にアグレッシブで時にメロウなエレキサウンド。味のある素晴らしい作品。加山雄三御大は昨年2022を以ってコンサート活動を一応引退…しかし今年2023になって引退撤回だかなんだかって話も出てくるぐらいまだまだご健在でいらっしゃいます。
御大、いつまでもお元気でお願いします。

つか加山雄三生きてんのにバイバイすんなよみなさんよ
全ミュージシャンは加山雄三より長生きしてくださいお願いします



振り返り


というわけでMy Favorite Albums 2023は

 1) 坂本龍一 / 12
 2) Squid / O Monolith
 3) Geese / 3D Country
 4) ANOHNI and the Johnsons / My Back Was A Bridge For You To Cross
 5) HMLTD / The Worm
 6) JPEGMAFIA & Danny Brown / SCARING THE HOES
 7) Oneohtrix Point Never / Again
 8) James Blake / Playing Robots into Heaven
 9) betcover!! / 馬
10) Paul Simon / Seven Psalms

11) The Chemical Brothers / For That Beautiful Feeling
12) Young Fathers / Heavy Heavy
13) Water From Your Eyes / Everyone's Crushed
14) 凛として時雨 / last aurorally
15) 冬にわかれて / flow
16) Jessie Ware / That! Feels Good!
17) Bombay Bicycle Club / My Big Day
18) Helsinki Lambda Club / ヘルシンキラムダクラブへようこそ
19) The Armed / Perfect Saviors
20) Little Dragon / Slugs of Love

21) LE SSERAFIM / UNFORGIVEN
22) 羊文学 / 12 hugs (like butterflies)
23) The Thing / Here's The Thing
24) 松任谷由実 / ユーミン乾杯!!
25) The Rolling Stones / Hackney Diamonds

になりました。
加山雄三のとこで「邦楽ばっかり聞いてたような…」と書きましたが、ランキングの方でも25中7つが日本のアーティスト、プラスK-POPが1です。1/3にもなるのは初めてじゃないかなどうかな。

2023年もいろいろ素晴らしい作品に出会いました。ただ、個人的には少し…twitter上の音楽クラスタの方々とも、日本のごく一般的なリスナーとも差異が拡がってきてる印象もあって。少し寂しさを覚えると共にこれからは好きに音楽を聴いていくようになるのかな…限られたアーティストしか追っかけないとかね、そんな風になったら年間ベストも今年が最後になる可能性も…とか思ったり思わなかったり。

わかりませんが、まあ年間ベスト書くために音楽聞いてるわけではないので、…あれです、ケセラセラ。



最後まで読んでいただいてありがとうございます。
みなさんに良い一年、2024年が訪れますように。
多謝






それでは。





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