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ラフロイグ

なんじゃこりゃー!

20歳。ビールがようやく美味しく感じ始めた頃に、こいつに出会ってしまった。
今はたぶんもう無い、東上線沿いの寂れたスナックにて。

面白いものありませんかと聞いたら出てきたのがこれだ。

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・・・当時はスマホなんて無いので、タイトル画像かこれがイメージに近い(最近バーで飲んだ竹鶴21年です。甘露でした。)。

20歳には似つかわしくない重厚なグラスに大振りのロックアイスで出してくれた。

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良いグラスで飲めば缶チューハイだって立派なカクテルだ。


あの時の店員さんは、本当にお酒好きな人だったんだなと思う。

正露丸もまだ知らないお年頃なので、ラフロイグから浮かんだのはバーベキューと保健室の香り。

こんな風景がグラスの中にあるのかと、酒の魅力に気付かされたとても大きな体験だった。

30歳を超えて思うアイラモルトの魅力は、一杯の中に酒も、燻香というつまみも、思い出も含まれるところにあるのかなと。

ラフロイグは今でもやっぱり病院的に感じるし、ボウモアはもっと温かみのある海沿いの大地、ラガヴーリンはどうやっても到達できない先生のような、、、。
カリラは潮風の強い岩場に立ったみたいで、アードベッグは焚き火を囲んで語り合う風景。ブナハーブンは白州ではないけど森の風景。
ブルックラディのポートシャーロットとかキルホーマンからは、風景よりも蒸溜所再建やオールアイラ島に賭けた作り手の強い意思を感じます。

あとは、ラフロイグって意外にも女性ファンが多いと思う。

俵万智さんの百人一酒にある、居酒屋にこっそり持ち込んで振る舞う話が大好き。
若い女性youtuberが美味しそうに飲んでるのを見ると、かっこいい。惚れそう。
そういえばラフロイグを立て直したオーナー所長は、事務員から出世した女性だった、、、

こんな話をしながらバーで飲める時がまた来ると良いなあ。

最近よく、どうやったらお酒好きになれますかって聞かれるけど、「びっくりするような一杯」に出会うことでしか好きになりようがないなと答えます。知識を入れるのはその後。好きになれば調べたくなるものです。

自分にとってそれはラフロイグ、クライヌリッシュ、ハイランドパーク、竹鶴12年、ティニャネロ、ガヤ、良いブルゴーニュ、ラディコン、マッサヴェッキア。。。

色々ありすぎるようです。
続きます。

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