【英語多読17万語】ラダーシリーズを15冊読んだので感想を書き留めてみる


ラダーシリーズは、使用する単語を限定して、やさしい英語で書き改められた、多読・速読に最適な英文リーダーです。
https://ibcpub.co.jp/ladder/

英語多読教材の定番のラダーシリーズを15冊読んだので、一回ここで感想を書いてみます。


読んだ本


読んだのはこんな感じで、合計約17万語到達。

  • 星の王子さま Level 2

  • スティーブ・ジョブズ ストーリー Level 4

  • ザッカーバーグ ストーリー Level 5

  • AIの未来 Level 5

  • イーロン・マスク ストーリー Level 5

  • ガンジーストーリー Level 1

  • 美女と野獣 Level 1

  • ロミオとジュリエット Level 2

  • シンデレラ/眠りの森の美女 Level 2

  • ローマの休日 Level 2

  • ソクラテスの弁明 Level 3

  • 白雪姫 Level 2

  • イエス・ブッダ・ムハンマド Level 2

  • 日本の経済 Level 5

  • アメリカ史 Level 5

多読を始める前の自分のレベル

語彙: Duo 3.0の音読を飽きるほど周回。はるか昔に速読英単語と速読英熟語もやっていた

文法:  何年も前にForest(現在のEvergreen)の問題集を丸暗記するまで何周も繰り返した。西きょうじ「基本はここだ」をちゃんと読んだ

ほか: Courseraという大学の講義の配信サイトで、AI For EveryoneとMachine Learningのコースを英語オンリーで受講して修了

こんな感じで、語彙・文法に関する基礎と英語への慣れは多少あった、ぐらいがスタートラインでした。

全体的な感想

レベルは目安でしかない

レベル1とそれ以外は大きく難易度が違うなと感じるものの、
レベル2からレベル5は正直区分けの境界は結構曖昧なんじゃないかなぁと思います。
特に、「イエス・ブッダ・ムハンマド(Level 2)」と「ソクラテスの弁明 (Level 3)」は、語彙も文の難易度的にもレベル5相当はある気がします。

日本語を含めて、長い文を読む集中力が付いた

まず「洋書を読み切る」という体験を全くやったことがない最初の状態と比べると1000語ぐらいの英文に物怖じすることなくサッと読める集中力がついたなあと感じます。
しかもこの影響は英文に留まらず、明らかに日本語の本を読むときの集中力も付いたのを感じます。
一石二鳥でかなりいい感じ。

明らかに読むスピードが上がった

いつも脳内で音読しながら読んでるのですが、
最初は1文を繰り返し脳内で音読しては難しい文構造に入ると行きつ戻りつ、時には脳内翻訳しながら読んでいた所、
今は脳内音読が完了すると同時に文の意味を読めることがほとんどという感じにまで成長しました。

昨日読み終えた「アメリカ史」については、わからない動詞を文脈で容易に補完出来るようになっていました。(念の為辞書を引いたら合っていた)

17万語しか読んでない状態でここまで大きな変化が現れるなら、もう、よく言われる「多読100万語」の効果は自分にとって疑う余地もないなと思います。

Kindleも紙本もどっちも双方良い

Kindleでは実は単語をタップするだけで語彙検索が出来るのですが、
ラダーシリーズ自体に搭載されてる単語帳とはまた別らしく、
別の意味が上に出てきたり、熟語だとヒットしなかったりします。
とは言え大体のケースでは紙本より便利。
あと何より、紙より安い。通常時でも紙本の3割オフ、セール時なら一冊350円ぐらいで買えます。

一方で紙本は「読んでる」感があってモチベにつながるし、
巻末辞書が完全に内容に対応してて熟語も見つかるのが最高。

結論、「どっちも良い」。

読んだ本の個別の感想

一部Amazonレビューを書いてますが、
同じ内容を載せてもつまらないので別の書き方にしてます。
ただ、似てる内容がAmazonにあったら多分それが自分のアカウントです。

星の王子さま Level 2

1番売れてるらしいのですが、ほんとの多読初心者が読むには表現が難しいと感じるので、日本語の星の王子さまを一読したあとに読むのがいいかな、と思います。

内容は本当に最高。童話の域を完全に超えた、作者の人生に関する哲学が物語の中で展開されていきます。
人生最高の一冊と言っても過言ではないぐらい気に入った本です。
原語がフランス語らしいのですが、英文は普通の英訳本と比べると圧倒的に読みやすく書かれていました。(それでも多少は難しいです。)

スティーブ・ジョブズ ストーリー Level 4

エンジニアとしてはAppleの存在感は凄まじいものがあるので、スティーブ・ジョブズの歩んだ人生を知れたのはかなり心躍りました。
デザインの美しさということに徹底的なまでに拘ったこととか、ジョブズのヒッピーとしての生き方とか、なんというか。カリスマですね。

英文はLevel 4と言いつつ星の王子さまと大差なかったような。

ザッカーバーグ ストーリー Level 5

アメリカの超エリート高校からハーバード大学コンピュータサイエンス学科というウルトラエリートの道を歩みながら、
学校のシステムに不法侵入して学生の写真を集めて「どっちがイケてる?」と投票させるアプリを作るという、
エリートなのかアウトローなのかよくわからないザッカーバーグという面白い人間性を知れてかなり楽しめました。

Facebookが上手く行ったのはどう考えてもザッカーバーグの天才的先見性と高い技術力がもたらしたもので、同じ時代に生きてても真似出来るもんじゃないなと実感。

「とにかく早くプロトタイプを作り、早く失敗しろ」
「リスクを取らないことが最大のリスクだ」
というFacebookの社是はエンジニアとして心に留めたい所存。

AIの未来 Level 5

「AIの歴史と応用」というのが正しいタイトルかな?と思います。
コンピュータ以前からGPT-3までを含むAIの歴史と、
AIがどのように利用されているか、という話。
この世界のありとあらゆる分野でAIが活かされてるのがよくわかります。
特に理系の研究だと、すべての分野にAIが上手くハマる場面がありそうな気が。

自分はCourseraでAI講義を受講したのですが、それでも学びになる話が多くてとても楽しめました。
反面、結構難しい話もあるのでAI基礎知識がない場合つらいかも…?

イーロン・マスク ストーリー Level 5

残念ながらTwitter買収以降の話は扱ってないですが、
生い立ちから資産家になり、更にTeslaを成功させSpaceXを立ち上げるような話は載ってます。

先ず思ったのは、イーロン・マスクの生い立ち過酷すぎ!
これはメンタル歪むわ…と思っていたら、Teslaでも自分の性格が原因でスーパーエンジニアを失うことを繰り返しており、悲壮感が漂います。
それでも大成功してる辺り、多分この本からは読み取れない何らかの天才性を持ってるんだろうなぁ、というのを感じました。

英文としては、固有名詞がめっちゃ多くて読みづらかった記憶。

ガンジーストーリー Level1

初めて読んだレベル1でしたが予想通りめっちゃ読みやすい!

あと、ガンジーは本当にすごい。もはや近代の聖人だろう、という感じで魂が震えるような感動がありました。

美女と野獣 Level 1

「おとぎ話」感満載で、こういうの実は読むのが好きです。
内容は言わずもがなみな知ってるでしょうが、すごいストレートで良いですね。
ちょっと思ったのは、盛り上がるべき所で盛り上がってる感があまりなく、サクッと終わったような…?

英文としては、結構知らない語彙多めでした。文構造は簡単。

ロミオとジュリエット Level 2

有名だけど読んだことなかったので、こういう話だったのか~!って感じました。

すごい有名な悲劇だけど、なんか「誰が悪い」と一人を名指し出来なくて、こんな虚しい結末ある?と感じてしまうような…。

原作からカットされたエピソードが多くあるらしいですが、それについては上手くやってるのか違和感はゼロでした。

シンデレラ/眠りの森の美女 Level 2

大体知ってる話だったけどちゃんと履修した記憶がないのでこういう話なんだねと思いました。

どっちも英文は読みやすいけど、物語の起伏はあんまなかった印象(おとぎ話なのでそれはそう)

シンデレラは、原作であったらしい「かかとを切り落としてでもガラスの靴に合わせようとする義理の姉たち」が未遂だけど載っててこれが噂の…ってなりました。確かトリビアの泉で見たような。

ローマの休日 Level 2

すっきり読めて、すっきり感動出来る、いい話でした。

映画が原作でこれはノベライズという扱いらしく、内容は映画と完全一致らしいです。

最後の切なさと虚しさがなんとなく好き。

ソクラテスの弁明 Level 3

古代ギリシャの哲学者「ソクラテス」が処刑されるときの裁判をプラトンが記録したもの。

最初に、日本語・英語序文・英語解説という、
三段階でかなりのページ数を使って「この本はどういう背景で何が書かれた本なのか」と説明していて、
これのおかげで哲学知識がろくにない自分でも読めました。

内容はとっっっても面白い。なるほどという感じ。
ソクラテスの議論の進め方が論戦バトル感あるというか。
相手を論破するシーンがあるんですがそこが特に面白かったです。

あと最期に、「死ぬとしても、永遠の安らかな眠りに付くか、先人の魂が集まる世界に還るかの二択だから私は怖くない」と言い切ってるの良いな、と思いました。

英文レベルは相当高いです。レベル5相当はどう考えてもあるだろうというか。
自力で英文の意味が理解できないのが3つほどあって、一部自動翻訳かけました。(そんなに難しかったのはこれだけ)

白雪姫 Level 2

魔女の邪悪さよ!!!
普通自分より美しい連れ子が居るからって何が何でも殺そうとする…?
最後に魔女がひどい死に方をするけどそれが美談として語られてたり、
中々古典の童話ってハードだよな、と感じました。

英文は易しめ。

イエス・ブッダ・ムハンマド Level 2

イエス→福音書を読んだことあり
ブッダ→仏教の入門書を読んだことあり
ムハンマド→ほぼ知らない

という状態で読みましたが、知らない話が多くてかなり良かったです。

語彙は結構レベル高め。固有名詞がよく出ますが固有名詞以外も普通に難しいです。

「教養を付ける」というサブ目的でラダーシリーズを読む場合、この本に勝る1冊もなかなかないのでは?という良い内容なので、かなりおすすめ。
長いし難しいですが…

日本の経済 Level 5

語彙は、自分が読んだ中でトップクラスの難易度。
当たり前ですが、専門書レベルの経済学用語がバンバン出てきます。
章ごとに経済学用語辞典が載ってるだけまだましなのですが…。

戦後の日本経済がいかにして高度経済成長を遂げたのか、
なぜバブル崩壊が起きてしまったのか、
バブル崩壊以降の日本の経済はどうなったのか、
世界と日本経済との関係、
日本の経済に関連する様々な社会・政治問題…

というような形で、現代人が知るべき知識が幅広く身につく、良書でした。

アメリカ史 Level5

「ヨーロッパの植民地として始まって、独立して、南北戦争して…」
ぐらいの曖昧な理解しかなかった自分には知らないことが多くて刺激的でした。

まずヨーロッパ人の中で宗教的迫害を受けてきたプロテスタントなどが自分たちの新天地を築くための移住地としての側面がかなり強かったらしく、
それが今に至るまでのアメリカの基礎を作っている話とか。
独立戦争が終わってもアメリカ内部はずっとガタガタで、それが南北の分裂と戦争の引き金になったとか。
人権と奴隷の問題とか、ヨーロッパとの関係とか…。
世界史の本だと軽く流される出来事と出来事の間がかなりしっかり書かれてて勉強になりました。

英語レベルとしては、Level 5の中では易しいんじゃない?と感じます。
当然ながら政治系の語彙で難しいのは多いですが、それぐらい。


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