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軽井沢の夏って涼しい?

信州軽井沢ふつうの生活
2020年夏、東京恵比寿から軽井沢に移住してきた、僕とパートナー、アイコ先生と2匹の猫。僕たちの軽井沢ライフは決してスタイリッシュなものではありませんが、四季折々の美しい花鳥風月と、それを愛する人々との交流、そして、郷里筑豊や東京でのエピソードを織り交ぜながら書き綴ってまいります。お茶でものみながら、ゆっくりとお楽しみください。

亜寒帯湿潤気候(Dfb)

ケッペンの気候区分で言うと、ここは「亜寒帯湿潤気候(Dfb)」に属する。つまり「温帯」ではないということだ。昔からここに住んでいるひとによると「最近、夏には、30℃を超えちゃったりして、もう『避暑地』とは言えないよ」なんて話もあるけど、地球全体が暖かくなっていることを考えると、相対的には、やっぱり「冷涼」といえるだろう。

だけど、ここで暮らしていて感じるのは、「冷涼」ということよりも、「気温の差が大きい」ということだ。「季節」、「時間帯」そして「地域」と、すべての項目において軽井沢は、差が大きい。

短い夏の時期は、日中たしかに30℃を超える日もあるけれど、真冬は、マイナス15℃以下になる日もある。年間では、実に45℃以上の気温差があるわけだ。

時間帯でも気温が違う。夏場、日中どんなに暑くても、日が落ちてくると、まるでエアコンを入れたように、すーっと涼しくなる。夜間の気温が25℃以上、つまり「熱帯夜」が記録されたことは観測史上、一度もないらしい。ちなみに年間を通じて、1日の平均気温は、札幌とほぼ同じなのだけど、朝晩は軽井沢の方が気温が低く、日中は札幌よりも気温が高い。

天然の除湿機

興味深いのが、地域差で、特に西と東ではずいぶんと気温、いやもう気候が違う。東西、たった10kmほどの小さな町なのに、東側は気温が低く、湿度が高い。追分など、西側は、気温が高く湿気も少ない。東側の旧軽井沢あたりでは、「年のうちの半分は霧」と言われるくらい、霧の発生日が多い。ほとんどの邸宅の庭が苔むしているのは、そのためでもある。

一方、僕たちが暮らしている、西側の追分あたりでは、朝方、霧が出ることもあるけど、その時間は短く、日が昇ってくるともう晴れる。朝8時ごろ、少し高いところに登って、東南側を見ると、一面が雲海の下になっていたりする。

夏場は特に東、つまり太平洋側からの季節風が吹くことが多く、その湿気を含んだ空気が関東平野から碓氷峠を一気に1,000メートルちかく昇ることで霧が発生、少し下った旧軽井沢あたりで、霧雨となって地面に落ちる。そして、湿気を失った空気が西の方に流れてくるというわけだ。

そんなわけで、軽井沢のさらに西の佐久市は、なんと年間の晴天率が日本一となっている。

この「東雨西晴」の気候には、実は素敵なプレゼントがあって、午後、西から差してくる日の光が東側の霧雨にあたって、くっきりと大きな虹を見ることがしばしばある。

不動産価格と湿度は「東高西低」、気温は「西高東低」というのが軽井沢の特徴というわけだ。

もし、軽井沢に知りあいがいて「涼しいよ〜軽井沢、だけど湿気がすごくてさ〜」というひとがいたら、きっとそのひとは、お金持ちなので、仲良くしておいたほうがいいかもしれない。

「ケッペンの気候区分」なんて言葉、中学の地理で習って以来かもしれません。僕もそうです。
亜寒帯湿潤気候(Dfb)とは、最寒月平均気温が−3℃未満、最暖月平均気温が10℃以上、最暖月が10℃以上22℃未満かつ月平均気温10℃以上の月が4か月以上 ということだそうです。

Wikipedia

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