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やってきた言葉たち〜誰かの世界 わたしの世界

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詩のようなものや散文や 綴った言葉たち
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星の歌わたしの歌

一面の星空 ここを訪ねる時は  新月の頃がいい 数えきれない光の粒がはっきりと 輝いていることがよくわかる 遠くに見えるきらめき けれど足元を感じて 今踏みしめているこの大地 これもそのひとつ 別の星から眺めれば この星空の中のひとつ そしてここにたつ私 これもまた そのひとつ 約46億年前 地球は誕生したときく その岩の塊の中に たくさんのものをふくんで じっと時をまち 奥深い所から噴き出す熱 マグマ 水素 酸素 出来上がる水蒸気 雲 雨  水は巡り 海となり その中

思うようにならない気持ちや回復について〜送りたい想い

今日はエールの気持ちも込めて 「制御が効かない気持ちについて」 一概に言い切れることではないですが たとえばのひとつのパターンについて。 人はいろんな気持ちになるものです。 あんなにやる気だったのに 急に何もできない気がしたり すっきりしたはずなのに 「もう絶対無理!」 「何もできないし、しなくていい!」 「動けない」とか思ったり なかなか思うようにはいかないのが 感情というか、感じ方というか、考えというか、 そんな内側のいろいろだと思います。 でも多分、それは、その時に

伝わっても伝わらなくても

年が新しくなる 数字がひとつふえる 12まで進んでいた月が また1からになる リセットだしはじまりだし だから何かが変わるかもしれない そんな期待で 「今年こそは」と思ったりする でも 実はそんなことくらいでは変わらない そもそも みんな一斉には変わらない だから特におめでたい気にならない それでいいと思います いつもより街が静かだ というくらいで ただ陽が昇り沈むだけ 変わらぬ一日 それでいいと思います ただ… ひとり静かにすごすあなたは そんなことは望んではい

めざめ

ここに立てば 遠くが見える 街並み さらに先には水平線 一点をみつめれば 観たいそこは どんどんどん近づく あそこにいくなら これを持って これはおいて  そこは憧れのようで 生まれた時から知っていた約束の場所  あそこでみんながまっている 今ここから わたしをこえる この日が来るとは思わなかった それでも時に運ばれて 約束は果たされる そこには見残した夢が広がる 木霊のおしえ 深い森から聞いた言葉 それが内なる声だと気づいたから いざよいながら 歩きはじめた この足で 

しおり

薄いむらさき 一面の花畑  甘いけれど野生の強さ その香り 寄り添ったり離れたり  追いかけ合って 舞い飛ぶ小鳥 花々の中に姿をかくしても  互いを呼び合うさえずりは あたりに響く 音楽のようで美しい そのリズムに心が躍る  赴くままに 見つけようとせず 探そうとせず ただ身を委ねれば現れる 跳ねたり まわったり 走ったり 軽やかなステップでたどる そこはわたしだけの道 香りとさえずりに導かれ 花になり鳥になり  何者にもなる 曲がり角には枝をひと折り いつでもそこに

触れられぬものよ

大切な思いを込めたもの 心を通わせて 生まれてきたもの 守りたいもの それを侵攻してはいけない 利用してはいけない 寄り添う心もないまま ただ自分の利益や 陶酔のために立ち入っても 我が物顔での浅慮な振る舞いに 宿る力はするりと逃げる 足元に息づくそれを 踏み荒らしていることにも気付かぬまま それに触れたつもりになっても それはすでにそこにはない  触れられてはいないし  それは あなたものにはならない 必要なのは そこに入ることではない それに触れられれば得られるも

おくる想いを

下を向かずに顔をあげれば 気持ちは明るくなるはずなのに 天を見あげれば 見あげるほど  涙があふれる 貴女がそこにいる気がするから 涙は瞳にたまるから  こぼれずにすむけれど 天がにじむ あなたは 触れられないところにいる でも あなたを愛するたくさんの人がここにいる はにかんだ笑顔で あなたはきっとみんなを照らす 今まで通り あなたという光をみんなは感じて  あなたに力をもらい 奏でる 歌う 舞う いつかハグが出来るその時まで ひとりひとりが あなたを胸に抱いて その

明るい日

緋色に照らされ 遠く 浮き上がる木々  あざやかな木立の影絵 沈む太陽  飛び立つ鳥の群れ 目で追い見上げれば まだ青い空 白く浮かぶ月 十三夜  太陽と月 一筋につづく天の道  ただそこにいることに 生きる を感じる場所 空気は少し冷たくなり 鼻腔の奥へと抜けていく それは体に広がって 指先までもが凛となる ほんの少し 息を止める わたしの中の静寂 再び吐き出した時 声にならなかった言葉がわかる 愛おしい 厭わしい もどかしい 待ち遠しい 明日というあかるい日が ま

つながるもの

斜面いっぱいの茶畑を横目に 山のてっぺんまで登る たどりついたそこには 石柱  それぞれの記憶の中に 死してなお 永遠に残る  その名が刻まれている 古代の人も飲んだお茶 そっと一口含めば  会えない人に また会える  さっと枝葉がなびいたら それが合図 目をとじて 鼻から空気をすいこんで 深く深く 胸いっぱい 満たしたなら ゆっくり 瞼をあげて 飛び交う 無数の蝶 聞こえてくる声  漂う 懐かしい香り 古からつながる 命のリレー そのすべてを受け継いで そのすべては

ある方に贈る〜詩のようなもの

「超える」 今日ぼくは あなたを超えます  あなたが生きた 時を超えます ここから先のお手本はないけれど そもそもそんなに 良き見本でもなかった気もするけれど それでもどこかで そんなところにも憧れていたのかもしれません でも少なくともぼくは あなたよりは しっかり生きてきた気がしています とはいえどこかで あなたの背中を追っていたのかもしれません でも今日からは ぼくひとりの道 あなたには ここから先はなかったのだから やっとぼくは あなたを超えます

いつもと違う所を見よう 同じ所もいいのだけれど いつもと違う場所 いつもと違う景色 いつもと違う顔 いつもと違う空気 心地よい場所は時とともに変わっていいし たまった水はよどみやすいものだから そうだよ それは飽きっぽいんじゃないよ 息が詰まる前にふわり羽ばたくだけ

青い世界

サファイアブルー ターコイズ ラピスラズリ ペルシアンブルー モザイクの壁 太陽の光を浴びて輝く文様  祈りをこめて建てられた そびえ立つ塔 てっぺんに小さな窓  ふいに飛び立つ影 解き放たれ たなびく雲を縫い  はばたく喜びを 教えてくれる場所 いつしか影は色をかえ その時々の想いをのせて変化する 見たこともない景色 想像もできなかった世界を見つめ 高く高く昇ったら そこから一気に風をきり 真下へと急降下 そこに掴みたいものがある ぐんぐん近づく大地を そのまま抱きしめ

金色のとき

薪の前で 輪になって 祭りの夜  捧げられるその舞に 皆それぞれが 庭でつみ 握りしめた花一輪  想いをこめて 投げいれる  高く大きな弧をえがき 星空に咲いた花々は  闇を割り 天の光を招き入れ  新しい朝が いまはじまる そこは今までとは違う あなたが消えた世界 眼をこらしても あなたはみえない どこをさがして あなたはいない けれど今日からは 小さくあなたの名を呼べば 見慣れた笑顔が この胸に ふわり わたしは少し上をみあげて  木々や雲をながめ 綺麗だねと語りか

薄いむらさき色 一面の花畑 甘いけれど野生の強さ その香り その上を 寄り添ったり離れたり 追いかけ合って 舞い飛ぶ小鳥 花々の中に 姿をかくしても 互いを呼び合うさえずりは あたりに響く 音楽のようで美しい そのリズムに心が躍る  ~本の秘密結社の準備室 うしがらさん