DJ karyang エッセイ『セックスと昼寝』Chapter 56「僕はこうやってオンラインDJイベント『舞麗選盤』を成功させた その2」

前回はこういう流れでオンラインDJイベントをやりましたというお話をしました。

① DJは各自別々の場所から配信。
② 事前にタイムテーブル・配信先(URL)の告知はしているが、配信スタートとほぼ同時にFacebookのイベントページおよび各SNS等にリンク先を投稿・掲載し、素早く情報拡散。
③ そしてイベント終了後は、オンライン打ち上げと称したZoomミーティングでの呑み会を開催。こちらは音楽(DJプレイ)は無しで、DJ以外の人たち(視聴者)も自由に参加・対話できるスタイルに。

で、今回は②の話を。

実は『舞麗選盤』を実現するにあたって一番キモとなるポイントは この②だったんではないかなと。実イベントとの最大の違いがここなんだと思うんですね。

お客さん(オーディエンス)に移動してもらわないといけない

というね。実店舗だったら ただそこにいればいいだけの話。だけど やってる場所(配信先)が違うとなると、バトンを渡す際に いっせいのせ で次の演者のURLに飛んでもらう必要があるわけで、そこのタイムラグを如何に軽減して あたかもシームレスのように楽しんでもらえるか…これは考えましたし、一番悩みましたね。

前回述べたようにZoomミーティングはDJイベントには向かない。ここでやれば限りなくシームレス(実店舗)に近い感じにはなるだろうけれど、視聴者にミュートを強要しないといけないという高いハードルがある(むしろプロとして木戸銭を頂いているならそれでもいいと思いますが)。
ミュートをお願いする事と、わざわざ移動してもらう手間のどっちを取るか…それで僕は後者の方を選びました。まぁ実店舗でのイベントだって、人の出入りや流れはあるわけですから。

で、そのシームレス感を出す為にイベント当日は ほぼオンタイムで次の配信先のリンクをイベントページに上げて、それを出演DJ全員でシェアをしてSNSに情報を拡散していくという手段を取りました。もちろん事前に打ち合わせをした上でみなさんに協力要請をして。だからイベントの成功にはこうした地道な努力が欠かせませんでした。そこはチームワークですね。要はイベント中もフライヤーを配り歩いているみたいな事ですからね。しかも演者さん自らがw
中には ネットでDJ配信なんて楽しやがってと思っている人もいるかもしれませんが、じゃあお前イベント中に外に出て道行く人にフライヤーを配ったりとか集客努力をしてんのかよと言いたくなる。言わないけどw

そして前回のDisc2(第2回)配信では、舞麗選盤初参戦のDJ KITAことキタさんにトップバッターをお願いしました。

これには僕なりの大いなる「狙い」がありました。キタさんの個人配信も拝見したのですが、その時に深夜だというのにすごい視聴者数を叩き出していたんです。やはりキタさんはDJ仲間がいっぱいいますし信頼も厚い。選盤も含めて確かな求心性と訴求力があるんですね、キタさんには。
だからこそ一発目で盛り上げてもらって、次の演者さんに良い形でバトンをリレーできればと思っていましたが…その狙いはズバリ的中しました。
それは実イベントも同じ事なのですが、こうしたブックメイキングやチームワークもオンラインイベントでは必要不可欠なのではと考えています。

そういう意味では この舞麗選盤でのリレーDJという試みは、いわゆる夏の音楽フェスに近いのかもしれません。
同じ場所の別のステージで様々なアーティストさんたちがやっているライブパフォーマンスを好きなようにグルグル観て廻る的な(同時配信しているわけではないですが)。それも込みで楽しんでもらえればと思ってやっていますけどね。ひとりで配信する事は本当に簡単ですから。
これも舞麗選盤で実現したかった試みのひとつでした。

【続く】

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