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森林火災の原因は燃焼物である(CFACTの記事)

写真出展:YlversによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/ylvers-337353/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=433688

 2023年7月14日にCFACTは、森林火災のデータに関する記事を発表した。内容は、カナダとアメリカの過去100年程度の森林火災に関するデータを公開し、地球温暖化と森林火災の件数・燃焼面積に相関がないことを指摘するものである。
 アメリカでは森林火災は一つの大きな自然災害となっており、災害が発生すると地球温暖化と関連付けて論じられることが多く、この情報が間接的に日本にも浸透して間違った科学的言説が拡散する要因になっている。地球温暖化論者に騙されないようにするための参考として、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(It’s not the climate, it’s the fuel)
https://www.cfact.org/2023/07/14/its-not-the-climate-its-the-fuel/

1.本記事の内容について
 ・森林火災は、長い間地球温暖化の狂気の渦に巻き込まれ、あたかも森林火災が増加しているような印象操作がなされてきた。しかし今般発表されたカナダの森林火災に関する記事において、実際には減少傾向にあることが示された。カナダ国立森林火災情報システムの数値によると過去30年間は火災件数が減少しており、増加している機関は1959年から1990年の間であり、ピークは1989年である。2017年から2021年にかけての平均件数は年5,500件となっており、1987年から1991年平均の半分程度の水準となっている。(図1)

・アメリカの森林火災も同様にここ30年は減少傾向にあるが、燃焼面積は増加している。2023年6月の議会調査局の報告書によると、1990年代の燃焼面積は、年平均330万エーカーだったが、2000年代は700万エーカーとなっている。(図2)

ただこのグラフは40年程度しか示しておらず、長期的な傾向を把握できるようにはなっていない。例えば最大の森林火災は1825年のマイラミチ火災であるが、上位10件のうち4件は1910年以前に発生しており、6件は2000年以降に発生している。1926年からのデータを見てみよう。(図3)

 ・ここ100年間で件数・面積共に減少傾向にある。地球温暖化により森林火災が増加しているわけではなく、樹木や枝等の燃焼物が枯死することで燃料面積が減少しているという科学的な分析もある。最も燃焼面積を抑制している要因は森林管理であり、森林管理部局もこのことに同意している。積極的な森林管理を妨害し、初期消火が困難になることで燃焼面積がむしろ増加傾向になっている。かつては乾燥期前に樹木の間引きや枝拾いなどを実施し、森林火災の大規模化を防止していたのであり、自然のままに放置して落雷が来ないことを祈っているだけでは災害を防止することはできないのである。

2.本記事読後の感想
 幸いにして日本は森林火災の被害があまり発生しないが、こういった直観的にわかりやすいニュースがあると地球温暖化論者が勢いづく。何かを説明するための原因が1つであると理解しやすくかつ受け入れやすいが、これは科学の性質にも関連している。科学も1つの公式で多くのことを説明しようとするのであり、要因が少なければ少ないほど説明として優れているという素朴な価値観は、人間の感覚にも合致している。
 地球温暖化論者はこうした感覚に訴える情報発信に優れているが、こういった下らい情報操作に騙されないようにするためには、若干のデータを確認するだけで十分である。ただ日本は特に情報鎖国状態であり、地球温暖化論者の草刈り場として非常に理想的な状態にある。テレビ、新聞、週刊誌という質の悪い情報源からいかに早期に脱却するのかが重要であるが、インターネットでもユーチューブやツイッターではこういった情報を公開することすらできない。
 結局のところ、自分で優良な情報源を探すしかないのである。仕事で情報を収集する場合、テレビの情報を鵜呑みにするだけでなく、専門誌などを参考にするように、日常生活においても質の高い情報を得るためには努力が必要である。

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