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デジタルツールで民主主義を守る(ヘリテージ財団の記事)

写真出展:Sambeet DによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/sambeetarts-1339110/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=1732847

 ヘリテージ財団は2021年6月7日に、デジタルツールによる民主主義の防衛に関する記事を発表した。内容としては、デジタルツールにより権威主義的国家から民主主義を守る取り組みであり、民主主義的枠組みが有効な対抗措置になっていると結論付けている。とかく暗いニュースが多い中、希望が見える内容になっていることから、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(Democracy’s Digital Defenses)https://www.heritage.org/technology/commentary/democracys-digital-defenses

1.本記事の内容について
 ・2021年1月に、チャットアプリのクラブハウスは世界中の人々にチャットルームを開放し、中国本土の国民がグレートファイヤーウォールで検閲されていないインターネットを見られるようにした。中国政府この動きを危険視し、2月8日にクラブハウスのチャットルームを閉鎖した。
 ・権威主義的政権は、長い間技術を国民の監視や抑圧の道具として利用してきたが、民主主義国家はこれに対抗するため、デジタルツールで自由と民主主義を守ってきた。香港のデモでは、LIHKGやHKmapを利用して仲間と連絡を取り、警察の捜査をかいくぐっていた。またロシアの反体制派は、テレグラム内で抗議運動を先導するプログラムを開発し、警察の居場所を発見できるようにしていた。その他、インターネットが閉鎖された場合でも、ブルートゥースやP2Pネットワークで連絡を取り合った。
 ・中国はCOVID-19パンデミックに際し、ツイッターにてボットを利用して、によりアメリカでロックダウンについてのデマ情報を流した。これに対抗して、インディアナ大学はボットと人間の投稿を見分けるツールを開発し、偽アカウントによる投稿を削除することに貢献した。その他、フェイクビデオやデジタル不正を検出するツールも開発されており、権威主義的政府からの攻撃を適切に防衛することができるようになっている。
 ・個人情報を不可視化するツールも開発されており、居場所、生活パターンなどが特定できないようにしている。データの分散管理も有効であり、最近ではスマートフォンに保存されたデータを利用するなどの手法も取られている。
 ・従って、アメリカのビッグテックのような企業の意向が非常に重要である。これら企業は世界最大のシェアを持っているのであり、大きな支配力を持っていることから、その方向性が世界の命運を決定づけることになる。
 ・バイデン政権は、技術の活用に関するルールや規範作りに取り組み、技術民主主義連合を構築することを目指しているとされている。各国の連携は情報共有や技術政策の協調などが可能となることから、権威主義的国家への有効な手段となりえるのである。

2.本記事読後の感想
  デジタル時代の民主主義の困難さが指摘されているが、一部希望も見えているという内容である。
デジタルツールは独裁国の武器にもなるが、一方で民主主義国のイノベーションが有効な対抗措置となっているのである。独裁国は既存の仕組みを利用することには長けているが、新しいものを開発する能力や創造力が欠けている。また、中国はロシアや北朝鮮と協調したサイバー攻撃・防衛ができているわけではなく、民主主義国のような連携はできない点も弱点になる。今後も民主主義国が一丸となって権威主義に対抗していくことが重要になるだろう。 
  ただ各国が連携するには、建設的な貢献ができなくてはならない。日本はどうしてもイノベーションの部分が弱いため、まずは自国の体制を整備する必要がある。どうもCoCoaなどのソフトウェアの失敗などでかなり自己評価が低くなってしまっているが、日本人にも優れたプログラマーは多数いるのであり、優秀な人々が力を発揮できるような仕組みになれば、かなりのイノベーションが創出されるはずである。
  現在のIT業界における多重下請け構造のため、末端のプログラマーへ適切な報酬が支払われないことや、無責任体質などを改善しない限り、この問題は解決されない。イノベーションが出てこないことが問題と言うよりは、イノベーションを発生させる仕組みに不備があるということが問題なのだと思われる。
  最近、平井デジタル担当大臣の強迫発言などが批判されているが、これは既得権益を守りたい側が意図的にリークしている一方的な情報に基づいているように思われる。これは契約の適正手続きという矮小な問題ではなく、多重下請け構造に切り込む改革と言う一面もある。今後、平井大臣に対するこの手のスキャンダルが多々出てくるだろうが、情報をしっかりと見定める必要がある。せっかく登場した改革派の人を担当から外れないよう、国民の側も賢明となり、しっかり応援していくことが重要である。
 

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