見出し画像

炭素と二酸化炭素は異なる(CFACTの記事)

写真出展:Gerd AltmannによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/geralt-9301/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=3139230

 2023年9月8日にCFACTは、炭素に対する不当な批判に関する記事を発表した。内容は、炭素と二酸化炭素が異なることを示し、「炭素」を悪者にすることを止めるよう指摘するものである。
情報と言うものは非常に難しいもので、似たような言葉を同じような状況で使用しているうちにその差異が不明確になったり、誤って使われるようになってしまうことがある。下らないマスメディアなどの扇動に惑わされないようにするための参考として、本記事の概要を紹介させていただく。

↓リンク先(Carbon language is misleading error on a global scale)
https://www.cfact.org/2023/09/08/carbon-language-misleading-error-on-a-global-scale/

1.本記事の内容について
 ・日々メディアや政策では「炭素」という言葉がやり玉に挙げられているが、正確には「二酸化炭素」であって、炭素そのものではないのである。こういったレッテル張りは、塩を「塩素」と呼ぶぐらい滑稽なものである。
 ・炭素は、鉛筆の芯やすすなどの黒い物質を思い浮かべるだろうが、二酸化炭素は目に見えない気体である。目に見えない二酸化炭素はにマイナスのイメージを付けるため、二酸化炭素は温室効果ガスであり、地球温暖化の主要因であるとして「炭素汚染」といったレッテル張りがされている。しかし、炭素という言葉は使われるべきでないだろう。
 ・二酸化炭素は、無味無臭であり、それ自体の毒性はなく、目に見えない気体である。煙やスモッグ発生の原因とはならず、工場の煙突から排出される白い煙は二酸化炭素ではない。また温室効果ガスとしての効果については、地球温暖化に占める水蒸気による温室効果が70~90%であるのに対し、二酸化炭素は0.1%にも満たない。
 化石燃料が燃焼する際の化学式を見てみよう。燃料 + O2 + 熱 → CO2 + H2Oという式になっており、水蒸気も排出される。もし二酸化炭素を汚染物質と言うのであれば、水も汚染物質と言わなければならない。
 ・実際には、二酸化炭素は緑をもたらす。査読済み論文で植物の成長を促進することが証明されており、45の農作物について、世界の総食料生産量の増加の95%は二酸化炭素の増加によるものとされている。(図1参照)

 こういった点においても、二酸化炭素量を減少させるというのは愚かなことである。
 ・「炭素の足跡(カーボンフットプリント)」とは、二酸化炭素の排出元を把握し、可視化するものであり、炭素そのものではない。また「炭素回収・貯留」は、排出された空気中の二酸化炭素を回収・貯留するものであるが、「炭素」そのものは対象とならない。この技術により回収される気体重量の72%は酸素であり、「酸素回収・貯留」とするべきだろう。

2.本記事読後の感想
 二酸化炭素が悪者となってから、どれだけの時間が経過したかわからないが、いつの間にか汚染物質であるかのようなイメージがついて回っている。ただ本記事で見たとおり、二酸化炭素は地球のどこにでも存在しており、特に植物には多大な恩恵をもたらしている。また温室効果ガスとしての効果も低く、水蒸気にはるかに及ばない。こういった現実がありながら、二酸化炭素や炭素を定性的に悪役に仕立て上げ、その区別もつかないぐらいに混同させ、謝った政策を推進し続けている。まともな情報が出てこればよいのだが、日本では全く期待できない。
 連日下らないスキャンダル報道が巷を賑わしているが、こういった知的水準が低い後を絶たないのは、日本人が主体的に情報を取捨選択する能力がないためであり、この言論空間こそが日本人の知的限界を物語っているのである。こういった非本質的な議論から脱却できなければ、いつまでも同じ間違いを繰り返すことになるだろう。

 英文を読んでわからないという方は、メールにて解説情報をご提供させていただきます。なにぶん素人の理解ですので、一部ご期待に沿えないかもしれませんので、その場合はご容赦願います。当方から提供した情報については、以下の条件を守ったうえで、ご利用いただきますようよろしくお願いいたします。

(1) 営利目的で利用しないこと。
(2) 個人の学習などの目的の範囲で利用し、集団での学習などで配布しないこと。
(3) 一部であっても不特定多数の者が閲覧可能な場所で掲載・公開する場合には、出典を明示すること。(リンク先及び提供者のサイト名)
(4) 著作元から著作権侵害という指摘があった場合、削除すること。
(5) 当方から提供した情報を用いて行う一切の行為(情報を編集・加工等した情報を利用することを含む。)について何ら責任を負わない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?