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屋根の修繕は火災保険に適用されるか?雪災や凍害で起こった「ずれ」でお困りの場合

ふと屋根の上を見てみたら板がずれていて、すぐにでも修理をしたいと思ったことはないでしょうか。

積雪の多い地域や極寒で凍結がよく起こる地域では「棟板金」と呼ばれる屋根の板を留めている釘が抜けるトラブルがしばしば発生しています。

このような屋根の修繕をするときには火災保険を適用することはできるのでしょうか。一般的な工事費用がどのくらいになるかも踏まえて、申請するメリットがあるかを考えてみましょう。

棟板金のずれの被害は増えている

棟板金の釘が外れてずれてしまう被害は全国的に増えてきています。異常気象によって暖冬の年もある一方、例年にないほどの豪雪に見舞われたり、連日のように氷点下を記録したりする年も多くなっているからです。

さらに台風が北国にも到来するケースがしばしばあり、強風の影響も受けて釘が抜けやすくなっています。

「今まで屋根がずれることなんてなかったのに・・・」と思って驚いてしまうのは当然で、棟板金のずれは気候の変化の影響によって発生しやすいトラブルになのです。

気づいたときに早めに対処したり、災害時にチェックするようにしたりすれば、安全で快適な住まいを維持できるようになります。そのためにも火災保険が使えるかどうかを理解しておくのが大切です。

棟板金の釘が外れたときの工事費用

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棟板金の釘が外れてしまったときには火災保険が適用できるかどうかにかかわらず、早めに修繕依頼をして業者に修理してもらうのが大切です。そのまま放置していると次の積雪のときに屋根ごと雪が滑り落ちて大きな被害をもたらすリスクがあるからです。

雪でなくとも凍結したときに屋根が滑りやすくなって転落する可能性もあります。早めに対処しておけばこのような問題を引き起こさずに済むのです。

棟板金の釘が外れる前に対処できれば釘打ちだけなので1万円~5万円くらいが相場です。

しかし、屋根がずれてしまっていると棟板金やその下にある貫板が劣化してしまい、交換しなければならなくなる場合もあります。釘打ちだけで済めば費用相場は同じですが、棟板金や貫板を交換するとそれぞれ10万円~30万円くらいかかります。

これに足場料金や工事管理費などもかかるので、釘打ちだけでも15万円程度、交換作業が入ると25万円~50万円くらいが必要になるのが一般的です。

火災保険での修理は可能

雪災や凍害が原因で屋根の修繕が必要になった場合には、基本的に火災保険の適用が可能です。屋根のずれだけでなく、へこみや雨どいのゆがみなどでも火災保険を使って修繕できます。

参考:火災保険の対象になるあれこれ(株式会社プラテンより)

ただし、火災保険を適用するには申請して保険会社に認めてもらわなければなりません。降雪や凍結が原因で被害が発生したのかどうかを調査されることになります。釘が抜けたときには経年劣化ではないかと疑われる場合もあるので注意しなければなりません。

【注意点】
棟板金の釘は7年から10年くらいで抜けてくるものなので、その間、全く手入れをしていない場合には経年劣化と見なされる可能性もあります。

住宅の検査や鑑定をしている業者に依頼して状態を見てもらってから申請するかどうかを判断するのも賢い判断でしょう。

強風で釘が浮いたときの釘打ち修理も対象

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自分の家の屋根を見てみるとまだ屋根がずれていないけれど、よく見ると釘が浮いてきているという場合もあります。釘が抜けてしまう前に浮いてくるのは当然とも言えるでしょう。

釘打ち修理をしてもらえばまた10年近い期間は安心していられますが、釘打ちによる修繕費用も自然災害が原因であれば火災保険の対象になります。

よくあるのが強風によって一気に釘が抜けてきてしまう現象です。突風や台風などの後に釘が浮いていたという場合には火災保険を適用できる可能性が高いと考えましょう。

【ポイント】
実際には強風として認められるほどの瞬間最大風速があったかが重要で、秒速20メートルを超える風が記録されていれば対象になると期待できます。

この場合にも経年劣化ではないかと疑われるのは確かですが、ゆっくりと時間をかけて抜けてきたときと、強風で一気に抜けたときでは釘が外気にさらされていた時間がまるで違います。そのため、外観を見れば強風によって釘が浮いたのかどうかは判断するのが簡単です。

釘が抜けてしまったときとは違って、写真だけでもはっきりとわかるので、保険金が支払われる可能性が高いでしょう。

まとめ

雪災や凍害によって屋根にトラブルが発生したときには、火災保険を適用して修繕できる場合が多くなっています。屋根がずれてしまった際の修繕費用は数十万円にも上るので気軽には修理できないかもしれませんが、火災保険の支払いを申請すれば全額をまかなえる可能性もあります。

釘が抜けたり、浮いたりしているときには、すぐに直しておかないと次に豪雪や凍結、強風などが発生したときに大きな被害をもたらすリスクがあります。経年劣化として考えられてしまう場合もあるので、住宅の鑑定や検査に詳しい業者に相談してみましょう。

もし火災保険を使えそうなら、火災保険を使いたいことを修理業者に伝えておくとスムーズに準備を進められます。屋根のずれに気付いたときにはすぐに対処を始めて安心できる住まいにしましょう。

参考:火災保険の対象になるあれこれ(株式会社プラテンより)


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