2021年の囲碁界7大タイトルを振り返る

2021年も残り僅かになりました。この記事では、今年の囲碁界の七大タイトルを振り返ります。

主な登場人物

井山棋聖

七大タイトル独占する快挙を二度達成した現日本囲碁界最強の棋士。            しかし若手の台頭で2020年末時点で3冠(棋聖・名人・本因坊)までタイトルを減らしました。

令和の三羽烏

一力プロ、芝野プロ、許プロの3人の総称。長く停滞した日本囲碁界に現れた期待の若手たちです。2020年までに井山棋聖からタイトルを着実に奪い、2021年は更なる世代交代の促進を目指します。

①棋聖戦 井山棋聖vs河野九段

令和の三羽烏が出場しなかった今年唯一のタイトル戦。顔合わせは二年連続で今年も井山棋聖が4勝1敗で防衛に成功。

②十段戦 芝野虎丸十段vs許家元八段

令和の三羽烏同士で争ったタイトル。フルセットの激闘の末、許八段が3勝2敗で十段を奪取。この時点で令和の三羽烏が一羽ずつタイトルを保持することになりました。

③本因坊戦 井山本因坊vs芝野王座

挑戦者争いを令和の三羽烏で繰り広げ、芝野王座が挑戦者になりました。勢いそのままに3勝1敗と井山本因坊を追い詰めるも、最後は井山本因坊が底力を発揮し、大逆転で防衛に成功(4勝3敗)。

④碁聖戦 一力碁聖vs井山棋聖

井山棋聖が挑戦者決定トーナメントを勝ち抜き挑戦者に。1勝2敗と追い込まれるも、最後は井山棋聖が底力を発揮し、大逆転で碁聖を奪取(3勝2敗)。

⑤名人戦 井山名人vs一力天元

碁聖戦と同じ組み合わせ。二日制のタイトル戦では張栩九段との名人戦以来負けが無い井山名人。途中は一力天元にリードを許す苦しい展開でしたが、最後は井山名人が底力を発揮し、大逆転で防衛に成功(4勝3敗)。

⑥天元戦 一力天元vs関七段

今年最も結果が予想外だったタイトル戦。下馬評を覆し、関七段が天元を奪取。一力天元は碁聖に続きタイトルを失い無冠に。

⑦王座戦 芝野王座vs井山棋聖

2021年最後のタイトル戦。最終局まで縺れた結果、3勝2敗で井山棋聖が王座を奪取し五冠に復帰。芝野王座は一力九段に続き無冠に後退。

7大タイトルまとめ

棋聖  井山棋聖→井山棋聖

十段  芝野十段→許十段

本因坊 井山本因坊→井山本因坊

碁聖  一力碁聖→井山碁聖

名人  井山名人→井山名人

天元  一力碁聖→関天元

王座  芝野王座→井山王座

井山棋聖vs令和の三羽烏を振り返る

タイトル戦では本因坊、碁聖、名人、王座が該当します。井山棋聖vs令和の三羽烏は井山棋聖の14勝10敗(勝率58%)となりました。4タイトル共フルセットまで縺れて互角のように思えますが、カド番に追い込まれてからの井山棋聖は8連勝しているので、今年は井山棋聖が覇権を取り戻した一年になりました。令和の三羽烏は後1勝が遠かった印象です。

来年は令和の三羽烏が逆襲なるか。まずは棋聖戦で一力九段が井山棋聖に挑戦します。井山棋聖は棋聖10連覇がかかります。


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