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『スーパーマリオRPG』書を捨てよ、マリオと旅に出よう

昨年友人がニンテンドーSwitchを買った。発売からだいぶ時間が経っての購入だが、それだけプレイしたいと思わせるタイトルがリリースされたということだ。そのゲームのタイトルは『スーパーマリオRPG』。
ザ・キング・オブ・ゲーム・キャラクター"マリオ"の名を冠したRPG。本作は1995年にスーパーファミコンで発売されたゲームのリメイク版である。
ゲーム好きなら、このCMをご存知の方もいるだろう。

ロールプレイングゲーム♪
やったことない人も(OK!)
マリオと旅にでよう ドラマをつくろう
ロールプレイングゲーム♪
やりつくした人も(カモーン!)
まんぞくさせますマリオです♪
(オーイエー!)
「スーパーファミコンソフト」
スーパーマリオRPG
「スーパーファミコンが 4000円安くなるクーポン券つき!」

4000円安くなるクーポンは付いて来なかったらしい。
しかし、マリオと旅に出た友人は、久々の『スーパーマリオRPG』をおおいに楽しみ、歌詞のとおりたっぷり満足したようだった。で、さらになにか新しいゲームをやりたくなったらしく、「なにかゲームかしてー」と私に連絡がきた。とりあえず私は最近『ゼルダの伝説 ティアーズ・オブ・ザ・キングダム』を貸すことにした。そしてかわりに友人からは『スーパーマリオRPG』を貸してもらうことに。

そんな感じでマリオとゼルダを取っ替えっこすることになった。また別の友人にそのことを話したら「小学生か」と言われた。そうなのかもしれない。小学生なのかも。やってることが子どものころと変わっていないものな。

というわけでプレイし始めたリメイク版『スーパーマリオRPG』。「懐かしい~」とか「迷子になった~」とか「マロかわいい~」とか思いながらのんびりプレイして、この度クリアできました。
なのでここからは、軽くゲームのレビューとか、やってて楽しかったポイント、あるいは気になった点について書いていってみようと思います。

まず、全体のビジュアルですが、当時のまるっこい雰囲気を残しつつ、解像度高めに再現されています。なので、スーファミ版をプレイしたことがある人なら懐かしさと新鮮さを同時に味わえるはず。

バトルや音楽も当時のままなので、楽しげな雰囲気のフィールド曲や、テンションの上がる戦闘曲を聴きながらのゲームプレイは相変わらずわくわくします。「森のキノコにご用心」「対モンスター戦」「対武器ボス戦」など音MAD文化でよく耳にする名曲も多数あり、ゲームを知らなくてもネットミームに詳しい人ならテンションあがることうけあい。VIP先生か……何もかも、みな懐かしい……。
ゲームシステムとしては、ドラクエなんかと同様の「コマンド選択式」に加えて、攻撃および防御をするさいに、適切なタイミングでボタンを入力することでバトルを有利に進められるようになる、「アクションコマンドバトル」となっており、これも原作のまま。このシステムいいよなあ、ほどよくバトルに緊張感が出るし、単調になりづらい。しかも仮にコマンド入力に失敗しても通常のダメージは入るから「損した」って気分にならないもんな。

"マリオ"RPGというだけあって、登場するキャラクターはクッパ、ピーチ、キノピオとおなじみの面子が多数。世界観やテキストまわりはどこかふざけた笑いを誘うような向きがあり、シリアスで殺伐としたファンタジー世界のRPGとは一線を画すものとなっています。かつ、後年発売された『マリオ&ルイージRPG』ともやはり違う独特のユーモア、どことなくドロリとした手触りなんかもあってやっぱり好き。

2023年にリメイクするにあたって追加された要素はいくつかあり、例えば難易度が選択できるようになっていたり、オートセーブに対応していたり、全体としてストレスなく遊べるような方向性が強まっています。特にバトルシステムは追加された要素が多く、”チェイン”というコンボによってバトルを有利に進めるシステムや、タイミングを完璧に合わせることで相手の攻撃を完封できる”ジャストガード”、そのほか3人での”連携技”が用意されていたりとバトルが単調にならないよう「変化」を意識した作りになっていました。

また、微妙な変更点ではあるものの、コマンドの入力方法にも修正が加えられており、バトル中の”事故”が少なくなる仕様に。むかしの版はボタンごとにアクションの割り振りが固定されていて、独特な仕様だったもんなあ。ここら辺の細かい改善点は明確なプラスポイント。

本作のストーリーは、とつぜん現れた「カジオー」なる存在にクッパ城を奪われたことに端を発し、マリオとその仲間たちが、各地に散らばる「スター」を集め、ふたたび平和をとりもどすため冒険をくり広げるというもの。マロ、ジーノといった本作のオリジナルキャラクターはかわいく、バトルでも個性をもって活躍してくれます。

また、いわゆる”裏ボス”として登場する存在は、某ファンタジーRPGの世界を踏襲した設定&ビジュアルとなっており、そのおバカでメタ的な登場時の台詞も含めて印象的。今回ひさびさに戦ってみて、かつてほど脅威は感じないものの、バトル中に流れる音楽や演出の良さを実感しました。「なんじらはなぜ、あつみを持つのか? なぜ、そうも立体的なのか?」はいま読んでも笑える。

というわけで個人的にはリメイクとしてはこれと言って文句のない出来でした。上記で挙げた追加要素はどれも満足のいくものでしたし、変に改変したり、追加要素を増やし過ぎてもいない。ただ、その分いまやると、このゲームが発売時に持っていた「新しさ」や「テンションの高さ」みたいなものは少々感じづらいかもなあという気もしました。
そもそもこのゲームが発売された95年というのはスーパーファミコンから次世代のハードへの移行期であり、ドット絵と3Dどちらの良さも取り入れ、それをメタ的にネタとして取り込んでいたり、そういうセンスの良さが光っている作品でした。しかしいまやると、そういった点の新しさ、もう少し端的に言えばギャグの部分はちと伝わりにくい可能性があるかもなと、そんなことを思った次第です。

とはいえ、RPGを冠している割にレベルの上限が30までだったりと、無駄に長くすることなく、サクッと遊べるのは長所だし、原作が好きな人ならきっと楽しめるはず。みんなもマリオと旅にでよう! ドラマをつくろう!

なお、ティアキンを貸した友人は、仕事以外の時間はひたすらゼルダをプレイし続ける生活となっているらしく、貸してよかったなあと嬉しい反面、少々責任を感じてもいる。みんなもゲームのやり過ぎには注意しよう! ちゃんと寝よう!

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