見出し画像

2023年に観た中で好きだったドラマ作品ベスト5

 今年1月ごろU-NEXTに加入したのは大正解だった。配信している映画が非常に充実しており、ドラマに関してもここでしか観ることの出来ない作品が多数あり、1年を通して色んな作品を楽しませてもらった。そもそもU-NEXTを使い始めたきっかけは、ドラマ版『THE LAST OF US』を独占配信していたからで、それだけ観たら解約するつもりだったのだけど、気づけば1年通してどっぷりU-NEXT漬け。よくわからなくてもとりあえず試しに何か始めるということは新しい出会いや発見につながっていいものですね。というわけで今年観たドラマ作品で気に入ったものベスト5です。


1位.『THE LAST OF US』

 2013年に発売されたゲームのドラマ化作品。今年はこの作品に限らずゲームを原作とした映像作品が豊作だった印象で、その先陣となったのが『THE LAST OF US』でした。まずこのドラマ、ゲームをプレイしたことがある側からすると美術面が凄まじいです。「あれ……実在する場所だったの……?」と錯覚してしまうくらい徹底的にラスアスの世界を作り込んでおり、菌種に侵された世界の風景は廃墟フェチのツボを突きまくりで眼福。ゲームからドラマにメディアが変わることで、原作の良さが失われてしまわないかという懸念は2話の時点で綺麗に払拭されました。製作者はその特性の違いをよく理解しており、アクション部分を大幅に削り、人間ドラマの部分にフォーカス。これにより原作ゲーム以上に登場人物たちを深掘りすることに成功しており、所々の脚色も、現代の価値観に合ったアップデートとなっていて、その違いを楽しみながら鑑賞する時間は最高のひと時でした。特に本作の3話はドラマ史上でも稀に見る出来となっており、これこそメディアミックスの成功例と言えるでしょう。
 欲を言えばもっとクリッカーやブローターなど愛すべきクリーチャーたちが暴れ回るところを見たかったな、とは思うものの、そこを削ったからこその成功でもあるのは間違いないありません。個人的には2023年の、という以上にこれまで観てきたドラマシリーズの中でベストに入る作品。この荒涼とした容赦のない世界の旅は、現代を生きている多くの人に届く強い物語であり、ヒロイックに傾くことのない展開や人物描写もまたすばらしい。このドラマを観た人がゲーム版にも興味を持ってくれたらいいなあと思います。ほんと良いゲームなので。
 あと、チェックすべきはキリンですキリン。なんと最終話で登場するあのキリン、CGではなく本物を用意して撮影したそうです。びっくり。

2位.『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4まで

 すいませんこれ2022年の作品です。でもハマったの今年だったんだもん。やー、にしてもこんなに面白いんだったらもっと早く見るべきだったなあ。
80年代のカルチャーやその頃のSF & ホラー作品の要素をふんだんに取り入れたNetflixのモンスターコンテンツ。子供たちのキャラが良く、登場人物たちと一緒に童心に帰る気分でわくわくしながら観てました。
 いまのところ一番好きなのはシーズン2かなあ。シーズン1よりコミカル度が増し、登場人物たちのドラマも深堀され、泣けるエピソード多数。んん、でもシーズン3もシーズン4も良いんだよなあ。多分もう一度最初から観たらまた印象が変わる面もあるだろうし、なんだかイチからまた観たくなってきたぞ……。
 なお私はダスティン推しです。彼が画面の中にいるとなんだかホッとする。大好き。
「絶対に変わるなよ、ダスティン・ヘンダーソン。約束だぞ」

3位.『サクセッション』

 「資本主義国家」であるにも関わらず「家族至上主義」でもあるアメリカの歪さをブラックジョークとして描き、そこに囚われた兄弟たちの愛憎劇。
 とにかくみんな演技上手杉。このドラマでは登場人物の内面を音楽や台詞といった演出ではほぼ説明せず、その時々で向き合っている相手とのコミュニケーションによって伝える作りとなっています。そのため相手によってそれぞれが多様な一面を見せ、リアルな人物描写をすることに成功。ローガンみたいな人物は最悪だなあと思う反面、魅力的に感じてしまう気持ちもよくわかります。
 下品なブラックジョークも満載で笑えますし、刻一刻と変化していく人々の相関図とビジネスの状況もシリーズものとして上質な楽しさを提供しています。なんていうかこのドラマ、ビジネスや人間関係でとんでもないことが起こっても、次の話では何事も無かったかのように話が進んでいくことがあって、んでも最終的にその「しこり」が一番重要な場面で効いてくるという、「脚本」にもいやらしさが(もちろん良い意味で)出てるなあと思いながら観てました。おそらく2020年代のマスターピースとなる一作です。
 一番好きなのはローマンかな。彼には幸せになってほしい。日本の宇宙開発事業を無理やり進めてロケットを爆破させたことは許してないけど。

4位.『BEEF/ビーフ』

 「移民」、そして「アジア二世」。
 日本を離れて暮らしたことが無い私には、ここで描かれている「アメリカ社会でアジア系移民として生きていく」ということの苦しみや息苦しさ、あるいは歓びや解放感というものを完全には理解できない。だが同時に、このドラマは、人間が社会の中で生きていくことでどうしようもなく抱えていくこととなる「抑圧された感情」と、「理解し、魂が触れ合うことの喜び」を描いている。配信されてから何十カ国もの国々でランキングトップ10入りした理由には、そんな多くの人が共感するテーマが盛り込まれていることが関係しているのだろう。
 怒りが怒りを連鎖させ、ぶつかり合っても消えることのない最悪のぷよぷよゲーム。溜まりに溜まった怒りはかなりとんでも無い事態に行きつくわけですが、その過程も含めて楽しいドラマ作品でした。
結論:喧嘩はよくない!

5位.『ピースメイカー』

 コメディ色強めのDCEUドラマ。スピンオフな上、グロ描写、下ネタが頻出するので、ある程度耐性は必要かと。でもそれを踏まえて、OPのクソダサダンスやジョン・シナの筋肉が目に焼き付くバカバカしくも愛すべき作品でした。動物、父親、ボンクラ集団と、ガン監督らしさ全開なのもグッド。
 っていうかあれですね。たぶん私はブラックジョークや下品で笑える会話がたくさん観れるドラマが好きなんだと思います。

次点.『サンクチュアリ -聖域-』

 「角界」という聖域に足を踏み入れ、泥臭く血生臭く捉えた作品。主人公である猿桜は相撲という伝統的な競技を「ゼニを稼ぐためのもの」としか捉えておらず、品格など無視した彼の不良っぽい言動や行動が、角界全体に大きな波紋となっていく過程がわくわくした。そのため、終盤に近付くにつれ猿桜が真面目でちゃんとした力士になっていく流れは少々残念。昨今取り上げられることが多くなった角界のいじめ体質や裏金の問題など、もっと掘り下げて欲しかった部分はあったし、出来たと思うのだけど、最終的にそれらはほとんど語られることなく、いわゆる普通の「スポ根もの」という形に落ち着いてしまっている。
 とはいえ、相撲という競技の激しさや面白さはよく描けていたし、徐々に相撲を好きになってゆく主人公と、彼に感化されてゆく人たちの話として見れば良質な出来です。
 あとこのドラマを観ていると『バチバチ』読みたくなるなあ。

 以上、今年ハマったドラマでした。

 ところであまり関連性は無いのですが、一昨日「2023年noteの記事まとめ」という今年の振り返り記事が届きまして、内容を確認したところ、私が書いた記事の中で特に読まれたのは以下の3つだったことがわかりました。

1位.江戸川乱歩作品に登場する好きな変態ベスト5

2位.noteに入り浸る。

3位.コロナ、味覚障害、イースター

 3位のコロナはまあわかる。別に注意喚起とか今後罹った人のためとかそういう意識は無くて、コロナに罹患した記録という意味合いで書いたものだったけど、それに興味を持つ人が多くいたのだなあと思うから。
 2位はnoteを使うにあたってのあいさつ文。でもそれより、あいさつの下にある各種SNSの使ってみた感想の方に興味を持つ人がいたんだろうなと想像してる。
 1位はなんでこれが1位なのかよくわからない。江戸川乱歩が人気だから? それともみんな変態のこと好きなの? ならもっと色んな作品に登場する魅力的な変態紹介しようかな。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

おすすめ名作ドラマ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?