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ChatGPTがもたらすビジネス変革とは?〜テクノロジーと統合型マーケティングの未来〜

今も昔も議論が絶えない「テクノロジーと脅威」

「デジタル時計を使いすぎると、時計の読み方を忘れてしまうよ」
「テレビばかり見てると思考力が低下するよ」
「ゲームばかりやってると学校で問題を起こすことになるよ」
「パソコンばかり・・・」
「インターネットばかり・・・」

その時代その時代で、新しいテクノロジーに向き合わなければならなくなった時、そのテクノロジーが脅威だと感じたことはありませんか?

最近では、自然言語処理のAIによって多様な言語タスクを実行できる、ChatGPTが話題を集めていますが、このテクノロジーが私たちの味方になるのか、敵になるのか、脅威を感じるものなのか、共存することができるのか、といったことが毎日のように議論されています。

いずれにせよ、近い将来、何らかの形でChatGPTなどの人工知能チャットボットは私たちの生活に関わってくると思われますが、業務改革という点では積極的に利用していった方が良いのではないか、と著者は考えています。

マーケティング業務について言えば、データ管理や顧客情報の管理、キャンペーンの企画や実行など、多岐にわたる業務がありますが、近年のテクノロジーの進歩により、多くの業務がクラウド上で行えるようになってきました。以下は、過去の業務と現在の変化をまとめてみたものです。

マーケティング業務は多くのタスク管理が必要です

データの管理・分析の変化

過去には、マーケティング業務で扱う膨大なデータを管理するには、オンプレミスのサーバーやデータベースが必要でした。しかし、クラウド上で提供されるデータ管理・分析ツールの利用が増えたことにより、大量のデータを高速に処理し、可視化することができるようになりました。例えば、Google AnalyticsやSalesforceなどのクラウドベースのツールを使用することで、マーケティング担当者は簡単にデータを収集し、分析することができます。それにより、顧客行動やマーケティングキャンペーンの成果をより正確に把握し、改善点を見つけ出すことができます。

コンテンツデザインの変化

以前はPhotoshopやIllustratorなど、Adobe社が提供する高度なスキルを要求するグラフィックデザインツールを使用する必要がありました。しかし、現在ではCanvaなどの無料でオンラインで使用できるツールがあり、誰でも簡単に美しいデザインを作成することができるようになりました。このため、マーケティングチームとデザイングループのメンバーが何度もコミュニケーションをとる必要があった作業が、ブランドガイドラインを理解したマーケッターが簡単にデザインを行えるようになり、そのためソーシャルメディアの投稿頻度が増え、フォロワーやインフルエンサーとの距離が近くなりました。

ホームページ運用の変化

ホームページの運用も、過去にはHTMLやCSSなどの技術的な知識が必要でしたが、現在ではWordPressやWix、Googleサイトなどのホームページ作成ツールが誰でも利用できるようになりました。これらのツールを使えば、技術的な知識がなくても美しいホームページを簡単に作れます。また、過去には大企業でさえ複数の担当者が必要な場合がありましたが、これらのツールを使うことで、制作チームの人数が減少するケースもあります。このような変化により、小規模なビジネスでもホームページを運用することが容易になり、ビジネスの拡大につながっていると言えます。

ミーティングの変化

限られた会議室の予約、確保はマイナーな業務でしたが、とてもストレスになるものでした。参加人数に対して大きすぎる会議室、逆に参加人数が多いのに小さいスペースの会議室しか予約ができず、参加者みんなが酸欠状態になったり。(笑)資料も参加人数分(+予備)印刷をして、配布していましたが、Zoom、Teams、Webex、Meetなどのオンライン会議の開催により、会議室の確保というストレスから解放され、また、資料のペーパーレス化に繋がりました。

翻訳・ローカリゼーション

以前は毎回、翻訳者を通すため、急ぎの翻訳が必要な場合は追加料金を支払っていました。また、なかなか適切な翻訳者が見つからず、探すだけでかなりの時間を無駄にすることもありました。今はDeepLなど機械学習のAIで簡単に高精度な翻訳ができるため、ある程度の語学力があれば、マーケッターはAI翻訳されたものをプルーフリーディングすれば良いだけなので、翻訳者を通さずに翻訳を完成させることが可能となりました。

以下はマーケティング業務におけるChatGPTの活用の一例です。

執筆・ライティング

「もや」っとしたアイデアや企画など、ChatGPTを利用すれば、忙しそうにしている同僚に聞くことなく、イメージを言語にすることが可能になります。もちろん、ChatGPTから受け取ったアイデアを自分なりにブラッシュアップする必要がありますが、漠然とした感覚的なものを具体化、見える化してくれる強い味方となるでしょう。ChatGPTを使い、プロのライターでなくてもプロ並みのライティングができるようになりました。

市場動向・調査・分析

市場動向を調べるためには、従来はアナリストから提供される大量の資料を調べる必要がありました。しかし、ChatGPTは、言語以外のビッグデータ(数億単語以上のテキストデータ)を活用することによって、マーケティング調査・分析を容易にすることができます。トレンドや市場動向を追跡するには、ChatGPTにアクセスするだけで、膨大な量のデータを瞬時に調べることができます。これによって、市場の動向やトレンドに関する最新情報を常に把握し、ビジネスの意思決定に役立てることができます。

以上のように、クラウド上で利用できるSaaSアプリやChatGTPの利用によって、コンテンツ、プロジェクトマネジメント、顧客管理、市場分析、執筆など、様々なマーケティング業務の生産性を一気に上げることができるようになりました。これまでのボトルネックが一掃されただけでなく、何よりこれらのSaaSアプリの多くのGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)が可愛くデザインされているため、日々の業務を「楽しく」してくれていると感じます。

参照:2022年01月27日ITニュースサイト「ASCII.jp x TECH(通称: テックアスキー)掲載
マルチクラウド利用や多要素認証の認証要素などの動向をデータで明らかに
Oktaが業務アプリの利用動向調査結果を発表、1社平均は「89個」

企業の利用業務アプリの平均数は89個!

しかし、目まぐるしく変化する業務アプリ、全て使いこなせていますか?それもそのはず、ITニュースサイト「ASCII.jp x TECH(通称: テックアスキー)によれば、IDaaS(クラウドアイデンティティ管理サービス)を提供するOktaの顧客企業は、平均して89個のアプリを業務利用しているそうです。

さらに、従業員2000人以上の大企業にかぎって見ると、平均で187個のアプリを導入しているというから驚きです!

ハンディマン(便利屋)的マーケティングが求められる理由とは?

これらのテクノロジーが生み出す利便性や生産性の向上は、「誰でもプロに(プロのように)なれる」ということを大きく謳っています。ChatGPTを含め、ツールを使いこなせるITネイティブの職域はますます広がっていくことでしょう。これまでは専門性の高いマーケッターを数多く抱えていた企業も、広範囲に対応できるマーケッターを少ない数で起用し、それらのマーケッターが膨大な数のテクノロジーやアプリを使い分け、ディレクションを行い、クロスファンクションの一員としてビジネスのゴールに向かっていくのではないでしょうか。こうなってくると、ITリテラシーの高さがますます問われますね。

アメリカでは、大抵の家庭が一人か二人の「ハンディマン」と呼ばれる便利屋を抱えています。なぜなら、アメリカの住宅は毎日のようにどこかしら不具合が発生し、手直しする必要があるからです。一つ一つ、専門の業者を探す手間もなく、手軽に上手に修理してくれる腕の良いハンディマンが各家庭で重宝されています。とはいえ、ハンディマンにできる作業には限界があります。"簡単な作業に限り"という条件がつき、決してその道一本の専門家ではありません。ただし、日常生活ではほとんどが"簡単な作業"で済んでしまうことが多いのもまた事実です。

このようなハンディマンのように、"簡単な作業"を複数対応できるマーケッターこそが、統合型マーケティングとして、今後マーケティング界の大きなトレンドになってくるのではないかと考えています。


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