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『シスターフッドって呼べない 2』を発行します



私は大変だった。そう口に出してみたら、やっと見えてきたことがあった。
私の中にある、女を憎み、女を遠ざけ、女を突き放してきた「女ぎらい」の歴史。フェミニストとして生きるためには、足早に「シスターフッド」を語るのではなく、なによりこの自分のミソジニーと正面から向き合わなければならないと思った。
だから私は、女ぎらいの記憶の断片を書き起こした。それらを「ミソジニー」という一言でくくって、2019年にzine「シスターフッドって呼べない」を作った。
フェミニストこそ、自身のミソジニーと向き合わなければならない。その確信は今でも揺らいでいない。けれど次第に、どこかかみあわない感覚を覚えるようになった。「ミソジニー」。この言葉の隙間から、こぼれおちている記憶があることに気付かされたのだった。この一言で、あの記憶も、この記憶も、全てくくってしまってよいのだろうか。私が必死に見たいようにしてきたもの。ないものにしてきたものは、まだあったのだ。
1号発行から4年、自分の記憶とイメージのさらに奥の奥を潜って作った白状の記録。

目次
・「くん」づけしあった日
・さくらももこにすがって生きていた
・ハガキ職人の夢
・からだを忘れる
・尺八を吹く「おもしれー女」
・私を興奮させる「シス呼べ」な女たち  『スキップとローファー』 編
・否定形のフェミニズム
・「女でありたくない」をただ生きること

著者:依田那美紀(いだ・なみき)
1993 年石川県生まれ。京都府在住。批評同人誌『生活の批評誌』の編集長。企画と編集、文章執筆を行う。連絡先:idanamiki@gmail.com


書誌情報
2023 年10 月28 日 第1刷発行
表紙絵:あきを Instagram:@akiwo_artmusic
DTP:依田那美紀  
印刷・製本:株式会社 北斗プリント社
発行部数:200部
ページ数:52ページ/中面モノクロ/表紙カラー
販売価格:700円(悪税抜き)


販売情報
大阪で開催される「KITAKAGAYA FLEA 2023 AUTUMN & ASIA BOOK MARKET」『生活の批評誌』ブースにて初頒布します。(28日のみ出店)
日時:10月28日(土) 12:00〜19:00
会場:クリエイティブセンター大阪(CCO)
   (大阪市住之江区北加賀屋4-1-55 名村造船所跡地)

原則手売り予定です。が、この本を必要としてくれる人がどこかにいると信じて、何か別の方法も考えたいと思っています。


今回も素晴らしい表紙絵を作成してくださったあきをさんに心から感謝します。ああだこうだと私が漠然としたイメージや矛盾した要望を伝える中で、それらを踏まえ、統合し、私の想像を超える一つのイメージに仕上げてくれた彼女を心からリスペクトしています。

また、校正を手伝ってくれた信頼する3人の友人にも心から感謝します。

文章を書き、形にし、ささやかでも世に出すということは、自分の中に小さなカンマを打つような行為だと思います。地に足がつくような安心感。30年生きてきて、一つ、ここからまた始められそうだと思います。

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