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#6 「Please Please Me」 - 俺らがリヴァプールのビートルズだぜ!【The Beatles Album Review】

今回ご紹介するのはビートルズのデビューアルバム「Please Please Me」です。

基本情報

オリジナルリリース 1963/3/22 (UK)

  1. I Saw Her Standing There

  2. Misery

  3. Anna (Go to Him)

  4. Chains

  5. Boys

  6. Ask Me Why

  7. Please Please Me

  8. Love Me Do

  9. P.S. I Love You

  10. Baby It's You

  11. Do You Want to Know a Secret

  12. A Taste of Honey

  13. There's a Place

  14. Twist and Shout
    Total Time 31:59

かの有名なビートルズのデビューアルバム。
まだ世界進出なんて目論む前の、
「まず全国レベル目指す」段階のビートルズです。
レコーディング当時のメンバーはハタチそこらの
まだ若々しい田舎の青年。ジョージなんて19歳ですよ。
(リヴァプールが田舎なのかは詳しく知らないが)

そんな彼らが既に録ったシングル曲を除いて
1日で全てレコーディングしたのがこのアルバムです。
もうとにかく、フレッシュ。そんなアルバム。

このアルバムを聞くならPCを使ってひと手間加えていただきたい。
もしくはモノラル盤を頑張って探していただきたい。
というのも、このアルバムのステレオミックスは
イヤホンで非常に聴きにくいのです。
右にボーカル、左に楽器、みたいな。
「泣き別れステレオ」なんて呼ばれたりしているらしいです。
DAPに入れる際はモノラルに変換してから聴いた方が良いですよ。
すべての楽器が真ん中に寄せられてしまいますが、
それでも泣き別れよりはマシです。

レビュー

☆☆☆☆☆☆☆★★★(7/10)
改めて聴き直してみたら、今後ビートルズが発展していくきっかけになる「種」がいくつも見つかりました。
まだ芽は出ていないにしても、長い目で見れば
「おー、このときから既に!」という発見ができるアルバムです。

楽曲解説

以下、アルバム内で特に好きな曲について一言ずつ。

I Saw Her Standing There

ポールのカウントで始まるアルバムの1曲目。
楽器も歌も一発録りのライヴ感がいいですよね。

Boys

シュレルズというアメリカの女性グループのカバー曲。
「キスされると男の子はゾクゾクしちゃうんだって」
という曲を男子が歌ったら原曲とニュアンスが変わるよね
ゲイバーでライブするときの人気曲だったそうです(Wikipedia情報)。

Please Please Me

「昨日あいつに言ってやったんだ。
『お前は試そうともしないのか』って。
ほら、来いよ。俺を喜ばせてくれよ」
よく聴いたらめちゃめちゃエロイじゃないですか。
若さ故の勢いってこういうところに表れますよね。
ステレオ盤ではジョンが歌詞を間違えて
半笑いになっているのがそのまま収録されています。
それはそれでやはり若さを感じる瞬間。

P.S. I Love You

デビュー曲「Love Me Do」と一緒に録られた
ビートルズのデビューセッションからの1曲。
正式メンバーになったのに臨時のドラマーが呼ばれていて
リンゴはマラカスで参加。怒らなかったのかな。

Baby It's You

「シャララララララァー」というコーラスが印象的な曲。
小さい頃「おかあさんといっしょ」で聴いた気がするんだよね。
詳しい方の情報待ってます。

A Taste of Honey

ライブハウス回りをしていた頃、
「ロックンロール以外が聴きたいお客さんのために」と
ポールの意見でレパートリーに入れていた曲。
既に音楽的な広がりはポールが担当していた感じがありますね。

There's a Place

音楽的な広がりをポールが担当していたなら、
ジョンは詩世界的な広がりを担当していたことを感じさせる曲。
中期以降に花開く内省的な歌詞の原型が感じられます。
そうやって「X軸」「Y軸」みたいにそれぞれが組み合わさった結果
ビートルズはあんなにも革新的だったのかも、と思いました。

Twist and Shout

ジョンが心配になる曲。
というのもアルバム用に曲をまとめてレコーディングする日、
ジョンは風邪ひいてたんですね。
他の曲でもちょっと声がガラガラだったりするんですが、
最後にレコーディングされたこの曲はもう、ギリギリ。
解散後のインタビューでジョンは
「死にそうだったけど全力を尽くしたよ」的なことを語っているそうです。

まとめ

音楽的にも技術的にもまだまだと思ってあまり聴いていなかったのですが、
もうそんなのどうでも良く楽しめる。
それもやはり「若さ」の成せる技なのかもしれません。
(そんなことを感じるのは、演奏している当時のメンバーより
歳が上になってしまったからか……?)

それでは、かしまさでしたー。

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