北関東のとある街

私たちは今の生活の中で何を求めて生きているのであろうか?

そんなことを思わせたのは、とある街にあったどでかいショッピングモールだった。

ただひたすらでかい。道路沿いに何メートルあろうか?ゆうに駅一つ分くらいあるのではなかろうかと思わせるそのモールは、夜の街にうっすらとそびえ立ち、ちょっとした威圧感があった。

バスから望むその全景はまるで要塞の如く私を見下ろしていた。

商売というのは、簡単にいうと需要と供給のバランスがうまく成り立つところに成立する。
供給側は地代や原価など経費を元に販売価格を決める。

私はそのショッピングモールには立ち寄っていないので何を売っているかはわからない。
海外から旅行者であろう若者たちが、ちょうどモールのバス停で乗り込んできた。
両手いっぱいの買い物で、バスのシートは埋まった。

確かにたくさんの量だ。でもあの敷地全体に売場があると考えると、こんな売上では成り立たないだろーなと思った。

平日の夜、たった1日しか様子を見ていかないのでわからないが、きっと何でも揃うのだろうし、何ならデートもここで済むんだろう。

しかし、それが私にとって楽しい行為とは到底思えなかった。

要塞は、私たちの生活を監視しているかのように煌々と夜の街を照らし、それでいて静寂に包まれていた。

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