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真夏のトラッド

トラッドスタイルは真夏が鬼門である。ジャケットやトラウザーズ、さらにネクタイを重ねたファッションは日本の夏には苦行と言っても差し支えない。

しかしながらトラッド愛好家のみなさんはTシャツに短パンにサンダルを履くようなファッションを好まないのではないだろうか。好きでないファッションを強制させられる方がよっぽど苦行である。

そこで今日は真夏のトラッドと題して夏のトラッドファッションをご紹介したい。実は夏に適したトラッドなファッションはたくさんあるのだ。

・マドラスチェック

マドラスチェックのボタンダウンシャツ

マドラスチェックのルーツはインドのマドラス地方にある。
このチェックは1960年代に一世を風靡したアイビースタイルで取り入れられ、今でも夏のチェックの代名詞として多くの方に親しまれている。

このチェックは色使いが鮮やかで太陽にとても映えるのが特徴である。さらにインドで織られたマドラスチェックは生地自体が薄く織られており通気性にも優れている。見た目も着心地も非常に夏向きの素材と言えるだろう。

スタイリングはシンプルにネイビーのジャケットに。合わせるだけで夏を演出してくれる。ネイビーのジャケットを使うことでマドラスチェックの派手さを中和できるのもポイントだ。

また、シャツでなくてもこのように小物として取り入れるのもいい。
面積は小さくても主張のあるマドラスチェックを取り入れるだけで夏を演出してくれる。

・バティック柄

バテッィク柄、伝統的な様々なモチーフの柄が存在する

バティック柄はインドネシアがルーツのろうけつ染を用いた染物だ。こちらもアメリカントラッドの愛好家に昔から親しまれてきた夏のアイテムだ。
マドラスチェックもそうだが、東南アジアルーツの伝統的な織物は太陽の日差しによく映える。トラディショナルなファッションはその土地土地の背景とよくマッチするというのが僕の持論である。

後述するホワイトバックスシューズとの相性もばっちりである。

・ホワイトバックスシューズ

ホワイトバックスシューズ

いよいよ靴を紹介しよう。
夏と革靴はとにかく相性がよろしくないと思われるだろうが夏にも合う革靴はちゃんとある。それがホワイトバックスシューズである。

ホワイトバックスシューズは英語でWhite Buck Skin Shoesとの名の通り
Buck Skin (鹿革)のホワイトを用いたシューズでる。
Back Skinではないので白のスエードではないので注意。ただし、現在は白のスエードでもホワイトバックスと呼ばれているケースも多いのであまり細かい事を気にしなくてもいいのではないかとも思う。

このホワイトバックスシューズはまさにスニーカー以上ドレスシューズ未満といった感じで取り入れるだけで夏のトラッドスタイルが完成する魔法のような一足である。スタンスミスみたいな感覚で気軽に取り入れてもらいたい。

ほんとに履くだけで一気にトラッド感が増す。軽い汚れは消しゴムでも消すことが出来る。またホワイトのレザーシューズが気になる方にはベージュ色のダーティバックスシューズもおすすめだ。
ダーティバックスシューズは汚れたホワイトバックスという意味でDirty Bucksシューズと呼ぶ。そのまんま過ぎる。ホワイトバックスの方が先に存在していたのだろうか?

ダーティバックス、ホワイトもダーティもレンガソールと呼ばれるオレンジ色のソールが特徴だ

・シアサッカージャケット(ネイビーかブラック)

細い畝が特徴のシアサッカージャケット 濃い色の無地がおすすめ

最後のおすすめはネイビーかブラックのシアサッカーのジャケットだ。
夏でも仕事柄どうしてもジャケットが必要な方はいるだろう。
そんな方におすすめがネイビーやブラックといった濃い色のシアサッカーのジャケットだ。
シアサッカーといえばブルーストライプが定番で清涼感がある。しかし、実際に着用するとわかるがかなり派手で一般の方が取り入れるにはなかなかハードルが高い。

ネイビーかブラックの無地ならいつものジャケットの延長で気軽に取り入れる事ができる。
仕事ならいつものシャツに、カジュアルなら冒頭で述べたマドラスチェックのシャツを合わせてもTシャツを合わせてカジュアルにしてもいい。
このスタイリングのようにカーディガン感覚でショーツと合わせてもいいと思う。

・日本の夏、真夏に君たちは何をどう着るか?

真夏のトラッドいかがだろう?
今や日本の夏は高すぎる湿度と気温が相まって東南アジアクラスの暑さと言われている。マドラスチェックやバテッィク柄のような東南アジア由来の伝統的な柄が合うわけである。冒頭で夏にトラッドは苦行だと述べたが、これらのアイテムを多用するアメリカントラッドは実は夏との相性が非常にいい。
(逆に重衣料が本質のブリテッィシュトラッドは夏との相性が非常によろしくない)

なので夏のトラッドは何を着よう?の回答はアメトラを着ようというシンプルな答えにたどり着く。
マドラスチェックもバテッィクも鮮やかで一見派手なものが多いが、ダークトーンでシックな柄も多い。是非あなたに合ったトラッドを楽しんで頂きたい。




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