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劇場版に見る千明とリンの関係性

あまりによすぎて感情が爆発したので増刊号です。
皆もゆるキャン△の映画を見に行きましょう。
それなりに内容に触れるので、ネタバレを気にする人は観てからまた来てくれ。でも、読んでから観ると開始5分くらいで泣ける(かもしれない)ので、もしも読んでから観て泣けた人は教えてくれ。


少し前にゆるキャン△アンソロジーが出た。
(※勘違いでこれも今日発売だった。とも子氏の作品は先行無料配信で読めたのであの時に出たと思っていた)

以前一度話題にしたことがあるVTuberマシーナリーとも子氏も参加しているのでそれ目当てで買った。氏は現在ジャンププラスで「スシシスターハンター」を連載中なので読もう!(宣伝)

アンソロは映画の前に読んでいたけれど、その時の感想は「さすが、マシーナリーとも子はマンガが上手い」だった。氏はどの作品でも各キャラクターの関係性の構築と構図の使い方(特に大ゴマの使い方)が抜群にうまい。
とも子氏のアンソロのマンガは、千明とリンがお互いを名前で呼び合うところに着目してそれを膨らませている。ゆるキャン△本編を読んでいると、案外するっと読み飛ばしてしまいそうな変化なので、そこに着目するのはすごいな、と思っていた。

そう、その程度の認識だったのだ、今日映画を見るまでは。

映画本編はマンガ、テレビ版から10年後が舞台。
オープニングは高校時代のキャンプの映像で、そこから10年経ち出版社で働くリンの日常に移り変わっていく。
OPが明けて千明からリンへ「今名古屋にいるんだが」というメッセージが届き、いよいよ本格的に物語が始まっていく。

わけだが、ここで私は違和感があった。

「今名古屋にいるんだが」

このメッセージは金曜の夜、唐突に送られてきたメッセージである。
果たして、遠くに住んでいる友人の近くにたまたま行くことになったとして「今もう現地にいる」というメッセージを送るだろうか?
もちろんそういう人もいるだろうし、サプライズ的なものを画策して直前に送ってくることもあり得るだろう。でも、「〇日にそっちに行くけど予定空いている?」とか聞く方が自然では?
と思っていたが、その後の違和感は居酒屋のシーンで一つの確信に変わる。

二人で向かい合わせに座り居酒屋で飲む千明とリン。千明だけやたらとピッチが早い。10年経って「ぐびねぇ」に匹敵するくらいお酒を飲むようになっているのだが、それにしても気もそぞろで落ち着きがないように見える。それは「前にあったのいつだっけ?」と二回聞いていることからもうかがえる。

そう、完全に「本当は相談したいことがあるけどなかなか言い出せなくてためらっている」ムーブなのだ。食も酒もガンガンすすむやつである。実際一人だけ飲んで食べている。
そうしてしばらく会話をした後に、仕事を辞めて地元山梨の観光推進機構で働いていることを打ち明ける千明。

ここでも、写真を見せて「ここ良いでしょー広くて何もなくて」というようなことを延々語る。きっと言いたいけど言えないのだ。

「ここをキャンプ場にしたいんだけど手伝ってくれないかな?」

と。そして「何にすればいいと思う?」と千明はリンに聞くのだが、その答えが

「キャンプ場とか?」

なのだ。ここで「我が意を得たり!」となりテンションの上がった千明はその後リンを山梨まで連れて行って・・・と、この後は本編をご覧ください。

後々の各キャラクターの会話を聞くに、千明はあおいにはそういう相談をしていた節がうかがえる。が、なでしこにはしていなかった。つまり「最初に本気で声をかけたのが志摩リン」なのだ。(あおいちゃんにも相談はしていたが、どちらかといえば悩み相談で勧誘とは違った印象)

そして、千明はリンを「キャンプ場の総合リーダー」に任命する。その言い分は「一番キャンプ歴が長いから」
だが、それならアウトドアショップの店員で半ばキャンプが仕事になっていてキャンプ歴も大差ない(10年経ってるんだぜ)なでしこの方が適任なのではないか。
と、思うが千明だけでなくおそらくは他のメンバーにとっても、キャンプといえばリンなのだ。「キャンプはリン抜きでは語れない」と言ってもいい。
だから勧誘しに行ったのだ「一緒にキャンプ場作らないか?」と。

全体的なストーリーは、やはりリンとなでしこがメインで回ることになる。だが私は「今名古屋にいるんだが」から千明とリンの関係性の変化を感じ取って完全にやられてしまった。最初はあんなにお互いにぎこちない関係だったのに・・・
なんなら途中で「あのメッセージの意図は実はこうだったんじゃないか」とつながった時にめちゃくちゃ泣いてしまったくらいだ。「今名古屋にいるんだか」じゃあないんだよ、完全に「会いに来てる」じゃねぇか。

そうして劇場を出てからマシーナリーとも子氏のアンソロ作品を思い出して「あれ・・・?あれは劇場版のプロローグだったけ?」と思ってまたちょっと泣いてしまった。いい友達になったな、本当に・・・

映画本編は「TV版の10年後はこうあってほしい」と期待する理論値のような展開なので、めちゃくちゃよいです。みんなちゃんと大人になってる描写もあってそれも良かった。各キャラクターの出番もしっかりあるのでそこもお楽しみに!
公開してる劇場がやや少ない印象ですが、みなさんもぜひ!
とも子氏のマンガも載ってるアンソロも読もう!

それでは!

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