映画感想『すばらしき世界(2021)』

表題の通りです。2022年日本アカデミー賞優秀賞作品ノミネートおめでとうございます。毎年、この時期は邦画好きにはお祭りですね。わっしょい。
普段から映画館に足を運びたいのですが、何かと外出自粛の世の中なのでサブスク万歳になってしまいますね。
さて、この記事の目的ですが「映画観てみよう」っという気持ちになってもらえれば映画制作側に協力できてありがたいのですけど、つらつら書いてるだけなので、どうぞお気軽に読んでくださいね。

◆作品説明

<ストーリー(youtube抜粋)>
下町の片隅で暮らす短気ですぐカッとなる三上は、強面の見た目に反して、優しくて真っ直ぐすぎる性格の男。しかし彼は、人生の大半を刑務所で暮らした元殺人犯だった――。一度社会のレールを外れるも何とか再生したいと悪戦苦闘する三上に、若手テレビマンがすり寄り、ネタにしようと目論むが…。三上の過去と今を追ううちに、逆に思いもよらないものを目撃していく――。

役所広司/仲野太賀/六角精児/北村有起哉/白竜/キムラ緑子/長澤まさみ/安田成美/ 梶芽衣子/橋爪功
脚本・監督:西川美和
原案:佐木隆三著「身分帳」(講談社文庫刊)
配給:ワーナー・ブラザース映画
©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

◆興味を持ったきっかけ

ノミネート作品というのがきっかけではあるものの、まぁ、やっぱりね、私の中で因縁(褒めてる)の監督なんですよ、西川美和監督は。
最初に『ゆれる』を見てしまったので、そこそこ衝撃だったんですよね。なんか、現実って綺麗なものじゃなくて残酷なのよね、っていうのをこんなにもえぐるように描写できる人がいるものなのか、と。
なので、きっと今回もきれいな話にはならないと思っていて、まぁ、ならないんですけど(笑)
あと、同じく映画好きの母が「これ観たい」と押し切られて一緒に見ました^^;

◆率直な感想(ネタバレはしないのでご安心を)

ラストに「あー」ってなりました(笑)と、同時に、これもひとつの幸せのカタチなのかな、とスッと腹に落ちました。
刑務所から出所した主人公の作品ってどうしても罪の意識というか反省とか、そういう方向の話になりがちなんだけど、どちらかといえば「再生」をテーマにしているからか、そのあたりの追及は一切出てこなくて、社会にどう馴染んでいくか、を軸に描かれていくかんじ。
あと主人公が全然反省してないところがスタートなのもいいなって思った。頑張って努力してるのに報われない、よりも「まぁ、そんな考え方じゃどうにも難しいよね」って見る側が感情移入しやすいなというか。
他にも反社の描き方がイマドキだなって思ったり。そういう意味では退路はない、でも社会は厳しいっていうのは嘘じゃない。そういうリアリティを描くのが西川監督はやっぱうまいよなーと納得してしまった。
原作未読だけど、きっと小説はもっとリアリティがあって、読んだら気持ちが沈んでしまう気がする。映画だからこそ少しエンタメ色を濃くして、敷居を低くして、問題提起しているところがいいなと思ったのであります。はい。
最後に、タイトルの「すばらしき世界」を皮肉と考えるか、文字通り受け取るか、は見た人の価値観で変わりそう。ちなみに私は後者でした。

◆キャストのすごさ

いや、まぁ、こんだけの名優がそろってれば、まぁ文句ないでしょうというキャスティング。個人的に光って見えたのはキムラ緑子さんと白竜さん。まぁ、そっちの人なんだけど、昔ながらのね、まだ残り続けてる反社の人たちっていう雰囲気がとてもうまかった。キムラ緑子さんって個人的には、ものすごく美人の役よりも、どこにでもいそうな役がとても合っていて、でもいわくつきの役もきちんとできて、それでいて脇役でも存在感がすごくて、いたら安心って感じの女優さん。
あと仲野大賀もね、なんかもっと評価されてほしいなって思うんだけど、この人はかなり努力家だと思うんだよな。今回の役柄も難しい役だったと思うんよね。この役の後日談、興味あるなぁ。

というわけで、

さあ、どうなることやらですね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。





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