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これは本当にまずいかもしれない…奇妙な事件『娘は誰と会っているのか?』考察その3

「Kisaragi」さんが、ご友人家族の身に起こった不思議な事件をまとめたnote『娘は誰と会っているのか?』。

娘さんが毎日のように遊んでいるという上級生「Aくん」が、ある事件をきっかけに実在しない人物なのではないかという疑いが浮上。「Aくんの家」とされた邸宅の住人は警察とともに「うちにはそんな子いません」と否定し、学校からも「そんな名前の子は在籍していない」と言われてしまい……

私たちはこれまで2回にわたって考察を公開、Kisaragiさんご本人ともやり取りをしてきました。

1回目=「ご友人の奥様による娘さんを抱き込んだ狂言説」
2回目=「両親の離婚をきっかけに不安定になってしまった少年の虚言説」

先日、こちらからの質問への解答や、推測部分の真偽などを織り込んだ最新の記事がアップされました。

一読して、かなりまずいことになっていることが伝わりました。
正直言って、会ったこともない「Kisaragiさんのご友人夫妻」に、早く娘にバレないようにGPSとICレコーダーでも鞄かなんかに隠して持ってかせて、興信所でも雇って1週間でも2週間でも「Aくん」に接触するまで下校を尾行させて、ことの真相を本気で暴いて警察沙汰にしてくれ!!!!!!!と怒鳴りたい気分です。
最新記事の中で、娘さんが暴行を受けたらしいと発覚したからです。……ただ、私たちの想像は、娘さんが語っているところとは違います。

新情報

今回、分かったことは大きく以下の通りです。
※これまでの記事で使ってきた用語(「娘さんがAくんの家だと主張しているが、A家は住んでなかった家=『自称A邸』」など)が当然のように説明なしで出てきますので、お暇なら考察記事①②からお読みいただけましたら……

①「コスモワールドの似顔絵」は、奥様がかつて目撃したAくんの横顔に似ていた
Aくんの容姿は「大人びた美形」だったそうで、別項でAくんの身長が170センチという記述もあります(小5、6で170センチは、リアリティのない数字ではないと思います)し、身長差を含めてふたりをやや大げさにカリカチュアして描いた似顔絵なら、警察の人から「これ2歳しか離れてないようには見えないよ」と言われてもおかしくはないかな、と。
やはり私は、「娘さんのイマジナリーフレンドではなく、『Aくん』を名乗る小学生自体は実在する」と考えます。

②娘さんはAくんから「両親はとっくに離婚しているんだけど、『自称A邸』から母親が出て行かない」と言われていたらしい
前回、私たちが示唆した「Aくんの両親は離婚していて、娘は〈『自称A邸』が本宅で父親の家、今は母親と別の家に暮らしてるんだけど、父に母の居場所を知られたくないから、誰かに俺の家を訊かれたら『自称A邸』の方を答えてくれ〉とAくんに説明・指示されており近所に『本当にAくんが母親と住んでいる家』がある」説、「離婚して親権は母親側にあり、Aくんは戸籍・学校の登録上は母親の名字なんだけど、父親への愛着から父の名字Aを通称として名乗っている」説への解答です。

③「A一族が経営する病院」には、Aくんのお父さんが車で連れて行ってくれた
A父はアウディに乗っており、娘さんも乗せてもらった。車に関する感想は具体的で嘘とは思えない……らしい。
私たちは、子供が放課後に行ける範囲内に、娘さんが言うような「特定の一族が経営を独占していて、15階建てという大規模な私立総合病院」が存在しないことからAくんの虚言と判断していました。
ただ、Aという苗字の医師の存在は、友人ご夫妻がネット検索した際には確認できていないそうです。

④娘さんが、「A母の父と兄?に暴行された」と告白した
A母の父と兄は、元々、資産家であるA家の財産目当てで娘を嫁がせており、離婚で財産を合法的に得られる芽がなくなると、居直ってA家に乗り込んで娘ともども住みつくようになって家を乗っ取ろうとしている……というような話を娘さんがしたと言います。

私たちは前回、「Aくんの嘘は父親を理想化する傾向がある」と指摘しました。そして、一方で母親を嫌悪しているのも伝わってきます。

今回、私たちが新たな説として指摘したいのは、「娘さんを暴行したのも、『お泊まり事件』の時に怖い思いをさせたのもA父なのではないか」という可能性です。

Aくんが父親を庇っていて娘さんも協力している説


離婚して片方の親に引き取られた子供が、親から向こうの悪口を吹き込まれ続けて、その子自身も相手を強く嫌悪するようになる……というのはよく聞く話です。
それと似たようなことが、Aくんにもあったのではないかと思うのです。

①Aくんは両親の離婚後、母親に引き取られ戸籍上は母親の名字になった(学校には母の名字で在籍している/Aくんがまだ小さいうちの離婚ならば、親権は母親優先だったと考えられる)。

②A父は学校から電車で行きやすい○○町に住んでおり、A母が仕事で帰りが遅くなることもあって、Aくんは母親に隠れて日常的に父の家に遊びに行っていた。おそらくは何らかの理由で、母は息子が父と会うことを禁止あるいは忌避していた。

③A父は被害妄想の強い人物で(生来の気質か、離婚によってそうなったのかは措きます)、息子が妻の側について会えなくなることを怖れる気持ちもあって「お前の母親は、我が家の財産を狙って俺に嫁いできた酷い女だ」「お前の母親は、向こうの家族と一緒に我が家を乗っ取ろうとしてきたんだ。だから離婚した。本当はお前を捨てたくなかった」「いつか母親から逃げて一緒に暮らそう」などとA母への中傷を吹き込み続けた。

④同時に、A父は息子にとっての理想であろうと自身の経歴も偽るようになった。
(「一族が経営してる大病院」の存在をやはり信じられないので、A父が息子とその友達に良い恰好しようと適当な病院に連れて行って嘘をついたのだと思っています。あるいは、医者であること自体は本当なら、息子から「ここパパの病院(パパが経営している病院)なの?」と聞かれて「そうだよ、パパの病院(パパが勤務している病院)だよ」と答えて誤解された……という可能性もありますが)
(アウディは本当に持っているのでしょうが、娘さんの話に出てきた他の車はA父が契約している駐車場とかに並んでいる外車を、A父もしくはAくんが「ぜーんぶパパの車!」と嘘ついたのでしょう)

⑤Aくんは「本当にそうだったら良いのに」という気持ちから、A父の言葉を信じ内面化するようになって、娘さんなど友達にも吹聴していた。

⑥A父子は日常的に会っていることを周りに知られたくないので、友達と遊ぶときなどは「ここ(自称A邸)が俺んちなんだけど、母親とその家族に乗っ取られて今は父親と隠れて別の家に住んでるんだ。父親の居場所を知られたくないから、人から俺んちを訊かれたら〈自称A邸〉だって言ってくれよな」などと説明して自称A邸を経由してA父宅に向かうようにしており、A父も向こうの保護者と母親のふりをして連絡を交わしていた。

おそらくは、「お泊まり事件」はA母が出張などで家に帰らない日にA父宅に無断外泊したということなのでしょう。
前回の母子同居説を取った時に「迎えに来たのが父親なのはちょっと不自然」と思っていたのですが、泊まったのが「父の家」ならば納得です。
警察が「あの家に住んでいるのはAくんのお母さんとそのお父さんとお兄さん」だと言う娘さんを相手にしなかったのは、「自称A邸」の住人の実際の家族構成がまったく違うことを把握していたからだと思われます。むしろ、何かのタイミングでAくんが「自称A邸」の家族構成(成人男性3人・成人女性1人)を確認していて、自分の説明に信憑性を持たせるために、「A母の父と兄」というキャラクターをでっち上げたのだと思います。

ならばAくんを虐待しているのも、娘さんに「お泊まり事件」の夜に怖い思いをさせたのも、暴行したのも……すべて、A父なのではないかと思えてきます。
精神的に不安定で、時に暴力的になる人なのかもしれません。それがそもそも離婚の原因で、母親が息子を大っぴらに会わせていない理由なのかも。

暴力をふるう父親を、Aくんがかばって娘さんもそれに協力している。
父親に隠れて会っていることが母親にバレたら、そして暴力を振るわれていることがバレたら、二度と父に会えなくなると思っているからです。
「お泊まり事件」の時にA母が言ったという「これからはずっとこの家にいなさい」という言葉も、Aくんがかつて母親に言われて怖かった言葉(父親に会いに行ったことを咎められた時の言葉なのでは?)を持ってきてふたりで練った嘘で、本当は別の理由から逃げ出したんじゃ?
「小学生といえど男女だから、間違いが起こらないように一緒に寝るね」と言ったのが「離婚している父親」だとしたら……これは偏見ですが、ちょっと怖いですよね。

A父の正体を掴むには――やはり「A」という名字(”特別変わった名前には思えないが、言われてみたら初めて聞く名字”)にヒントがある気がします。
私たちはこれを「娘さんたちのグループで『理想の王子様』を意味する、フィクションの人物などに由来する架空の名前」なのではないかと推理しました。
名字の世帯数や分布を検索するサイトを使って調べれば、少なくとも「A」が架空の名字か実在の名字かはハッキリします。
もちろん、実在の名字だとしても「知り合い・親戚の名字」「近所の表札から取った」「たまたまテレビなどで見かけた名前から取った」など、偽名の可能性は潰せません。ただ、けっこう長い期間にわたって、学校でも名乗っていたらしい様子から、何の思い入れもないランダムな偽名とも考えにくく、「父親と一緒に暮らしたいという気持ちを込めて名乗った、父親の名字」である可能性は低くないと考えています。

「全国的には珍しいが、神奈川には多い名字の一覧」なんてページもありました。

被害妄想、虚言癖、暴力――想像の通りならば、A父は一種のパーソナリティ障害だと思います。
これは推理と言うより妄想なのですが、小学生に向かって「金持ちで社会的地位の高い仕事だよ」と見栄を張る時に、単に「社長だよ」とかでなく「代々病院を経営している開業医なんだよ」と言っているあたりに、本人のコンプレックスが隠れているように思えます。
例えば、実家が金持ちで医家であること(父や祖父は医者でなくても、例えば曲直瀬家や桂川家のように代々、御典医の家柄だったとか)は事実で、親から「お前は医者になって我が家を復興するんだよ」みたいなことを子どもの頃から延々と言われ続けた挙句に、受験に失敗するなどして医者になれず「出来損ない」の烙印を押された……なんて過去があったりして。
「嫁の家族の卑しい連中が俺の家を乗っ取ろうとしてる」なんて込み入った話、さすがに小学生が一からでっち上げるのは無理でしょうから、父親が言ったことが反映されてるんだろうというのが読みなのですが、だとすると「家柄」への自負というかプライドがある人っぽいなと感じるんですよね。

ともかく、実際に暴力事件になってしまったのならば、親御さんだけの独力でなんとかしようとせず、一刻も早く探偵さんなどを雇って徹底的に「Aくんとその家」を探してほしいところです。。。

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