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【かすみを食べて生きる 24 一般病棟⑳>リハビリ病院1か月目①】ワレンベルグ症候群による嚥下障害のリハビリなどの記録

脳梗塞 発症22日目:一般病棟20日目>リハビリ病院1日目
・食事:飲み込みができないため絶飲食。食事は鼻からの経管栄養。
・状態:歩行訓練中。日中、車いす自立。夜間、車いす看護師付き添いでトイレ可。嚥下訓練では首を左に向ければごく少量の水を飲み込める(失敗もあるが、成功確率は上がってきた)。

いよいよ、リハビリ病院への転院当日。
予定では午前9時半に夫が来て、介護タクシーにて転院先のリハビリ病院へ行く。
荷物も準備万端。転院先に付き添ってくれる夫を待つ。
この日は長い長い一日だった。

これまでのお話はこちら『かすみを食べて生きる 序文と目次』
<発症21日目:一般病棟⑲
 
発症23日目:リハビリ病院1か月目②>


雨が降ったらお休みしたい

今日は朝から雨。
9時半に来るはずの夫から、遅れるとの連絡があったのは9時20分。
子どもが幼稚園の登園に、行き渋りを発動したらしい。
登園時の行き渋り、時間の決まった仕事がある日などは絶望しかない。
今日も介護タクシーを呼んでもらっているので、時間は決まっている。
久しぶりに胃が痛くなる感覚。夫、大丈夫だろうか。
9時45分頃、主治医の町田先生(仮)が来てくれた。
恐らく家族がいる状態で挨拶をするために来てくれたのだろうが、夫はまだいない。
10時、介護タクシーの運転手さんが病室まで来た。
先に乗っていましょうと看護師さんに言われる。
夫が持ってきてくれるはずの洋服に着替えて出る予定だったが、やむなくパジャマで車いすに乗った。
どたばたと夫が病室に駆け込んできた。
よかった、夫、なんとか生きてる。
持ってきてもらった上着だけ羽織って、そのまま夫と一緒に介護タクシーへ。
お世話になった看護師さんに挨拶をしたかったけど、恐らく30分近く待たされた介護タクシーの運転手さんは、なかなかのスピードで私の乗る車いすを押してナースステーションの前を駆け抜けた。
最後の最後でこんなにあわただしくて申し訳ない。
車いすに乗る私の膝には大きなカバンとウクレレ、乗り切らない荷物は夫に持ってもらって、私は急性期の病院からリハビリ病院へと出発した。

みんなで評価

リハビリ病院に着くと早速病室へ。
私のリハビリに関わる関係者一同が私のベッドの周りに集結。
たくさんの人たちとあわただしく挨拶をしたので、顔と名前が覚えられない。
そして主治医となったリハビリ医の四谷先生(仮)が、私の状態確認を始めた。
ベッド上で様々な手足やその他の動き、車いすの動き、どの程度歩けるか、みんなの前で確認。
大勢に囲まれていろいろやるのは、まあまあ恥ずかしい。
一通り終わると解散。
その後に看護師さんと車いすでトイレに行き、車いすからトイレの乗り移りがスムーズにできるか確認をした。
そうして私は一人で車いすで病棟内を動くことが許された、終日車いす自立の患者となった。

食べたいものは

たしか看護師さんの面談だったと思う。
「少し先になるかもしれませんが食べれるようになったら、食べたいものは何ですか」
マニュアルに沿った質問なのだとは思うけど、まだ食べれるようになるかわからない者にとって、なかなか酷な質問だった。
こちらはここ3週間食べ物の情報から全力で距離を置いてきた。
全く思い浮かばなかった。
正直食べれるならなんでもいい。
しかし経鼻栄養でかつての飢餓状態を回避できている私は、少し考える余裕はある。
何かを食べたいのではなく、おうちで家族とごはんを食べたい。
一緒に同じものを食べて「おいしいね」と言いたい。

早速リハビリ3本

昼は新しいお食事、クリミールCZ-Hi。
200mlを2本の400ml。
匂いを確認させてもらうと、これまでのアイソカルサポートよりは甘い香り。
昼食前、早速リハビリが3本の予定が届けられた。

 転院初日のリハビリフルコース

初日から容赦なし。
期待通りのリハビリ合宿の始まり。

まずは言語療法。言語聴覚士さんが来てくれた。
今日担当の方はお休みのため代打とのこと。
現状の確認と認知症のテスト。おなじみ長谷川式を受ける。

続いて作業療法。
こちらも今日の方は代打で担当の方はまた後日。
先ほどやったかもしれませんが、ともう一度長谷川式。
一日に二回やっても大丈夫かな。
一応自由回答的な問題では先ほど答えたものと違うものを答えておいた。

早速カーテン内隔離

ここで残念なお知らせ。
リハビリは前後に検温と血圧測定をする。
作業療法終わり、私の体温が37.5度。
新型コロナウイルス感染拡大防止のガイドラインにのっとり、アウト。
ベッド周りのカーテンをしっかり閉められ「カーテン内隔離」となる。
さっき…さっき病棟内、車いす自立になったのに、早速囚われの身。

隔離になったものの、予定通り理学療法のリハビリは行われた。
セラピストさんは防護服を着てのベッド上リハビリ。
今回私の担当となってくれた田中さん(仮)。
声の通る、元気のいい方。
「左半身のぶれも修正していけますよ!」
頼もしい!

カーテン内隔離

ーー振り返って

久しぶりに、子どもに振り回される日常を思い出し胃がキューっとなりました。
そしてあわただしく転院。
着いてからも怒涛のスケジュール。
落ち着く間もなくカーテン隔離。
ちょっと休みたいなと思っていたので熱が出たのでしょうか。
今日はひとまず隔離されて、明日朝PCR検査を受けることになりました。

急性期の病院でも発熱が37,5度を超える度、PCR検査を取られていました。
途中先生が「これは誤嚥性肺炎由来の発熱だから、もうPCR検査は必要なし」と言ってくれるまで、何度も。
そして転院前日にもPCR検査をしたというのに、また明日PCR検査。
いったい何と戦っているのか、わからなくなりました。

カーテン内隔離でも、リハビリはやってもらえたのはうれしかったです。

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