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DMM.make AKIBAで静電気対策をして感動した話

先日DMM.make AKIBAのStudioが8月末に終了する、という悲しいニュースが飛び込んできましたが、このニュースを知るちょっと前に「DMM.make AKIBA最高!!」と思うことがありましたので、「こんなに素晴らしい場所だったんだよ!」「もったいない!」ということを伝えるためにこの記事を書いていきます。

ある製品の試作をしていて、静電気によってマイコンのGPIOピンが損傷したらしいことがわかり、静電気対策を施そうと考えました。

DMM.make AKIBAのStudioにはLibraryスペースがあり、そこにはいろいろな部品のサンプル等が置かれています。

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その一角のTDKさんブースはサンプルを持ち帰ってもいい、とあって以前から気になっていました。

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静電気対策と言ってもどうしていいかわからなかった私は、「たしかTDKさんブースに静電気対策って書いてあった気がする!」と思い出し早速Libraryスペースへ。

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そこでチップバリスタという部品を知り、データシートを見ながらStudioにいらっしゃるDMM.make AKIBAのテックスタッフさんに相談しました。

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DMM.make AKIBAのStudioにはテックスタッフという方々が常駐しています。電気に詳しい方、製品設計に詳しい方、塗装や仕上げに詳しい方などいろいろなスキルを持ち合わせた方がたくさんいらっしゃって、いつでも相談できるという体制になっています。

相談すると、部品選定や回路を一緒に考えてくれ、試験方法も提案してくれました。
早速選定したチップバリスタを試作基板にCircuitルームではんだづけしました。

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顕微鏡やステーションはんだごてなど、チップ部品も楽々はんだづけできる設備が整っています!

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実装を終えると静電気試験機を予約して、各種試験機の揃うMeasurementルームに向かいます。

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静電気試験機は初めての利用だったのでテックスタッフさんに教わりながら試験機の使い方を学び、試験スタート。チップバリスタを実装した基板と実装していない基板とを用意し、その両方に同じだけ静電気を加えて、壊れるか壊れないか試験します。

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結果は見事にチップバリスタを加えた方は試験機で静電気を加えても壊れず、チップバリスタを実装していない基板はGPIOピンが壊れました。

静電気対策をしたい!と思ってからここまで4時間程度。部品を手に入れ、はんだづけし、静電気試験を終えるまでが4時間なんて、他の施設ではなかなか追いつけないスピードだと思います。これは感動です!!!(もちろん大企業の研究所などはこのような施設がそろっているでしょうが、これを個人レベルで使えるシェア工房は他に聞いたことがありません。)

TDKさんにあるTDK MAKER DOJOをDMM.makeの方にご紹介していただき、後日、選定や使用方法に問題がないか、オンラインミーティングでお聞きしました。選定や回路、試験方法も問題ないというお墨付きをいただきました。
量産時の試験方法例なども丁寧に教えてくださり、スタートアップ企業としては心強いことだらけです。TDK MAKER DOJOではスタートアップ企業の皆さんを応援しているそうなので、私のように静電気対策やTDKさん製品の使い方で困った方は相談してみるといいかもです!

テックスタッフさんに相談できるのも、DMM.make AKIBAというコミュニティにいろいろな方が集まっていて紹介していただけるのも、すぐに試作/試験できる施設があるのも本当に素晴らしいし、そこから色々吸収して自分のスキルがあがっているな、と思えるのが一番嬉しいです。
ググっても本を読んでもやっぱり得られない知識ってあって、秋葉原を歩き回ったりこういう施設に集まる人や機械から教えてもらうことがたくさんあると思っています。

DMM.make AKIBAはStudio部分は閉鎖されますが、Baseは残ります。Studioの一部機材はBaseに移設されるそうです。Studioが閉鎖されても「ここがあってよかった」と思える施設が続くといいな、と願うばかりです。

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