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【12】マツロユフミチ(服織法)89~96首

現代超訳(※直訳は超訳の後方にあります)

カタカムナでよみとく
6000年前の服識法(カムナガラのミチより)


日本の古代文献には、服織法のウタがのこっているので、それをカ
タカムナウタヒの解読法で解読してみると、衣類もすべて自然の循
環をさまたげることがなく、植物から作られて現在地表に生息して
いる木や草の加工によって布をつくり、それをぬい合わせて衣類を
つくる方法が示されている。


形や縫い方の説明によると、冠着、袖のある着物、袴、下着(直接
肌につけるもの)等の、それぞれの作り方としてその為の布のつく
り方の技法や縫い方が詳しく詳細にえがかれていることから、着物
の姿はおそらく古事記や日本書紀の神々としてえがかれているよう
な風貌であったと思われる。植物の性質を生かしきった、夏涼冬暖
の複雑で美しい衣類を、用いていたにちがいない。


従って、教科書で習った毛皮を着用し、石斧をもって獣を食し、木
の実を採取して原始的な生活を送っていたと教えられていた
、12000年前のイメージは、大きく変換をせまられる事になる。
毛皮のことも絹のことも、マツロユフミチには全く出てこない。


日本につたえられてきた、むかしむかしあるところにではじまる、
昔話の多くの中にあるように毛皮を着たよくばりじいさんは、生命
を粗末にした咎で、またあたたかいものを着ているという、自信か
ら働かないで快楽ばかりを求めていた結果として、寒さに負けて死
に至る。また、働き者で軽やかに、はたおりをして作った衣類を着
た、万物を愛するやさしいおじいさんが、そんな、厳寒の冬の中で
も木こりをして、木を間引きし、木の皮や草で作った美的に美しい
衣類を着て働く運動によって、体をもやし、末端毛細血管の中まで
活発化させ、長寿で幸せな暮らしをしていたことの伝承がこのむか
しのウタヒの文献をよみとくことで、なるほどなるほどとうなづけ
る。


つまり昔の伝統である、ものづくり、自分が使用する以上にものを
生産する。その循環の中に生きがいを見出し、自然の摂理と共に生
きていく。欲望ばかりにまみれた現代社会に於て成人病とよばれる
過食が生命をむしばみ、素食と運動による生活、豊かな暮らしが出来ていたことがこの時代からさとされていた事になる。


今になって人間が気づきはじめている様に、毛皮より暖かく、無機物から生命を生産出来る植物というものを十分に活用しきって正しい循環社会を形成していたと思われる。


その植物というものは天然自然から作られた植物の内部から送られ
てくる養分液は外に滲出出来るが、外部から管内に浸水することは
出来ないという天然の仕組みの性質、草綾理すなわち膜性繊維は人
間の生活の衣類として非常に自然の飽和還元の循環システムの中で
理想的なものであると述べられている。


材料として具体的に書きのこされているものは、桧の形成層皮、長
身に直線上に育てた麻の茎身を用いた麻糸、ハダケワタの花からつ
くる綿から布をつくる方法、綿布をよりやわらかに着ごこちよくす
る方法の詳細等も、ことこまかに記載されている。
桧の筋繊維のとり方、麻の繊維とりに流水を使用する。麻は逆さ吊
りをして乾燥させないと切れやすくなる。保存の時の荷重のかけ方
、柔軟性の出し方、梶木打ちして張りを出す方法、木渋(タンニン
)の塗り方、綿については肌に直接着るものに使うので、手ざわり
よく、やわらかくする技術等が説明されている。


そして衣類の着用の形としては、冠着、袖付の上着物、袴、汚れよ
け、直肌着等のことについて書かれている。
また一つ一つの技法の説明と共に、マツロユフミチ(服飾の編み織
る技法の道)はカヤアカメ、草葉の仕綾理(仕組み)をよく理解し
たうえでそれを逸脱しないようにと、くりかえし、くりかえし自然
の循環と合わせるように説得している。


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第89首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【ヒノキアマカワ】     

桧の  形成層皮を
ヒノキ アマカワ

【ツラネハギ】       

長く連続させて 剥ぎ取り
  ツラネ   ハギ

【ウツチヤニカキ】     

内部に含まれた やにを
 ウツチ    ヤニ

掻き落として
カキ

【マスジクリ】       

まっすぐな筋線維を
マスジ 

繰り返し集める
クリ 


【マツロユフミチ】     

服飾の 編み織る 技法の道である
マツロ ユフ      ミチ

【カヤアヤメ】       

これは草葉の 仕組み(草綾理)である
    カヤ     アヤメ


第90首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【アシアサクキミ】     

葦のように丈が高く 直線に伸びた
アシ

麻の茎身を
 クキミ

【ヤリサラシ】       

流水にて洗い 繊維をとる処理法
サラシ    ヤリ

【タグリヨリカケ】     

手もみしながら 縒(よ)りをかけ
タグリ     ヨリカケ

【ナガタラシ】       

長く  逆さ吊りして
ナガ  タラシ

【マツロユフミチ】     

服飾の 編み織る 技法の道である
マツロ ユフ       ミチ

【カヤアヤメ】       

これは草葉の 仕組み(草綾理)である
   カヤ      アヤメ


第91首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【ヤソスジタラシ】     

いろいろ長さの異なる麻の繊維の
          ヤソスジ
            

逆さ吊りにして乾燥させたものを
       タラシ

【ネリツムギ】       

ひねりながら 糸に結び紡ぐ
 ネリ      ツムギ

【チクラオシオキ】     

貯蔵の蔵にて 荷重を加え置いておくと
チクラ     オシオキ

【ニギナメシ】       

和  滑 が出来る
ニギ ナメシ

※和滑……繊維に柔軟性を出させるために現在も行われている

【マツロユフミチ】     

服飾の 編み織る 技法の道である
マツロ ユフ      ミチ

【カヤアヤメ】       

これは草葉の 仕組み(草綾理)である
   カヤ     アヤメ


第92首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【ツムギイトスジ】     

このようにして紡いだ 麻糸 は
      ツムギ イト スジ

【キサミユヒ】       

縦横を段々に 編み織りして
キサミ     ユヒ

【アサコユフハリ】     

麻  子 由布 張をつくり
アサ コ ユフ ハリ

【カジキウチ】       

それに梶木打ちをする
  カジキウチ
※梶木打ち=細い平板にて表面を打つこと

【マツロユフミチ】     

服飾の 編み織る 技法の道である
マツロ ユフ      ミチ

【カヤアヤメ】       

これは草葉の 仕組み(草綾理)である
   カヤ     アヤメ               


第93首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【ククハナハタケ】     

白い色の ハダケワタの花を
クク   ハタケ   ハナ

【ワタツムギ】       

綿を 紡いで
ワタ ツムギ

【ヒナタカゲホシ】     

日向干しと 陰干しを行って
ヒナタ   カゲホシ

【カタミユヒ】       

固めに 編み織りする
カタミ  ユヒ

(綿布の予備的防縮工程として今も使われている。)

【マツロユフミチ】     

服飾の 編み織る 技法の道である
マツロ ユフ      ミチ

【カヤアヤメ】       

これは草葉の 仕組み(草綾理)である
   カヤ     アヤメ


第94首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【カタミフトユヒ】     

固味に織った 綿布を
カタミ    フトユヒ

【モモテウチ】       

たくさんの手打ちすると
モモ  テウチ

【ヤワシシラタヘ】     

やわらかく 手触りが良くなり
ヤワシ    シラタヘ

【シタミケシ】       

下着用(下身)の 衣類にする
シタミ      ケシ

【マツロユフミチ】     

服飾の 編み織る 技法の道である
マツロ ユフ      ミチ

【カヤアヤメ】       

これは草葉の 仕組み(草綾理)である
   カヤ     アヤメ


第95首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【コユフアサユフ】     

木の皮のマスジを織った布地や
コユフ

麻を織った布に
アサユフ

【キシブヌリ】       

木渋(タンニン液)を 塗り
キシブ        ヌリ

【ササラヤソウチ】     

竹を細割りした道具で 幾度も殴打すると
ササラ        ヤソウチ

【コワリハリ】       

簇張(今のシンシ張りのようなもの)になる
コワリハリ

【マツロユフミチ】     

服飾の 編み織る 技法の道である
マツロ ユフ      ミチ

【カヤアヤメ】       

これは草葉の 仕組み(草綾理)である
  カヤ       アヤメ


第96首

【カムナガラ】       

目には見えない直観の物理であるが
      コトワリ

【カムリキソデキ】     

冠着や  袖のある着物(上着)
カムリキ  ソデキ

【ウデナヌヒ】       

型台に密着させて   縫い
ウデナ(型台の古語) ヌヒ

【ハカマタレコミ】     

袴   汚れよけ下がり着
ハカマ   タレコミ

【ツヅリヌヒ】       

綴り縫い
ツヅリヌヒ

※綴り縫い……裏表2枚の布を重ねて刺し縫いする技法

【マツロユフミチ】     

服飾の 編み織る 技法の道である
マツロ ユフ      ミチ

【カヤアヤメ】       

これは草葉の 仕組み(草綾理)である
   カヤ     アヤメ



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