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恋愛サーキュレーション百景

SoundCloudでfuturefunkを漁っていて思った。「恋愛サーキュレーションのリミックス多くない?」

「恋愛サーキュレーション」はアニメ『化物語』のOPで使用された曲だ。花澤香菜のラップとパステル調の映像で可愛さが異常なまでに研ぎ澄まされている。

futurefunkのカワイイタイプの曲で「恋愛サーキュレーション」を素材に作られる曲をよく聴く。曲名からリミックスとわかるものから、曲の端々でフレーズを入れているものまで形は様々だ。

今日はそんな「恋愛サーキュレーション」の変貌ぶりを見ていこう。futurefunk関連からインターネットの怪作まで、好きなサーキュレーションを選ぶといい。

最近はVtuberのEMA HAZYの曲を手掛けたミカヅキBIGWAVEのリミックスだ。どこか80年代の雰囲気を感じさせつつ洗練された印象を与える。


ロシアのトラックメイカーのgreylは、久保田利伸の「北風と太陽」に「恋愛サーキュレーション」をリミックスしている。これでバランスが取れてるのが分かるようで分からない。


石田ひかりの「一枚の写真」とのリミックス。ノスタルジー度が高く、素材がどちらも恋愛を歌っているのでシナジーが生まれている。
曲名と全体的な雰囲気がvaporwaveだ。


futurefunkの大家、VANTAGE//のリミックス。テンポを早めただけの「恋愛サーキュレーション」のリミックスが多い中、かなり技巧が凝らされている。コレがアルバムに入ってたら両手をあげて喜ぶ。


インドネシアのトラックメイカー、heiakimとVtuber、Maya Putriのコラボで生まれた一曲だ。インドネシアにもVtuberがいることを知り驚いた。全体的にfuturebassの雰囲気がある。


かなりlofi色の強いリミックスだ。ダウナーな感じでほとんど別曲になっている。


ビートとテンポの良さが聴いてて心地よい。futurefunkとしての完成度がとても高い傑作。


インターネットには吉幾三だったりエミネムだったりのラップと別曲を貼り合わせて作ったマッシュアップが散在する。だからラップ要素を満たす「恋愛サーキュレーション」も加工しやすいのだろう。曲のキャッチーさからこの曲のマッシュアップも多い。

千石撫子byニッキーミナージュだ。恋愛サーキュレーションにニッキーの声が噛み合ってるのが不思議。曲がヤクの売人との恋愛を歌ってるので恋愛という意味では合ってる。


千石撫子byチャイルディッシュ・ガンビーノ。元ネタの「This Is America」はアメリカ社会を強烈に風刺したヤバイ曲だ。こうしてインターネットミームとして消化されてるのがまた何重にも風刺が効いてて良い。


『Undertale』のめちゃくちゃカッコイイ曲「Megalovania」とのマッシュアップだ。曲があまりに良すぎて歌詞とのちぐはぐ感が否めないが、この手のマッシュアップは一つあって損はないだろう。


キリストの教えをラップにした「Rappin' for Jesus」が元ネタ。キリスト真実が恋愛サーキュレーションに乗って耳に入ってくるのが何とも言えない。実際本家でも花澤香菜が「神様ありがとう〜♪」と歌ってるのでテーマはズレてない。
元ネタのおじいとおばあがリリックを奏でる姿も必見。
トップをねらえ!も混ざったごった煮のようなマッシュアップ。違和感なく花澤香菜の声が混ざっており曲の強さを感じる。


千石撫子byスヌープドッグだ。曲の大半がsmoke weed everydayしか言ってない。こう言った一発ネタも恋愛サーキュレーションマッシュアップの醍醐味だ。


不明瞭な音でモ-ル...モ-ル...と連呼して30秒終わる。この作者は大丈夫なのか。家族としっかり会話をしてるのだろうか。

気に入った「恋愛サーキュレーション」はあっただろうか。
プロの仕事は一聴して分かるので、「恋愛サーキュレーション」が一つの腕の良さの判断基準になるのが面白い。
こうして見ていくと、「恋愛サーキュレーション」に合わせて特定のアーティストの声を入れたい一定の需要がありそうだ。とりあえずラップならマッシュアップ可能なので、思い立って作るやつが多そう。ここで紹介したのは氷山の一角に過ぎないのでまだまだ怪作、傑作があるのだろう。あとSoundCloudを放浪した感想として、futurefunk界隈というより、遍く人々がこの曲をいじくるのが好きなんだと分かった。曲の魅力が実際無ければこんなことにはなってないので、これからもSoundCloudには多種多様な「恋愛サーキュレーション」が増殖しつづけていくはずだ。
現場からは以上だ。
(おしまい)




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