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参加者によって育てられる場をつくるために必要なことは?

前回のネタでは、「参加者やメンバーの意識が場を育てる」と題して、参加者側の個人が意識したいこと、それによる効果みたいなことについて考えてみた。その際、参加者側にフォーカスするため横に置いておいたので、今回の記事では、場を準備する側のことについて触れてみたい。

いま僕が持っている結論としては、目的とコンセプトを明確にすること、キャスティングにこだわること、この2点をしっかりおさえておくことで、参加者やメンバーによって育つ場が生まれやすくなると考えている。

その理由やメカニズムみたいなことについて、事例を交えながら整理する。

まずは、マルシェ(市)を運営する際の鉄則みたいなことについて。これはたしか、10年くらい前から実施していた(通称)学生版ブートキャンプのレクチャーの際に、AIAの村瀬正尊さんや都市計画家の加藤寛之さんから教わったこと。
マーケットを開催する際は、とにかく目的やコンセプトを明確にすること。そして、それに合う出店者に参加してもらうこと。初期段階だととくに、出店者数を気にしがちだけど、数よりも質。そこを徹底することで、個々の出店者が持つ独自のネットワークに情報がのっかり、そこから新たな出店者が集まるという好循環が生まれやすいとのこと。逆にそこをおろそかにすると、出店者の満足度も下がるし、マイナスの情報が出回ることにもなりかねない。
そして、お客さんにとっても、コンセプトが明確で、それにピッタリなお店ばかりが集まっている方が、当然満足度はあがるし、コアなファンが集まりやすくなる。そして、そのコアなファンによる発信力が次回以降の集客に大きな影響を及ぼすことになる。(この辺のことについては「ファンベース」という本も是非読んでみてください)

次に、リノベーションまちづくりの現場での経験から言えること。
目的とコンセプトを明確にし、それに伴うストーリーを描いておくこと、それに共感してくれる相手を慎重に見極めることが重要。
立ち上げ当初から取締役をつとめている(株)北九州家守舎が手がける事業の多くは転貸事業。集合店舗やシェアオフィスなど、1対1というより1対複数のやりとりが求められ、そうして集まった複数によって1つの場が形成されているという感じのケースが多い。 
ここでは、逆算開発が基本となっているので、目的や場のコンセプトを明確にし、それをもとにして入居者を集めることを出発点にしている。で、それに共感してくれる相手を慎重に見極める感じ。超初期段階だと、入居を決めてくれた方がハブとなって他の候補者を集めてくれることもあったりする。
で、逆算開発の部分に触れると話がそれてしまうので、それはまたの機会にするとして、そうして場ができあがって利用をはじめる段階では、その出店者さんたちで自主運営組織をつくってもらい、場を運営してもらうようにしている。
そうやってコンセプトを体現したような場をつくることができれば、あとはちゃんと人がついてくる感じなのかな。そして、その場から卒業するお店があっても、次の入居者を連れてきてくれたり、そもそもウェイティングの状態も生まれていたりしていた。
という具合。

これらのことは、僕が仕事をしている地域創生学群にも当然あてはまることだ。どの部分かは想像にお任せしたい。
あと、毎週社会勉強をさせてもらっている遠矢さんのcafe causaも場づくりという意味では、冒頭に示した2点があてはまっていると思う。

ということで、目的とコンセプトを明確にすること、キャスティングにこだわること、という2点の重要性が分かってもらえたかなって思う。
どちらもプロセスの面では、準備段階の話なんだけど、そこをなあなあで進めるんじゃなく、しっかりとやっておく。それが、自ら育っていく場の土壌づくりの肝となる。そういうことなんだろうな。

つまり、何事も最初が肝心。


ということで、今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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