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素直さはどこまで許容されるか?

とある演習中のディスカッションにて、とある学生からメンバーに投げかけられた質問が今回のタイトル。
その質問の背景や意図について詳しく聞かなかったから、実際のところは分からないけど、おそらくこういうことだと思う。
他者とのコミュニケーションにおいて、思ったことをハッキリいい過ぎることにより、周囲から激しくダメ出しをされた経験とか、逆に相手から中には理不尽にも思えるようなことも含め、常にハッキリ言われ続けて傷ついた経験があるとか、そういう背景から、他者とのコミュニケーションの場面において素直さがどこまで許容されるのか、メンバーそれぞれの考えを聞きたかったのだろう。
なので、他者とのコミュニケーションにおいて、常に自分が思ったことをハッキリ言うことが素直さ100%で、常に相手に合わせて忖度して返すことが素直さ0%だとすると、みなさんはどれくらいの比率だと思う?どれくらいまでなら許される?っていう感じのお題だった。

なるほど。確かにそうだよな〜って思った節がある。というのも、素直に言ってといわれて素直に言ったら怒られたとか、そういうことってあるよね。特に若い時なんかは。で、どっちやねん?って内心思ったり。
要するに、素直にといいつつ、実際は多少の空気を読むことが求められていたりする。そうなると、素直って何なの?って感じになるかもしれない。
僕の想像だと、そういった葛藤から湧き出てきた問いなんだろうなって思った。そして、その問いに対する他のメンバーからの意見を聴きながら、なるほどね〜って思った次第。

さいごは僕にも意見を求められたので、まず確認したことがある。
それは、インプット(話を聴く)の場面なのか、アウトプット(話をする)の場面なのか。その学生の意図はおそらく後者だろうなって思いつつ、僕自身が素直という言葉を用いる機会は圧倒的に前者の場面が多いから。
なので、一応確認した。
すると、やはり後者にあたる自分が発言する場面とのことだった。

そこで、正解のない前提で、僕の意見というかスタンスについて伝えた。
まず、押さえておきたいのがこの部分。
他者とのコミュニケーションをとる際の前提として、自分自身が相手の話をちゃんと聴こうとしているかってこと。その前提がない状態であれば、ここでいう素直さ多めの発言はまずいと思っている。相手からすれば、身勝手なことを言いたい放題言っているような感じで心中穏やかではないだろう。だから、空気を読むっていうことじゃなく、相手を慮ることが大切で、その姿勢がちゃんと相手に伝わるようなアクション(言動、仕草、姿勢、表情、態度etc)が求められるんだと思う。言い方変えると、相手を尊重するとか、リスペクトするとか、そういうニュアンスもあてはまるかな。
加えて、もし相手も同じように、話を受け入れる気がないっていうタイプだとしたらどうだろう。おそらく、その両者によるコミュニケーションからは衝突しか生まれないと思う。それは、お互いに相手の話を受け入れる気持ちがない状態で自己主張の応酬を繰り広げる状態なので。

ちなみに、僕自身は、他者とのコミュニケーションの際、どちらかというと話を聴く側にまわることの方が多い。だから、自分の意見をバンバン言うというより、話を聴いてなるほどって思うことの方が多いし、そう伝えるようにしている。ただし、色々聴いたうえで「アレっ?」って思ったら、そのことはできるだけ投げかけるようにしている。

そしてもうひとつ。
さきほどの前提ができていたとして、そのうえで素直さをどこまで出すのかっていう話について。
これも正解のない話っていう予防線を張らせてもらったうえでまとめると、相手によるんじゃないかと思う。
上述した文脈でいうと、僕の場合は、聴く姿勢のない相手に対して、素直に伝えることは基本しない。それによって衝突するのはバカバカしいし、そんな相手に言っても伝わらないだろうから。もしくは、聴く姿勢のあるなしに関わらず、何度話しても伝わらないというか噛み合わないというか、そういう場合には諦めて話さないようにすることが多いかな。
ただ、学生たちに対してっていう部分では、相手の反応に対して色々な感情を抱えつつも、粘り強く大切だと思うことは伝え続けるようにしている。

さいごに、付け加えたのがインプットの部分における素直さについて。
これについては、基本的には周囲からのアドバイスやフィードバックは受け入れるようにした方がいい。そして、試してみたりしたうえで、自分に合っているかどうかとか考え、そのうえで最終的に取り入れるのか、アレンジするのか、自分には合わないから取り入れないとか決めるようにすればいい。
それをせずに、食わず嫌い的に、常に入口部分ではじくようなことばかりしていると、自己成長や価値観を拡げる機会など、今後に繋がるせっかくのチャンスを自ら捨てることになるので。
ただ、アウトプットのときと同様、誰から言われるのかってのも大事だったりする。人間なので、あんたから言われたくないっていう相手からだと、どうしても素直に受け入れにくい部分があるのは事実。それは仕方のないことだと、割り切るしかないかな、とも思う。
とはいえ、さきほど触れた、相手を尊重するとかリスペクトするっていう文脈からすると、それもどうなのかな?とも思う。

最後の部分ほか一部は加筆した内容だけど、こんな感じのことを伝えた。あくまでも1つの考え方として。

という文章を書いていたら、ふと気づいた。

結局、インプットの場合もアウトプットの場合も同じ構造だってこと。
ふつうに考えると、コミュニケーションなので、相手がいてはじめて成立するわけ。となると、まずは相手の存在を認めることが必要。そうしないと、コミュニケーションとは言えないから。
じゃあ、その際のポイントは何?ってことを色々考えてみたのが、今回の記事ってことかな。

いい問いかけをありがとう!

ということで、今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!



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