9月7日、新月の日の出来事。

その日は夫も私も休みだったのだが、私は最寄り駅周辺で用事があって午前中は外出。

その時に、とある男女を見掛け、女性の方が男性に、

「頑張ってね」

と言って別れ、男性はある建物の2階へ上がっていった。

そこは入り口がとても小さく、知る人ぞ知る、という感じのギターリペア店。

実はこの店がずっと気になっていて、たまたまその時お店の人らしき人物を見掛けたわけだ。

私も歩きながらだったので、見掛けたのはほんの数秒のことで、

(あぁ、あの人もしかしてお店の人なのかなー)

と一瞬心に留めて、帰宅。

午後はなんだかんだと家のことをしたりしているうちに夕方になり、午前中に見掛けた人のことも記憶の隅に追いやられた頃、突然夫が、思い出したようにこう言った。

「ギター出してこようかな」

私は、

「あぁ、あの店？」

と聞く。

そして記憶が目を覚ましてきて、

「今日多分お店開いてるよ」

と夫に教えた。

前に夫が、お店が不定休でなかなか行けるタイミングがないと嘆いていたことがあったのだが、私はその日、この目でお店が開いていたことを確認してきている。

すぐに準備をして夫は出掛けて行った。

そして、無事にリペアする予定だったギターを預けることができた夫。

私は午前中にあったことを、帰宅した夫に話した。

もし午前中私が出掛けず家にいたら、ギターリペア店が開いていたかどうかはインターネットを見なければわからなかった。

何日も何ヶ月も、リペアに出そう出そうと思いながらもそのままだったギターが、どういう巡り合わせかその日無事に預けることができた。

新月だからどう、というわけではないが、夫の中でもピンとくるものがあったのだろうと思う。

まさに点と点が繋がった出来事だった。

ギターが戻ってくるのは1ヶ月後だが、きっと戻ってきたら、夫も音楽に向かう時間が少し増えるだろう。

本職は違えど、私は音楽に向き合っている夫が好きなのだ。