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『立体と面の狭間』


7センチ以上のヒールを履いていた

私が右肩を叩いたハイヒールの立体は
私を置いてスタスタと学校の自動ドアに向かっていった

金魚鉢の中の制服に
錆びれたプライドに
落胆と逃避行のモラトリアムが私で

積み木が崩れたあの時から、私の延命治療をしてくれるのは「面の世界」だけ
と思っていたけれど、なんだか最近はちょっと変だ

握り返した手を押しやっても
手がそこにある。扉が開けてあるような


ヒールを脱ぎ捨てて、厚底サンダルに履きかえる。
裸足はまだ痛いんだ
背伸びもするし


「たとえどんなときでも、心がほっこりしてくれたらいいなぁ」

雪見だいふくの裏の文字みたい


2023 6.24

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