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【続報】詐欺行為?農産物支援プロジェクトの背景とは

前回の記事で、最近巷にはびこりつつある「困っている農家を助けよう!」プロジェクトについての見解を書いた。

まさかその2日後、私自身のところにとある方から『○○を生産しているCさんという人が、突然出荷先からキャンセルをくらって困っている。何とかしてやれないか』という電話を受けることになるとは全く思わなかったが、、、

で、どういう経緯で「出荷キャンセル」みたいなことが起きるのか聞いてみたいと思い、電話をくれた人に、紹介してもらうことにした。

ちなみに流れとしては、以下のとおりであった。

①生産者Cさんが、K県K市の業者に委託で○○の生産を依頼(量で言うと2トンほど)
つまり、もともとCさんは生産者ではなかった。ただ、Cさんは別産地で○○の委託生産と販売実績がある。
②販売先としてV社?を想定、V社責任者?が「買い取るよ」と口約束
③ところが、このV社?の人が突然連絡が取れなくなり(海外へ行ってしまったそうだ)、2トンの○○が行き先を失う
④困ったCさんはつながりのあったN社(最近話題の企業)のY(結構とある界隈では有名人)さんへ、相談
⑤Yさんは、顔の広いP社(誰もが知る企業)のK顧問へ相談
⑥K顧問から私に相談

ということである。

で、昨夜実際Cさんから見積もり等の情報をもらったのだが、正直流通業界のことわかってないな、、、という条件であった。
具体的には、
・出荷時期指定かつ一括販売契約のみ(金額で500万円相当)
・高い

・商品提案シートでの特長等の記述が雑(こちらが欲している情報が少なく、生産者の独りよがりの特徴のみしか書いていない。具体的にいうと、栄養価ばっかりの記述で、美味しいのかどうかが分からない)
・委託生産者の情報がない ※この情報ないと、大手流通業とか絶対無理

などなど、、、極めつけは、見積もりがエクセルできたのだが、他のシートに他の会社名が入った見積もりなどが、、、

つまり、あまりにもビジネスとして杜撰すぎるということだ。しかし、相談を受けたY氏もK顧問も、世の中一般的には有名人ではあるが、食品業界の事について知識は皆無。そのため、安易にいろいろな人(私を含む)に声かけまくって、何とかしてやろうとしている状態だった。

本当に食品流通業界にいる人だったら、先ずこんなことは起きない、起こさせない。

先ず、②の口約束がおかしい。販売契約を締結する必要があるのに。

販売実績がほとんど無いもの、かつ競合他社との価格比較も厳しい中で一括販売契約しかないというのもあり得ない。

商品提案をしっかりできていない(なので、普通の流通業者から相手にされない


という顛末である。

以上の経験から、前回書いた「農産物支援ビジネス」の背景が少し見えてきた。

・生産者やもしくは委託者が、あまりにビジネスモデルが稚拙なのに過剰な商品生産をやってしまった。
・しかし、出来上がった商品の品質は悪く、想定していたところに出荷できなくなった(キャンセル、と生産側は主張するが、おそらく買い取る側の流通業者からしてみれば、想定していた品質とは程遠いから拒否したのだろう)。この辺、生産者側の一方的な主張ではなく、契約側であった書いての方にもしっかりヒアリングする必要があるが、おそらく当たっていると思う。
出荷先がなくなったため、色々相談。本来なら、この時点で然るべき流通業者と相談して、損を最小限にする(加工業者行、市場行、いろいろ手はある)ことを考えるのが筋だが、なぜか「流通に全く詳しくない(但し有名人なので顔は広い)」人に相談する(但し悪意はない)

→結果、(情報弱者に対してなんらか売りつけて利ザヤを得ようとする)悪いインフルエンサーや、食品流通業の事をわかっていない善意の人(悪いインフルエンサーよりある意味たちが悪い)が、購入拡散を支援する、という流れが生じているのだと推測する。

一度この流れができると、噂でY氏やK顧問のところに益々相談がいき、販売に協力する悪いインフルエンサーや善意の人のところに依頼は殺到するだろう。拡散を支援する人の大半は、いわゆる反マスクとか自然派とかが多いと思います。なぜなら普段から彼ら彼女らはそういうお気持ちビジネスしているので。

ただ、本来悪いのは生産者側だ。その契約の甘さ、見込みの甘さが大きな損失を生んでいるのに、何とかしようと安易な方向に走ってしまっている。プロの生産者ならこういうことはせず、よっぽどのことがない限り、その時は損をしてでも次の生産・品質向上のための糧としたりする。簡単にいえば生産者側がアマチュアレベルだったといえる。



一方で、この流れをハナから(生産段階から)仕掛けて、B品C品を情報弱者に売りつけるという極めて悪質なものもあるとは思う。夏に話題となったマンゴーと今回のイチゴはそういう感じがする。この辺りも、今後アンテナを張ってしっかりと追及できるようにしたい。



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