2010年6月 中島哲也「告白」

2010年6月に観た中島哲也監督作品「告白」の感想日記です。

当時の投稿にもありますが、私は中島監督との相性があまりよくなくて。
「告白」以前の何作か観てますが(世間の評判とは裏腹に)あんまり面白いと思えなくて(;'∀')
でも、この作品にはやられました。
なんでだろうねぇ。
「みんな私」と思ってしまったのと、それをわかりやすく演出してくれた中島監督の手腕みたいなのにやられたのかな。
さっぱりわかりません。

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告白



中島哲也監督作品は苦手。
ポップでキッチュな映像は楽しいけれど
最後にベタなストーリー展開になるのは性に合わない。
特に原作ラブだった「下妻物語」なんて
世間では絶賛だったけど私はとにかくブーイング。
原作との質の差にガッカリしたものだ。


今回は「告白」という小説の映画化。
私は未読だったけれど娘が読んでいたので話を聞くと
わりと真面目かつヘビーな内容とか。
そんなものを中島監督が!?とちょっと不思議な気分にもなった。
想像つかないなー、と特に期待もせずに観に行った。

結果、好相性だと思った。
ストーリーはかなり淡々と進んでいく。
こういう場合、映像もそれになぞらえるのが普通だったりするが
そこはもう中島映像中島演出全開。
ストーリーにさらなるドラマが生まれた感じがする。
(でも色はダークだった)。

何を言っても何をしても、その裏側にある暗く哀しい影。
人間が元々持っているもの。
いいとか悪いとかじゃなくて仕方のないもの。
例え許されないとしても例え理解されないとしても。
あれもこれもカタチを変えた「私だ」と思ってしまって苦しかった。

それに加えて主題歌がRADIOHEADなのだ。
そういうシーンに限ってかかりやがる。
涙2倍増しだ。
中島め、ベタなことしやがってってなもんだ。

多分、普通に演出されてたらこんなにならなかったと思うので
今回私は完全に中島監督にしてやられてしまったのだ。
ざまあみろ、と言われた感じ。
はい、やっぱり私もベタベタ人間でした。


サントラは絶対に買い。

涙2倍増しと書いたが
内容がひどいイジメだったり最愛の娘を奪われた母だったりと
そういうところで私が泣いているのかと思われるかもしれないが、違う。
登場人物全てに感情移入してしまったのだ。
メインキャラはもちろんアホアホ単純教師やその他大勢の子供たちにまで
感情移入してしまって、もう何がなんだかわからんかった。

とエラソーに冷静に感想を述べてみましたが
実は、始まって30分くらいからラストちょっと前まで号泣しっぱなしで感想云々とかいう話じゃなかった。
息が苦しくなって途中から観たくなくなってきた。
なにかあるたびに泣く泣く泣く。

おきまりのベタな展開も内容のダークさのおかげでちょっと薄まったような。
そういう点で私は今までの中島作品の中で一番面白いと思った。

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