国産の靴下の技術継承は失敗に終わってしまった(現役靴下職人の感想)

私は靴下の製造の仕事をしています。靴下の製造というと知らない人からはイメージが湧かないと思いますが職人仕事の世界なのです。この難しさはどう伝えても伝え切れるとは思いませんが伸び縮みするため規格化しにくいのが原因かもしれないと思っています。

さて、少し前から職人の後継者不足が騒がれ始めましたよね。靴下業界はちょうど15年くらい前だったと思うのですが、それから今の今まで特に靴下業界は目立った改善はなく、すでに終わりを迎えました。熟練の職人達のほとんどはすでに引退しはじめ今からその技術を継承することは曖昧な言葉でごまかしたくないのではっきり言いますが不可能です。

これから国内の靴下職人は新しい技術を身につけるか尻すぼみに衰退していくかまぁどちらかしかなくなりました。

15年前はまだ手を打てたんですよ。でもその時職人の募集は少なかったしあっても酷い労働待遇でした。これに関しては最近少し変わってきましたがすでに触れましたがもはや終わってしまったので今更。。。という感じです。

最も高級靴下を作ってる私ですら別に高級靴下がなくなったところで人生にさほど影響があるとは思えません。なのできっと何も変わらずこのまま消えていくのでしょう。

今の私はむしろ衰退産業を見届けるのを楽しもうという心境になっています。最後の最後まであがいてみようと思っていますが、本当に衰退産業って個人の頑張りなんてどうしようもないくらい厳しいですから。



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