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私の神様の髪はピンク色

小さい頃から音楽に囲まれて育った私。初めてのライブはまだ胎児だった頃に行った Judas Priest の日本公演。家ではレコードプレイヤーから流れるママの大好きなメタルに、コンポからパパのお気に入りの沖縄民謡が聴こえる。ジャンルに囚われることなく、とにかく色んな音楽を聴いて成長していました。音楽好きの家族であったものの、ピアノの習い事を受けることを断固拒否した私は楽譜を読むことはおろか挑戦した楽器という楽器を演奏できない子になっていきました。

宝探しで見つけた衝撃的なCD

思春期特有の多感で敏感な頃、自分ので煮え繰り返った感情やモヤモヤの唯一の吐口は絵を描くことと音楽を聴くこと。お小遣いを貯めてはレンタルショップでCDを借りて小学校の頃から使っていたミニコンポ(当時はMDが主流になりつつあったけれど、MDプレイヤーはおろかコンポを買うお金などなかった)でカセットに音源を落とす。なかなか手に入らなかったり手が届かない海外バンドの音源はアメリカに住む従姉妹のお姉ちゃんにCDに焼いてもらっていました。凄く気に入ったアーティストやバンドのCDはリサイクルショップや中古CDショップの棚を漁って探す。

hide 「Ja, Zoo」
1998年11月21日リリース

そんな宝探しをしていた日のこと。偶然立ち寄った中古店ではたまた偶然に目に入ったのが hide の「Ja, Zoo」だったのです。その頃の私は X JAPAN の存在も、hideの存在も知っていましたが、音楽に深く触れたことはありませんでした。hideがこの世界からいなかった時、私はまだ7歳。その頃にテレビで放送されていた「ピンクスパイダー」のMVを観て「うわー!かっこいい!」とその頃思ったけれどそこで止まっていたままでした。

普段は既に好きなアーティストのCDしか買わなかった私。それなのに何故か「Ja, Zoo」をとりあえず聴いてみたくなっていました。CDを購入し、自宅に帰ってコンポの入れる。安いスピーカーから流れる音に私は電気ショックをされたかのような感覚を覚えました。
「なんなんだこれは!」
今まで聴いてきた音楽とはまったく違うサウンド。リリースされてから年月が経っているのに時代を感じさせない革新的過ぎる楽曲。hide のトリッキーとも言える特徴的なボーカル。繊細な言葉が繋ぎ合わせれた、時にはその場を蹴散らかし、時には聴き手を優しく包み込むようなリリック。あえて言う必要もないでしょうが、聴けば聴くほど私は虜になっていきました。

hideちゃんが教えてくれたこと

hide と彼の音楽に出会った私は何回彼に救われたことでしょう。悲しい時は「FLAME」を聴いてしんみりしてから「MISERY」を聴いて前を向く。だって「星の嘆き聞けば」それが「ほんの小さなこと」だと気づいて突き進むことができる。世の中に不満を感じた時は「DICE」を聴いて自分の反骨精神を掻き立ててみよう。あと、愛犬との散歩にぴったりなBGMはやっぱり「LASSIE」だな。

自分の世界観を追求し続けること。

人に優しくあること。

気取らないこと。カッコつけないカッコいい人こそ、誰よりも一番カッコいいということ。

最先端の色んなツールを駆使して自己プロデュースを怠らないこと。

「お金がない」なんて言い訳にしないで、イマジネーションとクリエイティブなマインドを武器にすること。

彼の音楽、生き様、残した言葉に世界に、私は数え切れるないことを教えて貰いました。

唯一無二な存在になるには爆発的なカリスマ性はもちろん、それに匹敵或いは超えるくらいの探究心、努力、実験する心構えがいるということ。

ただ不良品(lemon)で行き場の無い気持ちや考えを抱えていた10代の私は、いつしかその過去を捨てて邁進する力を手に入れた。hideちゃんのおかげで私は ex-lemon、それなりの LEMONedになれたのかもしれない。

今日も貴方が残してくれた世界のおかげで、私は私らしく輝けているよ。

また、ピンクと黄色の花束抱えて貴方に会いに行くよ。
今度は一緒にお酒を飲みたいな。
ありがとう、ずっとずっと大好きです。

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