幸せ日記

いつからだっただろうか。


幸せという感情の中に君がいる。

いや、君のという存在の中に幸せという感情があるのか。

その核心に迫りたいと思った。



3月の或る日、僕は君と会った。
出逢ってから何年も経っているけど、
会ったのはこれが初めてだった。

初めてだったのに、初めてじゃないような気がして、
あれ、僕たちはどこかで会ったことがあるのだろうか。。。

それぐらい君と過ごしていた時間はいつもの僕たちのようで、
何の違和感もなかった。

安心感しか無かった。



きっと、いつからか、
僕は何かに気づいていて、
君もまた、何かに気づいていたのだろう。


だから、確かめ合うことができた。


本当によかった。


今でも夢のような時間を振り返る。

ずっと

ずっと

残っていくものだろうけど、
これからも君と寄り添って歩いていくことを考えると
沢山の想い出で溢れていきそうだから、
ここにも残しておこうと思う。


そして、いつか君がまた、
ここに来るんだろうな…

そんなことを考えながら。






1日目。


早朝、ある場所で待ち合わせ。

これが初対面。



これまで何度も君のことを見てきた。

画面の向こう側から。


でも、この肉眼で、
あるがままの姿の君を見たことはなかった。

そして君は僕の姿を知らなかった。

だからある意味、お互いの第一印象…なんだけど。

そんなこと気にならないくらいには
すぐにいつも通りになっていた気がする。


いや、君は少し緊張していたかな。
そんな彼女を見て僕も緊張していた。

あまり目を合わせなかったけど、
それでも君という存在がすぐ近くにあるだけで、
緊張は安心感へと変わっていた気がする。

2人で朝ごはんを食べた。

彼女がお土産に、ういろうを持ってきてくれた。
初めて食べるものだけど、
それ以上に、君からの贈り物が嬉しかった。

それからは一緒にドラマを見たりして、、、

君との関係をちゃんとハッキリさせたいと思ったから、
不安もあったけど、伝えてみたら、頷いてくれた。



いつからだっただろうか。



こうなることを、どこかで予感していたのかもしれない。

それが確信に変わったことが嬉しかった。



安心した。


この日が、僕たちの新しいスタートになった。


夕方は、君がご飯を作ってくれた。

と言っても、家には調理器具も材料も何にもなかったから
それを揃える所から、、、

だけど、一度に全てを揃えるのも大変なので、
ある程度買って、それで作れるものを…

ということでオムライスを作ってくれることになった。

しかし、調味料が足りず、
結果的に味は中途半端になってしまったものの、
それでも美味しく感じた。

きっと、君がいたから。

美味しく感じた。


君が作ってくれたから美味しく感じた。


幸せってこういうことなのかな。


確かに味は何か足りないと感じつつも、
幸せ、君という存在がそれ以上にスパイスになっていて
美味しかった。


ありがとう。

幸せの味を知った。








2日目。


朝起きて、そばに君がいる。


正直、この日の僕はあまり眠れていなかった。

彼女の寝相はあまりよくなく、
そんな彼女に結構な頻度でぶつかられて目が覚めていたから。

でも今思えば、そんな日も悪くないな。


僕にとって、夜眠れなかったことよりも、
君と共に夜を過ごしたことの幸せが勝っていた。


お昼前くらいに2人で家を出て、
ハンバーグを食べた。

大好きな人と食べる大好物のハンバーグは格別で
とにかく美味しかった。

そして、1日目はちゃんと見てなかったけど、
君が向かいの席で食べている姿に少しドキドキした。

幸せだ。


お昼を食べてから、調理器具を買いに行った。
色んなものを、君と見て回って選ぶのが楽しくて、

もし仮に本当に仮にだけど、
君と一緒に暮らすようになった時、
こんな感じで家で使う器具なんかを選んだりできたら楽しそうだな。

…って感じるくらい、ただの買い物を心の中で楽しんでいる自分がいた。



夜ご飯は、また彼女が作ってくれることになった。

もう嫁なんじゃないか


料理でできることが増えたのか、
1日目よりも楽しそうに料理をしてくれた気がする。

そしてそんな君の姿を眺めている時間が心地よかった。

普段あまり見れない姿、
それも自分にできないことをしてくれていることに
感謝と尊敬の気持ちを忘れたくないと思った。

ポトフと、惣菜で買ったエビチリを2人で食べた。


もう当たり前のように美味しかった。


君が一生懸命作ってくれた料理を、
君と一緒に食べる

そんな毎日が続いたらいいのにな。



嫌な顔一つせず、
料理はもちろん、家事も一緒にしてくれて、

楽しいことも、苦しいことも分かち合って、

こんなに一緒にいて安心感がある人と、
ずっと一緒に居られたらいいな。

何度もそう感じた。



「この人と結婚とかしたらこんな感じなんだろうな」


ふと、心の中に芽生え始めていた感情を口にした時、

君もまた、口に出した。






嬉しかった。

心臓が止まりそうだった。



そして、ずっと大事にしたいと思った。


これ、会って2日目の出来事なのが
未だに信じられないけど、
それ以上に彼女のことを信じたいと思った。


もう、何も失いたくないから。


大好きだ。







3日目。


この日はすごくよく眠れた。

昨晩の彼女がくれた言葉で、
胸のどこかで何かが弛緩したからか、
これまでよりもずっと安心感が心を包んでいた。


今日はデートだ。


2日目と同じく、昼前くらいに家を出た。
この日の彼女は、一段と綺麗で、可愛かった。


まずはお昼ご飯を食べる。

が、どこで食べるかは着いてから決めることにしてたので
色々とぶらぶらしながら、お店を見て回った。

もう幸せだった。


パスタを食べた。


彼女はパスタの食べ方(というかフォークとかの使い方)を
あんまり知らなかったようで、
別に気にしないよとも思いつつ、教えてみた。


一生懸命食べてる姿が、愛おしくて。

あと何よりパスタが美味しすぎて、
色んな意味で幸せだった。


食べてからは彼女が見たいお店や、
買い物に付き添ったりして過ごした。

好きな人が何を見て、何を感じて、
何を手に取るのかを眺めるのは好きだ。

何か少しでも共有できるものがあるなら、
それでいい。

ある程度回ったら、ある意味メインの水族館へ。


僕は水や空を見るのが好きだ。

水は、そこにしかない世界が
自分の知らないところで広がっていて、
そこに息づく命があって、動いている。

ただ興味と、
水の音や景色なんかが単純に好きだ。

心が落ち着くというか、
綺麗になる気がする。

そんな場所に、大好きな人と行ってみたかった。
それが叶った瞬間だった。


色んな世界に触れることができたし、
それを共有できたことが幸せだった。


ラムネ味のアイスクリームも美味しかった。


その後は観覧車に乗った。

意外と高いところは苦手だったけど、
街や人が小さく見えるのは、非現実的で楽しかった。

怖かったけど。

あと、初めて2人で写真を撮った。


ほかん。



ゲーセンにも行った。

UFOキャッチャーしたり、
某太鼓を叩くゲームしたり、、、

彼女は音楽をやっているからか、
めっちゃ上手かった。
というか適応力が高かった。

予想以上に疲れたけど、
その疲れすらも幸せという思い出に変えてくれる、
そんな君が僕は大好きだし、
これからもずっと一緒に居たいと

より強くそう思えるデートだった。


帰りは流石に2人とも疲れてたのか、
帰りの電車で、目的地の一つ前なのに2人揃って降りようとしたり、

ドーナツの好みが合ったり、

目的の缶チューハイを探してコンビニやスーパーを探し回ったり、

これだけ一緒に何かをして過ごして、思った。


すごく仲良しだな。


色んなこと許し合える、そして笑っていられる
素敵な関係性なんだなって。


それは、ここ数日でそうなったわけじゃなく、
会う前から、ずっと何年もかけて築きあげてきたものなんだろうな。

本当に、会えてよかった。


晩ごはんを家で済ませた後は、昨日から2人でやっている
職場破壊ゲームをプレイ。

彼女が気に入ってくれてよかったし、
一緒にやるとすごく楽しくて。


何度も言うけど、

幸せをくれて、そばにいてくれてありがとう。




4日目。


この日は仕事。

と言っても、テレワークなので、
彼女に仕事しているところを見られながら、、、

それはそれでいつもより頑張ろうって思えて新鮮だった。

あまり仕事の邪魔にならないよう気を遣ってくれているのが
節々から伝わってきてて、優しさを感じてあたたかい気持ちになった。

というか、僕が仕事している間に、
何も言わずに掃除や洗濯をやってくれてて、
ちょっとウルっと来た。
泣いてないけど。


ありがとう。


お昼ご飯も、何を食べたいか聞いてくれて、
「チャーハン」と答えると、材料などを買いに行ってくれて、
昼休憩の時間に合わせようと、一生懸命作ってくれた。

チャーハンと、ほうれん草ナムルと、スープ。


その全てに、彼女の愛が詰まっている気がした、


いつも本当にありがとう。



これだけ尽くしてくれる君に、
いつか僕も何かを返せたらいいな。

そのために今を頑張ろうと思えた。


仕事の合間、
目が合うと笑ってくれたり、
寄り添ってくれたりして、
仕事をしている時も君がそばにいてくれて
不思議な感覚だった。

心地よかった。

何気なく話したりしてることがただ楽しい。

そして、この日常がずっと続きますように。

抱きしめていたい。



仕事が終わったらカラオケに行こうという話になった。

カラオケはそんなに行ったことがないし
人前で歌うのが苦手というか怖いというか
なんか恥ずかしくて好きになれなかったけど

彼女と一緒ならいいやと思った。

一緒に歌を歌ったり、
でっかいカレー食べたり、
小さな空間だけど2人だけの時間を過ごせた。

何より、彼女が僕の歌を褒めてくれたことが
嬉しかったし自信が持てた。
カラオケが好きになった。


僕が君の好きな歌を聞くようになったように
君も僕の好きな歌を聞いて歌ってくれるようになって、そうやって共有できるものが増えていく感覚が夢のようだった。

歌だけじゃなく、僕の好きなものを知ろうとしてくれるその姿勢が、とにかく嬉しくて。

幸せだ。



帰る間際、彼女はあることを気にしていたようで
でも、僕が楽しそうだからあまり言えなかったけど話してくれた。

優しさには優しさで。

家に帰って、君は泣いてた。

背負うものが一気に増えると
やるせなくなる。

それは君も同じ。


だから泣いていい。


涙は代償なんかじゃない。


泣き止んだ後はいつも通りで、
2人で笑っていた。


僕自身も色んなことを思い出して、涙を流した。



辛いことも苦しいことも
共にできる関係。

素敵だな。



きっと、この人とは
とてつもなく相性が良いんだろうな。


だから一緒に居られるし、
一緒に居たいと思える。



君とだけ生きたいよ。











5日目。

この日も僕はテレワーク。

でも彼女は別の友達との約束があって
朝家を出ることになった。

朝もお互いの気持ちを確かめ合いながら
何気ない日々を過ごしたが、
明日の夜まで帰ってこない。


彼女が家を出ると、家の中は静まり返った。

これまで孤独というものを幾度も感じてきたけど
この日の孤独はどこか一輪の花が咲いているような、
そんな感覚があった。


君がいない場所で君を想う。


そんな一日を過ごす。


お昼ご飯は、彼女が料理で買ってきた食材を使って簡単に料理してみた。

自分でいざやってみると、
彼女が料理してる姿がフラッシュバックしてきて、
本当に大変で、ありがとうって思えた。


ぎこちない僕の料理を
彼女は褒めてくれた。


彼女もまた友達との時間を楽しんでるみたいで
こまめに連絡をくれた。

いつもより綺麗におめかししてもらった彼女を見て
胸がざわついた。
鳥肌が立った。



綺麗だな。


いつか一緒に行きたいな
って思うような場所、、、


夜は友達がお風呂に入っている間だけ
電話をしてくれた。


声が好きだ、
そう言ってくれる君の声が
僕も好きだ。


安心した。


彼女が居ない夜がこんなに寂しく感じるとは思わなかった。
それほどに、僕にとって君は大きな存在なんだということを実感した。


離れてても同じ気持ちで居られるといいな。

きっと大丈夫。









6日目。

朝、目が覚めて彼女が居ないことが
違和感でしか無かった。

日常にとけ込む麗しき色彩。

僕が見ている空の色だ。


この日も彼女は友達と楽しんでいる。

スヌーピーの被り物をして、
スヌーピーっぽい白のコーデで
すごく可愛らしかった。


この2日間で大人っぽく綺麗な君も
幼く可愛らしい君も見ることが出来て
なんて贅沢なんだろう。


僕は仕事へ行く。


でもいつもよりソワソワしていた。

君に会える夜が楽しみで、
本当はちょっと遠いけど
迎えに行くよと言った。

少しでも長く一緒に居たかった。

いつもより仕事を頑張れた。



夜になって仕事帰り、君を待つ。

スーツ姿を見られるのは初めてで
少し緊張した。

彼女も少し緊張してたのか、
あまり目を合わせてくれなかった。
1日目の時みたいな、ぎこちなさがまた良かった。


帰りの電車には、彼女と同い年くらいの若い子たちも沢山いたから若干恥ずかしかったのかな。

それでも、夜風にさらされて冷えきった彼女の手を
ずっと握っていた。

楽しかったことも話してくれて、
とにかく彼女が楽しそうなのが伝わってきて
なんだか嬉しかった。


家に着くと、いつもの彼女に戻ったというか
やっぱり外だと恥ずかしかったのかな。

でもどっちも好きだな。

スーツ姿を褒めてくれた。
お互い普段見せない姿を見れたってことで。


やっぱり彼女がいると安心する。

次の日で帰ってしまうけど、
ずっと離さないように抱きしめたい温もりだ。


友達へのお土産を買ったみたいで、
僕には無かったけど、
愛というお土産を十分過ぎるくらいに貰ってるから、
それでいい。


もっと一緒にいたいな。


2人とも疲れていたけど
そんなことも忘れるくらい、
かけがえのない時間で。

ただただ話して、笑っていた。








7日目。

目が覚めて君がいる。
そして安心する。

この日が彼女と居られる最終日。

テレワークなので、そのまま仕事。

と言ってもこの日の仕事は前の日に殆ど終わらせていたので、やることが無かった。

この日くらい、もっとゆっくり過ごしたい。。

その気持ちで昨日頑張ったから、
今日はご褒美。

彼女は荷物を片付けるといいながらも
ゴロゴロしたり、僕と話してくれたりして
ゆったりとした時間の中、日常を過ごす。


やっぱり落ち着く。


そばに居てくれるだけで
こんなにもあたたかい気持ちになれる人と
出逢えたことが本当に嬉しくて。


つい、口走ってしまう。
好きという想い。


この日のために、
彼女に手紙を書こうとしてたけど、
時間が無くて書けなかった。

そのことを彼女に伝えると、
「私も…!」と同じことを考えてたらしくて
2人で笑っていた。


振り返ってみると、
君と僕は似てるところも多くて、
だからこそ自分にない部分に惹かれるのかな。


お昼ご飯は近くのラーメン屋さんに行った。

昼休憩の時間だから人は多かったけど。

彼女は豚骨が好きなので
豚骨系のラーメンを食べた。

美味しかったね。



いつも何気なく食べているものも
彼女と一緒だと、もっと美味しく感じる。


幸せの味、か。


それは彩り。


午後からも共に過ごして、
今そばにある彩りと幸せを感じながら
息をしている。


毎日日記をつけていくことで
何気ない時間にさえ花が咲く。


今日が終わってしまえば
次会えるのは1ヶ月後。

会えない時間は、会いたい気持ちと
共に過ごす幸せを増幅させることは
もうわかった。

大切にすることに変わりはない。


夜はピザを食べた。


この日のカロリーは高め。


でも美味しかったから仕方ない。


一緒にゲームしたり、ご飯食べたり、
歩いたり、歌ったり、観覧車に乗ったり、、、

至る所に幸せが詰まった1週間だったな。

本当にありがとう。



彼女を見送る時、寂しかった。

でもまた会える。

その時のために今を頑張ろう。

これからも末永くよろしくね。








彼女を見送って家に帰ると
忘れ物があった。

それも嬉しかった。






彼女と過ごした7日間の日記。


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