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ポップコーンを通して「当たり前」とは何かを考える

僕のnoteでは散々お米の過剰作付け、過剰在庫を取り上げてきました。
じゃあ代わりに何を作れば良いのか?農業においては環境条件なんかもあるので一概に言えないというのが前提にはなりますが…
農林水産省では「転作作物」というものを推奨しています。小麦や大豆などの畑作物です。

その中で「子実用トウモロコシ」という作物がラインナップに追加されているんです。

子実用トウモロコシ

皆さんが普段目にするのはいわゆる「スイートコーン」といわれる生食用トウモロコシです。甘くてみずみずしいとても美味しい野菜です。
一方、子実用トウモロコシは水分が完全に落ちるまで成熟させて実だけを収穫する作物の事を言います。
実は世界に目を向けると、世界で最も多く生産されている作物がトウモロコシでそのほとんどが子実用トウモロコシなんです。
日本では子実用トウモロコシの生産はわずかなのが現状です。
実は日本は世界最大のトウモロコシ輸入国なんです。

何に使われているの?

子実用トウモロコシなんて何に使われているの?って思いますよね。
ほとんどは家畜のエサで、食用としてはコーングリッツやコーンスターチの原料として輸入されているんです。
そしてまさにポップコーンも子実用トウモロコシなんです。
つまりは皆さんが普段口にするポップコーンのほとんどは外国産なんですね。

海外産の子実用トウモロコシの多くが遺伝子組み換えと言われています。
日本までの輸送途中でカビが発生しないよう殺菌剤を添加する事もあります。(ポストハーベスト)
また、万が一何らかの理由で輸入ができなくなった場合、日本では様々なシーンに大きな影響を与える事になります。

トウモロコシを国産で作る意義というのは大いにあると考えています。


じゃあとりあえず作ってみよう!

子実用トウモロコシ作ってみたいなぁ、飼料用だとちょっと売り先やロットが心配だなぁ…
ってことで令和2年にポップコーンの栽培にチャレンジしてみました。
作るのはめちゃくちゃ簡単で、芽さえ出ればこっちのもの。グングン成長して夏には2.5メートルまで成長しました。あまりの大きさに笑ってしまいました(笑)
北海道だと病気や害虫にも強くて、殺虫剤と殺菌剤は使わずに済みました。
となると栽培にかかる時間や費用はかなり抑えられ、米や麦大豆と比較するとかなりの低コスト生産が可能だと感じました。
更に遺伝子組み換えトウモロコシが混ざるリスクが限りなくゼロなので、安全安心といった部分ではかなり優良な作物と言えそうです。

ただのお菓子から大きな可能性

普段は気にも留めない、当たり前に食べているポップコーンですが「国産で環境負荷も比較的軽く、遺伝子組み換えリスクも無く、それでいて美味しい」お菓子が作れる、となると僕はこの作物にとても可能性を感じています。
当然、栽培リスクもありますし、品質管理や流通上の課題もたくさんあります。
が、国内の食料自給率の向上を考えると「子実用トウモロコシ」はとても面白いんじゃないかと思います。

きっと日本には他にも当たり前に思っていた事が実はそうでもないんじゃないか?って事がきっとたくさんあるはず。
もっと色々な繋がりを通して農業の可能性を見つけられたらと思います♪

ちなみにBASEにて販売もしていますので、興味があればぜひ。
北海道産ポップコーンの実/株式会社加藤ファーム

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