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加藤昌史、グループホームで介護職に挑戦中です。

昨年11月中旬から、とあるグループホームで働き始めました。

去年のトークショーでもチラッと触れましたが、2019年に二男が呼吸と鼓動を止めた後、それまでの7年間献身的な対応をしてくださった医療関係者の皆様になんらかの恩返しをしたい、と漠然と考えている中で、「資格」の壁に悩まされておりました。

医療や介護の世界で仕事をするためには必ず「資格」が必要、と思い込んでいたのです。

ところが昨年の秋口に、知人の俳優さんが仕事が入っていない日にデイサービスでレクリエーションを中心に仕事をしていて、かなりお役に立てている、という話を聞いたのです。しかも、その人はなんの資格も有していない、と。

そこで求人サイトなどで調べてみたところ、資格取得を目指す人たちのために無資格でも勤務できる場合もある、ということを知りました。

破産後これまでやってきた様々な演劇表現の講師業が本業であるという認識はあるものの、高校の場合は長期休暇中は極端にヒマになってしまうためそこを埋めるためにもちょうどいいぞ、と思い、念願の介護の仕事を始めることにしたのです。

脳腫瘍だった息子の終末期には、自宅では僕が介護をしていたため多少の介助の勉強はしておりました。なので、この仕事も二男のおかげで就くことができた、ということですね。

僕が入れていただいたグループホームは、80歳から96歳までの9人全員が認知症で、自分では何もできない方も数人いらっしゃいます。ケアプランに則って、ひとりひとりへの対応を覚えなければいけないため、これまでの1ヶ月半、全く余裕がない日々を送ってきました。

まだ対応を熟知できていない入居者さんもいらっしゃいますが、ようやくこのnoteを書く余裕が出てきた感じです。

長年、初めてお目にかかる方とお話をし、相手を知り、自分のことを伝える、という仕事をしてきましたから、入居者さんとのコミュニケーションに関しては全く問題ありませんでした。

しかし、ただ、初めての仕事である、ということだけが自分にとって問題で、懸命に仕事を覚える努力をしてきました。

週に数日勤務しながら1ヶ月半経って、認知症を改善方向に向かわせるためには演劇的手法が絶対に役に立つ、と感じるようになってきました。このグループホームでは、音楽療法や体操などのレクリエーションは行われていましたが、当然のごとく演劇的なことは行われていませんでした。

そこで自分なりに調べてみたところ、岡山で「OiBokkeShi(オイボッケシ)」という劇団を主宰して演劇の手法を活かして“老い”“ボケ”“死”に向き合った活動を行なっている菅原直樹さんという方がいらっしゃることを知りました。

Facebookで友達申請をしてみたところ、なんと菅原さんはキャラメルボックスの芝居をご覧になったことがあり、僕のこともご存知だった、という嬉しい結果に。いつかお目にかかれる日が楽しみです。

さらに、荻窪高校演劇部の顧問の先生にこのお話をしたところ、なんとその先生は大学院で認知症について学んでいるところだ、とのこと。そして、さくっと調べてくださり、「演劇情動療法」というものがすでに存在していて、効果があるというエビデンスも出ている、ということも知りました。
https://www.jadet.jp/

現在、日常の入居者さんとの対話の中でさりげなく演劇情動療法の要素を含んだことをしてみながら、効果のほどを見ているところなのですが、間違いなく反応が変わってきています。

もちろん現時点では僕が勝手にやっているだけのことなので、いずれ管理者さんとお話をして正式に活動できるようになったらいいな、と思っているところです。

おそらく、僕のnoteをお読みくださっている方の中にも、介護職や、自宅で親御さんの介助をしていらっしゃる方も多いかと思います。まさか加藤昌史が本気で介護現場で働いているとは、と驚かれているかと思いますが、今後なにとぞよろしくお願いいたします。

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