見出し画像

こんちくしょー。サロンを長く続けるコツは、ヒューマンエラー思考から、システムエラー思考に変えること。

こんにちは。

サロンオーナー歴、約10年。

ひとりサロン開業コンサル&コーチのけんとです。

セラピストあるあるかと思いますが、たびたび遅刻してくるお客さん、予約当日にキャンセルされる、それどころか連絡なしで無断キャンセルされる。

お客さんに振り回されて、「こんちくしょー」と思うことはサロンを営んでいるセラピストであれば、誰しも感じること。

さて、こうした時に、「こんちくしょー」で終わるのではなく、今後、また、このような状況にならないためにどうするか?をしっかりと掘り下げることが、長年、サロンを続ける大きなポイントになります。

もっともオススメしないのは、お客さんにネガティブな感情をいだくことです。遅刻やキャンセルするお客さんは悪い人だ、とレッテルを貼ることです。罪を悪んで人を憎まずという言葉どおり、人を憎んだとしても、そこから得られるのは、一瞬の気休めにしか過ぎません。

人が悪いという考え方を「ヒューマンエラー思考」、とするのであれば、この考え方は、サロンを運営していくだけでなく、人として生きていくうえでもだんだんと息苦しくなってくると思うんです。そりゃそうですよね、自分の周りにどんどん悪い人が増えていく(と勝手に思い込んでいる)わけですからね。

そこでおすすめなのが、ヒューマンエラーではなく、システムエラーに意識を向けることです。システム、つまり「仕組み」です。人が悪いのではなくて、仕組みが悪かったんだ、と仕組みを改善することに意識を向けることが、とてもたいせつ。「システムエラー思考」です。

例えば、先ほどの、遅刻や当日にキャンセル、もしくはドタキャンをされるお客さんに困っている場合は、キャンセル規約を設ける、もしくは、予約前日にリマインドメールを送る、といった仕組みを作るだけでも大幅に状況は改善されるでしょう。

または、個人サロンで運営しているので、施術や予約管理など1人で対応していていて、とても大変なのでお察しくださいね、という内容を送るのもありかと思います。

また、当日キャンセルした方は、今後、2度と予約を受け付けません!という強いメッセージを提示することも、強力な抑止力になるかと。

このように仕組みを見直してしまえば、意外とかんたんにトラブルを防ぐことってできたりするんです。実際、私もサロンを営んで10年になりますが、キャンセル規約を導入してからは、当日のキャンセルはほぼ皆無です。

人ではなく仕組みに意識を向ける、言われてみればかんたんなことかもしれませんが、俯瞰して状況が見れていないと、こうした選択肢が意外と見れなかったりします。

もう20年以上も前の話ですが、私はブラック企業に勤めていたことがあったんです。私が入社した時期に、12人が入社したのですが、私を含めて11人が年内に退職しました。

会社側は「今年の新人は根性がないな」と言っていたそうですが、これはあきらかに社員側に原因があるのではなく、会社側に原因があったからです。(※いまだったら、すぐに訴えられそうなひどいパワハラの会社でしたからね。)

でも、当時は、会社でやっていけないのは自分の能力に問題がある、と思っていた人もいたんです。(※私もその1人でした。ちなみに私は鬱で退職。)

これは会社に限った話ではなく、学校もそうだと思うんですが、自分が悪いのではなく、自分が所属していた仕組み(環境)が悪い思うことも健やかに生きるための考え方だと思うんですよね。

冒頭では、人に意識を向けるのも辛い人生ですが、自分に向けても、それもまた辛い人生です。

話が逸れました。

つい先日、私が指導している生徒さんを対象して勉強会を開催しました。すると当日、予定していた参加者の10名のうち半数が欠席。

講師あるあるかとは思いますが、開催日当日や開催時間が近づくとメールが入るんです。ドキドキしながら開封してみると、「◯◯により欠席させていただきます」

今回の勉強会も、その状況だったら仕方ないよね、といった理由の欠席ばかりでした。生徒さんの欠席の理由を疑うことはないにしても、この日のためにめちゃくちゃ準備していたのでショックはショック。人間だもの。

とはいえ、自分も成長したなあ、と思ったのは、瞬時に、ではどうやったら当日キャンセルを減らすことはできるか、その仕組みを考えてみよう、という思考に切り替えることができたんですよね。

昔の自分だったら、当日、キャンセルなんてみんな酷い・・と生徒さんを責める意識はなかったとしても、しばらくショックで凹んでいたと思います。(※すぐに気持ちを切り替えることができたのは、個人事業主として10年揉まれてきたおかげ。おかげさまで、鬱で2回退職をしたことのある自分ですらも、個人事業主という働き方は自分をタフにしてくれます。)

アドラーも「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」といっておりますが、セラピストですからね、向き合うはモノではなく、人。常に人と向き合うわけですから、悩みがつきない職業です。

人を変えることはできませんし、また変えようと思っても、徒労に終わるだけ。変えることができるのは、人ではなく仕組み。

ヒューマンエラー思考から、システムエラー思考に切り替えることができるようになると、サロン運営も生き方もずいぶんと楽になるかと思います。

そして、この視点に切り替えられるようになると、人に優しく接することができるのではないかと、期待しております。

最後に名言をひとつ。

変えられないものを受け入れる心の静けさと
変えられるものを変える勇気とその両者を見分ける英知を我に与え給え。

ラインホールド・ニーバーの祈り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?