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ユーミンの「悲しいほどお天気」を聴く日。



 5年前の春、大学時代からの親友Kの大学時代の元カノから、 FACE BOOKの友達申請がありました。ボク達が大学生だった頃、Kは彼女のワンルームマンション、彼女と一緒に暮らしていました。
が、彼女が京都の短大を卒業する頃、二人は別れてしまい、彼女は故郷へ戻りました。
 
35年ぶり。 お久しぶりです!
 
ご挨拶のやり取りをメッセンジャーで数回。 
苗字は昔のままでした。 プロフィールには猫の画像。
子供はいる様子でしたが、込み入ったことは聞きませんでした。
 
 初孫ができた時だけFACE BOOKにいっぱいUPしていたズボラなK、彼女はそんな元カレKにも友達申請したのですが、「無視されたわ!」と記していました。
 
 彼女とのメッセンジャーでのやり取りは当初の頃だけでした。
 
 彼女はボクのFBの投稿に、たまに「いいね」していましたが、彼女自身の投稿は無く、ボクは彼女の存在をほとんど気に留めていませんでした。
 
 
 4年前の秋、FACE BOOKで彼女の誕生日を知らせる案内が出ました。
 
 その年の2月のボクの誕生日には、定型でしたが、お祝いのメッセージをもらってましたので、こちらからも、
『おめでとう!』のメッセージくらい送っとかなければ!
と、思っていた矢先の事。 
 
彼女の友人と名乗る方から、突然のメッセンジャー。
「彼女は、2か月ほど前に亡くなりました」 
 
FACE BOOKで35年ぶりの友達申請をいただいた春から約1年半、癌だったそうです。
 知らせてくれた彼女の友人は、
「京都で過ごした学生時代が、彼女にとって一番楽しかった思い出のようです」と教えてくれました。
 
 Kにも、彼女が亡くなったと伝える約束をしました。
 
 
 Kと彼女が京都の彼女の部屋で同棲していた頃、1度だけその部屋を訪れたことがあります。 
 
スヌーピーだらけの部屋でした。
 
 Kは、明らかに子供用と分かる小さなスヌーピーの茶碗を、まんざらでもない顔で使っていました。
 
 そんなKを見て、ちょっとだけ、うらやましく思ったことを思い出します。
 
ボクは『彼氏の友達』というほんのチョイ役ですが、彼女の人生で一番輝いていたページに登場させてもらった事に 感謝しています。
 
もう、彼女が亡くなって何年も経つのに、FACE BOOKは律儀に、彼女の誕生日を知らせてくれます。
 
彼女を削除するのはしのびなくて、いつも『誕生日おめでとう』とだけ、残しているメッセンジャーのアドレスに入力します。
 
 ユーミンの「悲しいほどお天気」をかけると、若かった頃の懐かしい記憶が蘇ってきます。
もうちょっと思い出に浸っていたいので、今日は仕事中、車の中は、ずっとユーミンで。

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