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「女性ならではの感性」がトレンド入り

岸田首相の発言が波紋を呼んでいるらしい。
私は政治には全く持って明るい方ではないので、このnoteでは特定の政党を支持したり非難したりすることはしないし、その意図がないことを始めに明記しておきたい。

その上で、今回の「女性ならではの感性」という発言について、少しだけ思いを馳せてみようと思う。はてさて、彼はどういった意図で「女性ならでは」という言葉を発したのでしょうね。

昨今、ジェンダーギャップに関して注目がどんどんと高まっている。
男らしいとか女らしいとか、特定の性別を一括りにしてイメージを押し付けてしまうような言動がタブー視されている。
これはジェンダーに限った話ではなくて、年齢だったり、国籍だったり、何かしらの属性で型にはめてしまう考え自体に対して、否定的な風潮が強まっている。

Divesity & Inclusion(以下D&I)という考えが広く浸透してきている結果なのだろうと思う。D&Iとは多様性を理解し、受け容れ、尊重し合うことである。
つまり、特定の属性だからどうこうではなく、個々人がもつパーソナリティやバックグラウンドまでを含めた個性を尊重することが重要視されてきている。

そんな時流の中で、今回の「女性らしい感性」という発言は、女性を性別だけでひとまとめにしてしまうような、D&Iと真逆のような姿勢に世間が反応しているのではないかと。

それに、仮に「女性らしさ」みたいなものが未だに存在しているのだとしても、今回入閣をした数名の女性が果たして世間一般的な「女性らしさ」を体現する代弁者たるか、どっちかというとそうではないんじゃない?というツッコミ。

そんなこんなが相まってトレンド入りしたのかなー、なんて個人的には感じました。


今回、首相という国政を担うトップの発言だったので、大きな注目が集まったわけですが、一般企業の管理職が似たようなことを言っても、あまり好ましいリアクションは得られないだろう。

では、どうすればよかったのか。
答えはとてもシンプルで、属性やカテゴリーの話をしなければいいだけのことである。

「女性ならではの感性」などとあいまいな表現ではなくて、これまでの経験に基づく○○さんらいし感性といったように、個にフォーカスをした表現をすればいいだけのことである。
それを「女性ならでは」なんていう曖昧な表現をしちゃったもんだから、昭和世代の岸田首相は、いわゆる古典的で献身的な女性像を期待しているんじゃないの?なんていう邪推までされてしまう始末だ。

人材配置というのは、とても難しいリーダーの役割ではあるけれど、基本的な考えはとてもシンプルである。

ポジションがある、そのポジションに必要な能力、知識、経験など要件を定義する。当てはまる人を配置する。

たったこれだけのことである。
現実には、必要な要件を100%満たす人材が必ずしもいるわけではないし、他のポジションの人材との相性などもあるから、パズルは多少複雑にはなるのだけれど、複雑化したとて、ポジションの要件に一つも合わない人を配置することはない。
したがって、要件に合致したポイントが、そのまま配置の理由であり期待することなのだから、それを述べればよいのである。


まぁ、強いて言う事ではないけれど、支持率が下がりまくっている首相だから、何かとやり玉に挙げたいというマスコミの意図みたいなものも感じなくはないけれど。


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