スカスカ部屋

引っ越しの作業がだいぶ進んだ。本と服、雑貨の山が部屋からなくなった。

今まで反・ミニマリズムで生きてきた。「持たない生活がしあわせを生む」、この消費社会でそんなことありえるのか。やせ我慢をしながら、お洒落したり顔をするなんて狂っている。そう思って、本棚をはみだした本も全部平積みで床に置いておいたし、ほとんど着ない服も全部クローゼットに入れておいたし、気に入った映画のパンフレットとか、勢いで買ったBAD BRAINSのポスターとか、人面キノコのキーホルダーとか、どうでもいい雑貨類も全部取っておいた。思い出を部屋に充満させておきたかった。

しかし家からいろんなものが無くなって見違えるほどシンプルになった部屋で今、なぜだろう、すごく気持ちがいい。こんなに広かったのか、ぼくの部屋。こんなに清々するのか、物がないと。嫌いだった自分の部屋が、そんなに悪くなく思える。

ただ整理整頓が苦手なだけで、ミニマリズムを避けてきたのかもしれない。今後の暮らしは部屋からモノを少なくして生きていこうと思う。

それにしても自分が何も考えずにミニマリズムを生活から排除していたので、『ロスト・シティ・レディオ』に出てくる「無神論を唱えるのは無宗教の盲信だ」みたいな文章を思い出してしまった。正確な参照をしたいんだけど、本がないからできない。もどかしい。やっぱりある程度、好きなモノは部屋に置きたい。実生活は中庸が一番だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?