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映画「猫は逃げた」レビュー

評点:90点

3泊4日の演技合宿が終わり、熱量がたかまっているその足で、眠気を我慢しながら吉祥寺の映画館にて観賞。今泉監督の作品が大好きで、先月の「愛なのに」も観賞しております。

男女4人の恋愛をメインにしたお話に猫が入ってきて展開するストーリー。4人の色恋も猫の存在により、変わっていきペットの偉大さを感じられます。

ある意味独特な雰囲気と舞台設定のなかでも、芯のある人間関係の描写はすばらしく、登場人物が抱えるそれぞれの葛藤や感情がにじみでています。

映画の尺としては、登場人物の設定説明に時間をかけており、その必要性は感じたものの、物語が展開されるまでに若干時間がかかるかな印象を受けました。最初の展開があってからは、展開のテンポがよくなってきたので、とにかく最初の発端の部分が気になるかなと思いました。

芝居としてはかなり繊細さが要求されそうななかでも、出演キャストのみなさんが、深みのある演技を丁寧にされていて、そのなかに山本奈衣瑠さん、毎熊さん、手島さん、井之脇さんそれぞれの個性がかいま見えたのもよかったです。

特に、奈衣瑠さんと手島さんは果敢に濡れ場にも挑戦されていて、役者として本気で表現したい、みなさんに伝えたい想いというものが伝わってきました。

毎熊さんや井之脇さんも、細かい表現がすごく上手で、シーンごとの感情や想いがスクリーンからバシバシ伝わってきて、釘付けになってしまいました。

自分のお気に入りはラストのシーンで、いろいろありながらも猫が人間を救ってくれる描写に河川敷の雰囲気もマッチしていて、とにかく最高でした。

基本的に、ある街のある登場人物たちの物語でありながらも、猫を中心にいろいろなことが起きて物語が進んでいく世界観へスッと入れた部分も含めて、好評点をつけさせていただきます。


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